フォトグラファーたるもの、カメラやレンズや撮影技術以外にもPCにもある程度詳しくないといけない時代になりつつあります。
今ではスマホで簡単に加工できる時代になっていますが、それでも本格的な加工にはPCが必須です。それがWindowsでもMacでもPC選びはとても重要です。
一般的にハイスペックと呼ばれるPCはゲーミングPCと呼ばれていますが、フォトグラファーはゲーマーではない(ゲーマーも多いですが)のでゲーミングPC並のスペックが必要なわけではありません。むしろあそこまでいくとオーバースペックすぎて使いこなせません。
フォトグラファーにとって必要なPCと機能についてご紹介します。
ささっと読みたい方は各項目の「ざっくり説明」をお読み下さい。しっかり読みたい方は「詳細説明」をお読み下さい。
目次
最重視したいのはCPU
ざっくり説明
フォトグラファー向けにわかりやすく説明すると、CPUの性能が良い=AFが速くて画面内なら完全追尾かつ連射もものすごく速い、という感じです。
超高性能なCPUを積んだPC=プロ向けの最新のフルサイズ一眼レフカメラ(フラッグシップ機)
普通のCPUを積んだPC=趣味として手頃なAPS-C・マイクロフォーサーズ
安いPCを積んだPC=保存に時間がかかってなかなか次の写真が撮れないカメラ
詳細説明
CPUはPCの頭脳に当たる部分のものです。よくcore i7とかi9の第8世代とか9世代とか言いますがCPUの性能を示しています。
基本的には両方の数字が大きければ大きいほど性能が高いです。予算の都合もありますが、core i7の第5世代よりもcore i9の第7世代の方が性能は良いです(ただし高い)。
迷ったら両方の数字が大きいほうが良いとだけ覚えておきましょう。最近はその後ろにアルファベットがついてるのもありますが、結構な沼になるので数字だけの判断で大丈夫です。
このCPUが何をするか、何の役割か、といいますとPC全体の動きに関わってきます。起動が早いか遅いかもそうですがlightroom→photoshopへの移動の早さとかそれぞれの作業でどれだけスムーズに動くかが変わります。
高性能だったらphotoshopで何個レイヤーを作ろうが動作にほぼ影響がありません。これがCPUの性能が低いとレイヤーコピーしただけでフリーズします。
lightroomだったら「被写体を選択」を押した時の早さをイメージしてもらえればと思います。あれが早いか遅いかが変わってきます。その後の作業も同様です。
グラフィックボードはあまり気にしなくていい
ざっくり説明
グラフィックボードは簡単に言えば「どれだけカメラのモニターが綺麗か」です。ファインダーを覗いた時の画面の鮮明さとか細かさです。
高性能だったらファインダー覗いたままRAW現像できるくらいの解像度をイメージして下さい。操作性は別としてそれくらい鮮明な描画が出来るということです。
カメラにlightroom搭載されたらPCいらないってくらいの鮮明さです。カメラで見る段階であれば綺麗な方がいいのは間違いないですが、そこまで必要か?と言われたら不要です。
詳細説明
グラフィックボード(通称グラボ)はPCのグラフィック面に関するパーツです。ゲーミングPCだったらCPUとグラフィックボードは超高性能です。あの価格の大半はグラボです。
一時期、仮想通貨のマイニングで高性能グラボが使われておりグラボの価格が異常なくらい高騰したことがありました。シェーダという機能がマイニングに最適だったそうですが、ゲームをする時にも重要です。
特に4K画質でものすごい激しい動きをするようなゲーム(FPSとか)を一切の遅延なしに動かそうと思ったら、ものすごいスペックのPCが必要です。CPUもグラボも高性能じゃないと起動すら怪しいです。
ですがphotoshopやlightroomはCPUに依存するため、グラボの機能をあまり必要としていません。性能が良いことに越したことはないですが、予算を考えたらグラボは多少落としてCPUに予算を使ったほうがいいです。
ただし動画編集も考えているのであればCPUもグラボもハイスペックじゃないと動きません。それこそゲーミングPCを選ぶのが一番楽なくらいです。
特に4K動画編集を考えている方は迷わずCPUとグラボに金をかけましょう。そこそこのCPUやそこそこのグラボでは4K動画は編集出来ません。
参考までに以下PC(自作)で4K動画を編集するとちょっとフリーズ起こします。4K動画をギリギリ編集できるか?くらいのスペックと言われています。
CPU:core i7 8700
グラボ:GTX 1060
ハードディスク:SSD
使っているソフト:Davinci Resolve 17
動画編集をするならGTX 3080くらいのがあると良いと思います。新品で19万円くらいするのでレンズ1個買うかグラボ買うかの選択になります。
でもそれくらいのグラボを買わないと、今後どんどん動画が4Kが標準で8Kがちょっといいレベル、と言われる時代がきたらしんどいと思います。今のGTX 1060みたいになるかもしれません。
SSDを買おう、迷わずに
ざっくり説明
多分これが一番わかりやすいと思います。
HDD(ハードディスクドライブ)=安価で大容量だが読書速度が遅いSDカード(30MBくらい)
SSD(ソリッド・ステート・ドライブ)=高価で低容量だが読書速度が速いSDカード(300MBくらい)
よくSSDはHDDの10倍早いと言われているので、30MBと300MBにしてみました。
まず起動速度が圧倒的に違います。カメラだったら電源オフの状態から電源入れて1秒で写真撮れるくらいの超スピードだと思って下さい。
保存は一瞬、本当に保存したのか疑いたくなるくらいの速さで保存されます。保存中の表示を凝視しないと見れないくらいの速さです。高額かつ容量も小さいですが圧倒的なスピードです。
詳細説明
PCのデータ保存と言えばHDDが一般的でしたが、SSDの登場により「よく使うデータやプログラムはSSD、あまり使わないデータや大容量のファイルはHDD」という分け方がされるようになりました。
OSをSSDにインストールしておくと速ければ3秒でログイン画面にいけます。電源入れて3秒後にはログインパスワードを入れているわけです。
この自作PCでも10秒くらいでログイン画面に入れます。昔は3秒でしたが結構な年数が経ってるのもあってか、年々遅くなってきています。それでもかなりの速さです。
photoshopやlightroomのインストール先としてSSDを選ぶと起動がとにかく早いです。ただし写真やRAWデータの保存先としては容量が少ない上に頻繁に扱うこともないので、そこはHDDで大丈夫です。
なのでSSDとHDDの二刀流がお勧めです。最近のPCだとこの構成か両方ともSSDが搭載されていたりします。それか1台のSSDで大容量とかもあります。
何よりSSDはHDDと比べて小さくなっているので省スペースです。
WindowsかMacか、どっちでもいい
もう結論が出ていますがWindowsがいいのかMacがいいのかについてはどっちでもいいです。極論言えば両方持っていたほうがいいです。
Macを使う理由として多いのはiphoneとかipadとの連携とディスプレイの美しさです。ただフォトグラファー向けというよりもデザイナー向けです。
WindowsもMacも両方持っていますが相当細かいことを言わない限りは特に不便はないです。メインPCが自作PCなので手放しにくいだけ、というのもありますが実際Macも買って使ってみましたがわざわざ壊れてもないのに買い換える必要はない、という感じです。
ただiphoneとipadがあるので、今の自作PCに限界がきたらMacにして統一することも視野に入れてます。壊れない限りは特にどっちでも問題ないです。
それよりもスペックを見たほうがいいです。WindowsだろうとMacだろうとスペックが低いと何も進みません。
PCが光る必要はない
性能面というよりも見た目の話になりますが、ゲーミングPCは高性能かつよく光っています。かっこよく光っていたりレインボーに光り輝いていたり演出があったりと非常に凝っています。
ですがあれはいわゆる男の浪漫というやつで、スペック的に意味はないです。むしろあのLEDの分だけ電力を使うので電気代が高くなる+目に優しくないというデメリットがあります。
ただただかっこいいから光っているだけなので、フォトグラファーにとっては逆に光っていると色調整とかがやりにくくなってしまうので、可能なら光ってないものかオフに出来るものがお勧めです。
最後に
最後に簡単にまとめると
・CPUは最重視するべき
・グラフィックボードは動画編集しないならそこそこでOK
・SSDは買おう、今すぐ
・WindowsでもMacでもどっちでもいい
・光らなくていい
です。
動画編集もする、デザイン関連の仕事も視野に入れている、という状況ならMacの方が良いです。Macbook Proは高性能なので1台あるととても便利です。
↑に書いてる内容のいいとこ取りしているので、予算の問題さえクリアすれば一番理想に近いと思います。