ストロボを使い始めて悩むのが明るさの調整です。
明るさはF値・シャッタースピード・ISO感度全てに関わってくるものであり、ストロボ自体のパワーもあります。
今回はわかりそうでなかなか理解しにくい、ストロボとシャッタースピードの関係性について解説します。
ストロボとシャッタースピードの関係性
まずストロボとシャッタースピードの関係ですが、影響する範囲が決まっています。
シャッタースピードが関係してくるのは「背景」です。
ピントが合っていない部分の明るさに影響します。
シャッタースピードは被写体の明るさにはほぼ影響しません。
被写体の明るさはストロボでほぼ決まります。
シャッタースピードを遅くすればするほど全体が明るくなるので、その影響で多少被写体も明るくなりますが、多少シャッタースピードを変えた程度では影響しません。
言葉だけだとわかりにくいので、実際に写真を見てみましょう。
まずは普通に1/160で撮影します。
ストロボのパワーやカメラの位置はそのままで、1/40まで遅くしてみます。
被写体に対する光はほぼ変わっていませんが、背景や影の部分は変わっています。
逆に秒単位になるレベルまで来ると、被写体への影響も結構大きくなります。
試しに1/2秒似設定します(ストロボの設定はそのまま)。
見事に被写体が真っ白です。
最初は2秒とかに設定してましたが、真っ白で何も見えなかったのでちょっとだけ設定を見直しました。
ここまでシャッタースピードを変えるとさすがに影響が大きすぎて何も見えない状態になります。
ちなみに今回、影の部分も変わっているのは「ストロボが当たっていない」からです。
ストロボが当たっている部分に注目すると、シャッタースピードの変化に対して影響が無いってことがわかります。
なのでストロボの当たっていない部分、特に背景を変えたい場合はシャッタースピードで調整することになります。
F値とISO感度は被写体にも影響するので、ストロボのパワー調整も必要になってきます。
シャッタースピードで背景が変わらない場合
シャッタースピードを変えても背景が変わらない、変化が全くわからない、という場合もあります。
これも理由はすごいシンプルで、先程の通り「ストロボが当たっていない」がポイントです。
屋外であれば殆ど心配ないのですが、屋内ですとストロボの位置が近すぎて背景まで届いてる場合があります。
シャッタースピードはストロボが当たっていない背景の明るさを変えるのであって、ストロボが当たっていたら被写体と同じです。
被写体と比べて距離があるので、被写体ほどではないですがある程度の光量があれば実は変化していてもわからないレベルだったりします。
なので背景だけに注目して延々と写真を見比べたら「微妙に変わってる気がする」程度の変化しかないこともあります。
変わらない場合の対処法
背景までストロボの光が届いてシャッタースピードで変化が見られない、背景の明るさを変えられない場合どうするか?
答えは簡単です。ストロボの光が届かないところまで後ろに下げればいいのです。
背景にストロボの光が影響している、ということはパワーや照射距離を考えるより単純にもっと遠くにすればいいのです。
パワーを弱めたら被写体が暗くなりますし、他の設定を変えたら全体が変わってくるのでまた考え直しです。
ただ、ここまでしてシャッタースピードだけで背景を変化させる、というよりは他の設定も組み合わせて考えたほうが早いです。
あくまで「シャッタースピードとストロボの関係性を理解したい」という場合に使える手法です。
普段の撮影でこういった事があれば、大人しく他の設定も組み合わせたり被写体の立ち位置を変えたりして、対処しましょう。
特にスタジオとかイベントでの撮影の場合は時間が限られています。
もっと時間のある時に検証するとして、その時はこの設定にこだわらず良い写真を撮れるように意識して撮影しましょう。