06
12月
ストロボ多灯ライティングはコスプレ撮影では当たり前のように出てきますが、実際には結構大変です。
そもそも多灯なので2灯でいいのか3灯なのか、それとも4~5灯いるのか、もっといるのか、非常に悩みます。
数が増えれば増えるほど難易度も上がっていきますが、基本的な考え方は1灯でも10灯でも同じです。
そもそもストロボは多ければいい、というわけではなく必要だからその数を用意するものです。
無駄に多くて無駄に光ると邪魔になってしまうので、しっかりとストロボの役割を決めて必要な台数を揃えましょう。
ストロボの役割を決める
撮影のテーマが決まっていないと何も始まりませんが、テーマが決まったとして撮影をするとなったらその準備をします。
テーマが決まっているので機材を用意するわけですが、大体はストロボを用意する事が多いです。問題は何灯必要か?ということです。
1灯でいい、ということは少ないのでだいたい2~3灯をベースに考えますがテーマによってはもっと必要になります。
それこそ多い人であれば同じストロボ10灯とかもあります。持っていくのを想像するだけで気が遠くなりそうですがやる人はやります。
ですがそれだけ必要だと判断したからこそ用意しているわけで、とりあえず10灯あるわけではないです。
それぞれのストロボの役割があって、それだけの数が必要という結論に至ったということです。
一番多いのはポートレート撮影系でストロボ2灯です。
こんな感じに被写体に対して斜め向かいから左側と右側にそれぞれ用意します。人物撮影の基本となるストロボの配置です。
これがもし1灯だけになったらどうなるか?見てみましょう。
まずは左側だけです。
続いて右側だけです。
こうやってみるとそれぞれのストロボの役割が見えてきます。片方だけだと暗くなる部分が出てくるのでそこを明るくするためにもう1灯用意した、ということです。
なぜ2灯必要なのか?というのは左側(右側)だけだとこうなるから、という理由が見えてきます。
もちろん、そういったテーマで撮るなら1灯でいいんですがまずは定番の普通に明るい撮り方から、であれば2灯使います。
実際にはストロボ以外でも色々な方法はありますが、今回はストロボがテーマなのでストロボを使っていきます。
左側のストロボの役割と右側のストロボの役割はそれぞれ違っていて、一緒に光ってこそ求めている写真が撮れるわけです。
まずは撮りたい写真のテーマ・イメージを固めてストロボの役割を決めて用意しましょう。
ストロボのパワーを役割ごとに調整する
次にストロボのパワーを調整します。これも役割ごとに違ってきます。全部の光がメインとなるわけではなくメインとサブになるので、それぞれ違った設定になります。
仮に先程の配置でどちらも同じパワーにしてみます。今回はGodox TT600を想定して左側に合わせてみます。
別に悪くはないんですが右側の光の主張がちょっと強く感じます。背景もポーズも特になにもない写真である事を考えると右側の光はもうちょっと弱くていいです。暗くなる部分がない程度の明るさにします。
設定をあわせていくとこのようになります。左側と右側でそれぞれ必要なパワーは違ってきます。今回の場合だと左が1/16、右が1/32と1段階違っています。
無理に多灯ライティングを組まない
ストロボの数が2~3灯あったほうがプロっぽい(見た目的な意味で)から多灯で頑張る、という人もいますが無理に多灯ライティングを組む必要はありません。
1灯で事足りるなら1灯で撮影しましょう。ストロボが多いと荷物が増えて移動が大変です。しかも使う予定もない撮影なら持っていくだけ邪魔になります。持っていくならストロボ1灯とレフ板の方がまだ使えます。
ストロボ2灯目を用意するのは2灯目にも役割があるからで、役割がないのなら用意しないのが基本です。片付けも時間かかりますしセッティングにも時間がかかります。
1灯でいいなら1灯で撮影して時間を短縮して、余裕ができた時間を違うところに回しましょう。ロケ撮影だといかに素早くライティングが組めるか、撮影できるか、移動できるかが勝負です。
そこでずっと撮影するならいいんですが、あちこち移動して撮影したい場合は多灯ライティングにすると準備が毎回大変で時間が足りません。
せっかく持ってきたから使う、ではなく不要なら使わないと決めることも大事です。
3灯あるから3灯使おうとする人もいますが、実は2灯でいいのなら2灯で撮影しましょう。壊れた時用の予備として1灯持っている、と考えてみましょう。
なので3灯持ってるが1灯は予備、撮影は2灯でするんだと決めると2灯で配置を考えるようになります。予備は予備です。
役割が決まらない時
ストロボの役割を決めたくても決まらない、よくわからない時は多々あります。頭の中ではイメージ出来ているのに実際にうまくいかないというのは常です。
そんな時は2灯だけにして、基本に戻りましょう。
最初の方で使っていた基本的なライティング、一旦あれに戻すのです。
イメージしているものにもよりますが、大体はこの配置がベースとなってくるので一旦戻して考え直すことで答えが見つかることもあります。
ひたすらあーでもないこーでもないとやっているよりは可能性が高いです。
そもそも、そのイメージしているものを撮影するのにストロボが必要なのか、という点から考えることも大事です。
ストロボを使うのはイメージしたい写真を撮るために必要だから、であって不要であれば使わなくてもいいんです。
ストロボを使わないというのも役割の1つです。役割と言うと使うことばかり考えてしまいますが、使わないというのも立派な役割です。
当日現地でイメージが思いついた場合ですと時間がないので焦ってしまいますが、まずは基本に戻って、それでも違うと思ったら1灯にしてみましょう。
その1灯がまず必要か考えて、2灯目が必要かどうかであったりどういった役割で必要になってくるのかを考えます。
必要だから多灯になるのであって、多灯ライティングで撮影しなければならない決まりはありません。
練習するときでも無理に多灯ライティングを組むのではなく、多灯ライティングが必要になるであろうイメージを作ります。
必要なければやろうと思わないので、ちょっと強引にでもこういう写真撮るならストロボ複数いるだろう、多灯ライティングじゃないと無理だろう、というのをイメージします。
思いつかなければ、最初は基本の2灯からやってみましょう。