日本刀関連

【日本刀手入れ】目釘抜きの使い方

日本刀の手入れの第一ステップは目釘を外す事です。この目釘を外すためには目釘抜きを使用するのが一般的です。

ですがどういうわけか、刀剣手入れ道具一式を購入しても「説明書」となるものは一切入っていません。目釘抜きどころかそれ以外の道具の使い方は何も説明がないのです。

自分だけかなと思って色々と調べてみましたが、どうやら基本的に説明書は付属していないようで困っているレビューが結構多かったです。使い方がわからず使えないって人も結構います。

目釘を抜くのは日本刀手入れの最初の工程です。手入れが進められないので今回は目釘抜きの使い方を解説していきます。

目釘抜きはどれ?

まず刀剣手入れ道具一式があるとして説明していきます。木の箱だったり紙の箱だったりと様々ですが「御刀手入具」と箱に書いてあるのが一般的です。

この箱の中に色々と入っていますが、↓が目釘抜きです。小槌みたいな見た目をしています。写真だと伝わりませんが見た目に反して結構重いです。大きさによって多少違いはありますが70~100g近くあるようです。

目釘抜きの使い方

この目釘抜き、実は2つの部品から構成されています。殆どの人がそれを知らず目釘抜きの使い方がわからず諦めています。説明書も何もなしに見つけられる人はすごいと思います。

目釘抜きの上部分を「回して」取り外すことが出来ます。そこ外れるのかよと言いたいところですが、外れるんです。そしてこの外した部品こそが目釘を抜くための重要な部品となります。

外した部分を使って目釘を抜きますが、まずは刀の目釘の「向き」を確認します。目釘は一般的に片方が太く片方が細くなっています。目釘を抜くときは細い方から抜きます。

↓の写真ですと左側が太く右側が細いです。

細い方に先程の部品を当てて軽く叩いて目釘を抜きます。

逆から叩いても太い方は目釘孔から突き抜けないようになっているので、まず抜けません。むしろ刀身に負担をかけたり余計に目釘が入り込んで抜けなくなったりする可能性があるので、向きはしっかり確認しましょう。

目釘を両面から見ればどっちから抜けばいいかわかります。たまに両方とも同じくらいの太さのもありますが、微妙に大きさが違うのでその場合は軽く叩いて抜ける方向を確認します。

もしくは目釘抜きのハンマー部分を押し当てるだけで外れる場合もあるので、簡単に外せそうな場合はそうやって外すのもありです。

目釘が外せたら目釘抜きの役目は終わりです。たまに目釘抜きの頭の部分だけ紛失しているものがオークションとかフリマアプリで流れてきますが、あれがないと使い物にならないです。

目釘を入れるときには使わない

手入れが終わった後に目釘を入れる時にも目釘抜きを使う人もいますが、基本的には名前の通り「目釘抜き」ですので入れるときには使いません。

目釘は普通に指で押したら入ります。指で押して入らないのなら目釘が合っていないので削って合わせたほうがいいです。目釘抜きで叩かないと入らないというのは目釘孔にダメージ与えてます。

目釘はカッターナイフでも削れる煤竹が一番理想ですが、現代では入手が難しくなっています。特に昔ながらの家で屋根に使われていた煤竹が一番いいと言われています。囲炉裏があって、その煙で長年燻されたものが程よい強度と柔軟性があるためです。

現代では普通の煤竹を使うことが多いです。煤竹はネットで買えるので購入して削るか、目釘用サイズにされたものを探して削りましょう。

ここまでが第一ステップ

目釘抜きだけでそこそこの長さになっていますが、あくまでこれは第一ステップです。日本刀手入れの一番初めの段階です。

文章や写真で書くとここまで長いですが、実際に作業としてやることは本当に少ないです。

1.目釘抜きの頭の部分を外す

2.目釘の向きを確認する

3.目釘を抜く

の3ステップで終わります。なので1~2回やればその後は毎回この手順を見ることなく出来るようになると思います。

日本刀手入れは日本刀を錆びさせないための大事な作業です。鑑賞する時も手順としては同じなので、手入れする時に鑑賞する人が多いです。

鑑賞と手入れをセットにしておくといいかもしれません。

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