ストロボの光量の強さはガイドナンバー(GN)で表記されていることが多いです。これはワット(W)とは全く違っており、計算式で変換することも出来ないものです。
ですがストロボの光量がどれくらい強いかを知るためにはGNしかないため、このGNがどういったものかについて知っておきましょう。
目次
ガイドナンバー(GN)とは?
ガイドナンバーはストロボの光量の強さを示すものですが、計算式がかなり独特です。正直覚える必要はないです。
計算式:GN=絞り値(F値)×被写体までの距離(m) ※ISOは100で固定とする
コスプレ撮影で人気のストロボ、GodoxのTT600の場合はGN60となっています。
GN60を基準に「明るいのか暗いのか」を考える人も結構多いです。基準と呼べるものは存在しませんがGN60=標準的なストロボの光量、と考える人は多いです。
TT600の場合はGN60(ISO100/200mm)と書かれています。光量も結構強くてコスパがいいことで人気があり、4灯持っていました。
感想としてはGN60=結構強い、です。クリップオンであれだけの光量があれば問題ないです。
ワットとは別物として考える
よくGNをワット(W)で変換したらどのくらいの値か?を考えている人がいますが、そもそも何もかもが違っているのでどう頑張っても計算することは出来ません。
実際に使ってみた経験からすると、Profoto A1(76W)よりは強いです。ですがGodoxのAD200(200W)と比べるとかなり弱いです。
なので順番としては弱い順に
Profoto A1(76W)→Godox TT600(GN60)→Godox AD200(200W)→Profoto B10(250W)等
になります。
実際に全部持っていた時期があり、比べてみたこともありますがGN60=100W無いくらいだと思っています。計算出来るような内容ではないので完全に「個人の感想」レベルですが、A1より強いのは間違いないです。
Profoto A1に乗り換えてしばらくはTT600の感覚で使っていたので、光量が弱くて苦労しました。いつものように使うと暗いので被写体との距離を詰めて撮影していました。
どれくらいか、というのが考えても出せないので撮影して離れたり近付いたり位置を変えてみたりしながら覚えました。
体で覚えたほうが早い
撮影に関してライティングは計算であることは間違いないのですが、GNに関しては計算式の複雑さと手間を考えれば撮影しながら覚えたほうが早いです。
実際、TT600で撮影していた時は体で覚えました。とにかくシャッターを切って覚えるのがいいです。いちいち「今F10で距離2mだからGNは…」と考えていたら時間が足りません。
その考えている時間をとりあえず1枚撮って調整する時間に当てたほうがいいです。今の時代、撮った写真をすぐ確認したりその場で削除もできるので撮ったほうが早いです。
慣れると感覚的にこれくらいだろう、と予測が立てられるようになります。
GNが全てではないので、GNに時間を費やすのではなくライティングに時間を使ったほうがいいです。GNがいくつ、という考え方よりも「この光量(1/8)だったらこれくらいの距離でここまで写せる」で覚えるほうがいいです。
撮影時間には限りがありますが、撮影が終わった後に考える時間は自分で好きなだけ確保すればいいので、最初のうちはあまり深く考えずとにかくストロボを光らせて写真を撮って後で考えましょう。
ソフトボックス類を使うと変わってくる
体で覚えたほうが早い、の最大の理由がこのソフトボックス類を使うと変わってくる点です。当たり前と言えば当たり前ですが、ソフトボックスを使うと光量が落ちます。
ストロボの光と被写体の間に布が入ってるので光量が落ちるのは当然です。GNはストロボと被写体の間に何もないストロボ直当てで考えられています。
ですが実際の撮影ではソフトボックスやアンブレラといったアクセサリーを何かしら使う場面が多いです。直当てをしないわけではないですが、頻度で考えると何かしら使うことが多いです。
ソフトボックス類を使うとGNの計算はより複雑かつ正確さが落ちてきます。メーカーによって多少違いもあるでしょうし、はっきりとした数値は出せないでしょう。
そうなってくると計算するより撮ったほうが早い、体感で自分なりのストロボの数値を覚えたほうがいいということになります。
人によって撮影スタイルは違います。ソフトボックスを使う人、アンブレラを使う人、直当てにこだわる人、状況に応じて使い分ける人と様々ですが全部GNが変わってきます。
照射角でも変わってくる
照射角はストロボを光らせる範囲を意味します。TT600の場合は200mmが最も狭いですが遠くまで光を飛ばす事が出来ます。イメージとしてはスポットライトみたいな感じです。
逆に数字を小さくすれば広い範囲を照らすことが出来ます。ソフトボックスとかを使う場合は基本広くするので数字は小さくします。
そしてこの照射角もGNに関わってきます。光る範囲を狭くすればするほど光は細くなって遠くまで強い光で照らすことが出来るので、GNが上がります。
逆に範囲を広げれば有効範囲は広がりますが光が弱くなってしまい、GNも低くなります。
Profoto A1の場合は輪っかのようなアイコンになっているので数値化は出来ません。それ以前にGNではなくW表記なので、計算式も違います。
このあたりも細かく計算するより実際に使って覚えたほうが良いです。習うより慣れろという言葉がありますがまさにこれです。
まとめ
最後にまとめです。
・GNはストロボの光量を示すもの
・GNの計算式は独特でW(ワット)と比べられない
・GN60は76Wより強い(肌感覚)
・計算するより慣れたほうが早い
撮影はとにかく数こなしてなんぼ、と言われています。ストロボ撮影もひたすら数をこなすしかありません。
機材を用意して計算してどうにかなるレベルであれば、わざわざプロを雇ったりしません。そうではなくプロがいて商売として成り立っているのはそう簡単にいかないからです。
ストロボを持っていない方はまずストロボを購入しましょう。
持っている方はひたすら練習して身体で覚えましょう。それが一番の近道です。