カメラ関連

カメラのF値の決め方

カメラの基本設定の1つ、F値(絞り)の決め方に迷う方は多いです。

F値は室内なのか、屋外なのか、昼か夜か、どんな撮影をしたいか、といった様々な条件をもとに決めます。

 

そのため、一概に「とりあえず一番低い値にすればいい」というわけにはいきません。

 

F値が変わると同じ撮影環境でもどこまで変わるのか?を見ていきましょう。

 

 

F値で変わるもの、変わらないもの

F値は絞り、とも呼ばれておりよく「開放する」「絞る」といった単語が出てきますが、これはF値のことを意味しています。

絞り羽根があり、F値を高くすれば羽根が出てきてF値を低くすれば羽根が引っ込みます。

手持ちのレンズでF値を絞りながら見るとよくわかります。

 

では絞った場合と開放した場合の違いですが、一番大きく変わるのは「ボケ具合」です。

 

プロの写真でよくある「人はくっきり、背景はボケている写真」を撮るためにはF値が関係しています。

もっと極端な話をすれば、ボケるボケないの話に関わってくるのはF値だけです。

シャッタースピードやISOやホワイトバランスなど色々とありますが、背景のボケ具合には関係ありません。

 

F値が低ければ低いほどよくボケます。背景をとにかくぼかしたい、という場合はF値の低いレンズが必要です。

個人的にはF1.8あたりからよくボケると考えています。

逆にぼかしたくない、背景もしっかりと撮りたい場合はF値を高くする必要があります。

 

そしてF値はボケ具合の他にも明るさにも関係しています。

F値が低い=開放(明るい・ボケる)

F値が高い=絞る(暗い・ボケない)

と覚えましょう。

 

説明だけだとわかりにくいので、実際に見てみましょう。

同じ環境でF値が低い場合(よくボケる)とF値が高い場合(ボケない)写真です。

 

F2.8で撮影

F9で撮影(明るさ調整済み)

被写体はどちらにせよはっきりと写っていますが、背景の映り具合が違います。

F値を変えることで明るさも変わるので、他の設定も合わせて変えています。

ちなみにF9の場合は暗すぎてほぼ見えないので、ライトを当てて撮影しました。

 

これでF値がボケ具合と明るさに関係している、というのがわかるかと思います。

 

F値は後から修正ができない

F値を重要視している理由が後から修正が効かないことにあります。

よく撮影とかでちょっと失敗したな、と思ったことがあっても大体の人は「後で加工すればいい」と言います。

実際、加工でどうにかなることが多いですがF値関連のボケ具合は非常に難しいです。

 

たまに一眼レフやミラーレスではないカメラで撮影して、あとから周りをぼかしている写真があります。

加工してぼかしているのですが、本来ならボケているはずがボケてない部分があったりします。

例えば被写体の周りだけちょっとボケてない部分があったりしますが、ドット単位の作業を手作業でするのは至難の業です。

 

逆にぼかしすぎてしまった写真を後からボケをなくす、というのも出来ません。

F値を高くしすぎてボケなかったから後からぼかしたい、というのはある程度雑になってもいい、というのであれば頑張れば可能です。

ですがその粗さがどうしても目立ってしまうので、撮影時に設定を間違えないことが重要です。

 

撮影して設定が間違っていた、と気付いたら設定を修正して再度撮影するのがオススメです。

実際に撮影してみないとわからない場合も多々あるので、時間に余裕があればテスト撮影を事前にしておくのも1つです。

人や風景の場合は多少余裕がありますが、動物撮影の場合は待ってくれないので事前のテストは必須です。

 

 

F値をどうやって決めるか

次はF値をどうやって決めるか、です。

その前にF値を設定する前に決めるべきことがあります。

 

それはどんな写真を撮りたいか?です。

 

屋外であれば背景をぼかしたほうが良いパターンが多いですが、あえてぼかさない撮影をすることもあります。

ぼかすならF値は低め、ぼかさないならF値は高めにする必要があります。

どんな撮影をしたいのか、それによってF値を低くするか高くするか、それが決まります。

 

もし背景をぼかしたい場合は、最初は一番F値の低い状態、開放でスタートします。

自分の求めている写真に近いものが撮れればF値はそのまま、ちょっと違うならF値や他の設定を変更して調整します。

F値に限定して考えるならば、ボケ具合が求めているものかどうか、で判断します。

 

かといって1段階ずつ絞ってテスト撮影すると時間がかかるので、開放→一気に絞る、のがオススメです。

F2が開放でもっと全体を写したい場合はF9あたりまで一気に絞ります。

F9で撮影してみて、納得のいくものが撮れるか判断して更に絞るか開放するかを決めます。

 

F値はある程度絞れば背景のボケは完全に無くなります。

それでもF値に余裕がある場合は明るさ調整用として使います。

 

ちなみに普段の撮影では基本的に開放で撮っています。

自分の撮影スタイルが開放メインのぼかしたいなので、基本的には開放しています。

ただ真夏の屋外とかだとF値以外の設定を変えても明るすぎて限界があるので、ちょっとずつ絞って調整しています。

 

ちなみに真夏の昼間で天気の良い場合でも開放で白飛びさせずに撮る方法はありますが、機材が必要になるので別の機会にご紹介します。

まとめ

F値の決め方のポイントとしては「背景をぼかすかぼかさないか」で決まります。

明るさも変わりますが、明るさは他の設定で変更できるのでそちらで調整することが多いです。

なので基本的にはボケ具合で決めることになります。

 

・背景をぼかしたい=F値は低くする(開放する)

・背景をぼかしたくない=F値は高くする(絞る)

 

まとめると非常にシンプルになりますが、とても重要です。