意外と知られていませんが、日本刀は誰でも購入できます。よく「許可が必要」とか「特別な免許が必要」と思われがちですが、半分正解半分不正解です。
日本刀に興味を持つ人が増えており、模造刀ではなく真剣が欲しいという人も増えています。金額面以外でハードルが高いと感じて諦めてしまう人もいます。
ですが実際には金銭面の問題さえクリアしていれば意外と簡単です。今回は日本刀の購入方法と絶対に知っておくべき注意点を2つご紹介します。
目次
日本刀をどこで買うか?
専門店で買う
真っ先に思いつくのは専門店です。日本刀を扱っているお店は日本国内に結構あります。普段見ることがないだけで、意外と町中とか百貨店の中にあったりします。
百貨店なら行ったことがある人のほうが多いと思います。いろいろなお店が入っていますが、その中に日本刀を売っているお店が入っていたりするのです。
大きい店舗ではなく割とこじんまりとしていたり、奥の方にあったりするので「お店に行く」という気持ちで探さないと見つけられないかもしれません。
それ以外にも店舗を普通に構えているところもあります。その場合は普段の町中にあるのですが意外と前を通っていても意識しないと気付かないものです。
ネットショップでも売られていますが、最初の1振りは現物を見るのをおすすめします。
お店によっては予約制の場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
オークションで買う
初心者向けではないですが、オークションで買う方法もあります。ヤフオクだと日本刀のカテゴリーがあり日本刀が多数出品されています。
こちらはお店もありますが、個人の方が多いので個人売買に近いです。日本刀はお店じゃなくても個人売買でも手に入れることが出来ます。
個人的には初めて刀を買うのであれば、お店で買ったほうがいいと思います。現物を見れるのと、お店の人と話をして自分にあった刀を探すことが出来るからです。
元古美術商で自分で仕入れ~販売の経験があって、自分の眼以外信用していないのでずっとオークションで落札していますが似たような経験の人以外にはお勧め出来ません。
オークションのメリットとしては本当にすごいお宝が紛れ込むことがあります。お店で買い取ってもらうよりもオークション形式のほうが高値になることも多いので、自分で売る人もいます。
それと同時に個人売買がメインになるので、トラブルが起きたりするとその対応が手間だったりします。評価とか文章の書き方とかである程度予測出来ますがリスクはあります。
日本刀購入時の2つの注意点
【必須】銃砲刀剣類登録証の有無を確認しよう
日本刀購入時の注意点を2つご紹介します。
1つ目は日本刀を所持・売買するためには「銃砲刀剣類登録証」が必要になります。
これは日本刀1振りに1枚付いているもので、これがないと売買するどころか所持することすら出来ません。
銃砲刀剣類所持等取締法第14条で定められています。つまり法律で日本刀を所持又は売買するためには銃砲刀剣類登録証が必要、と決められているのです。
詳しい条件としては刃渡り15cm以上の刀、槍、および薙刀、刃渡り5.5cm以上の剣、あいくちは銃砲刀剣類登録証が必要、と定義されています。
なので例えば刃渡り5cmしかない刀だったら登録証が不要になります。実際そんな短い刀は存在するのか?って思いますが、法律上ではそうなっています。
よく言われる「許可」がこの銃砲刀剣類登録証です。日本刀とこの登録証がセットになっており、日本刀を買うと付いてきます。
もし登録証が必要な大きさなのにこの登録証がない刀が販売されていた場合、完全に法律違反になるので手を出さないようにしましょう。
よく「お店だから付いているに決まっている」という人もいますが、「法律で禁止されているだけであってやろうと思えば出来ないわけではない」ので、販売しようと思えば出来るのでしっかり確認しておきましょう。
お店だから、とか評価がいいから、ではなく確認できるまで手を出さない、が基本です。
実際、刃渡り15cm超えてるのに登録証の有無も写真も一切ない日本刀がオークションに出ている事があります。写真がない(載せたくない)というのはまだわかります。人によってはなるべく情報を出したくない、という人もいます。
かなり少数派ではありますが、写真がない状態で「登録証がある」と記載がない場合は要注意です。殆どの人は写真を載せた上で「登録証あります」と書いています。
写真はない、登録証の有無は書いてない、けど記載されている刃渡りだと登録証がないのはおかしい、というのはトラブルになる可能性があるので避けたほうが良いです。
この登録証をもう1つの注意点である「所有者変更手続き」をすることで正式に所有者となれます。変更手続きまで終わったら何の問題もありません。
【必須】所有者変更手続きをしよう
日本刀を買ったら日本刀と銃砲刀剣類登録証が一緒についてることを確認して、所有者変更手続きをしましょう。これも法律で決まっている内容です。
手続きは日本刀を手に入れてから20日以内とされています。手続きは銃砲刀剣類登録証のコピーを取って書類1枚書くだけです。
この所有者変更手続きですが、管轄が各都道府県の教育委員会になります。この「各都道府県」が注意点で「お住いの都道府県」ではなく「登録証に記載されている都道府県」が管轄です。
例えば自分の住んでいる地域が大阪だったとして、登録証が和歌山だったら提出先は「和歌山県の教育委員会」になります。なので極端な話、日本国内だったらどこに住んでいようと関係ないということです。
書類は郵送かオンラインで受け付けているところもありますが、銃砲刀剣類登録証のコピーと届け出が必要な点は同じです。
ちなみに都道府県によっては手続完了連絡の郵送を依頼出来るところもあります。返信用封筒と切手を同封する必要はありますが、安心感があります。
基本的に届け出を出して完了しても連絡はもらえないので、しばらくしてから電話で聞くか何も連絡が無ければ処理された、ということになります。何かあったら連絡しますという旨がだいたい書かれています。
今まで10振り以上やってきましたが、連絡があったことはないです。
まとめ
最後にまとめです。
・日本刀の所持及び売買には銃砲刀剣類登録証が必要
・銃砲刀剣類登録証があれば許可が出ていることになるので、個別の許可申請等は不要
・日本刀の購入は専門店かオークションが一般的
・日本刀を手に入れたら20日以内に管轄の教育委員会宛に「所有者変更手続き」をする