日本刀撮影でのレンズの選び方です。
日本刀撮影はライティングが最も重要ではありますが、レンズ選びも大事です。カメラは何でもいいと言えば何でもいいですが、レンズはそうはいきません。
目次
日本刀撮影でのレンズ選び
1.撮りたい写真を決める
至るところで書いてますが、まずは撮影したいイメージを確定させます。フォトグラファーは撮る写真によってレンズを変えています。
人物と風景を一緒に撮りたいなら広い場所で撮影するか広角レンズを使います。ここで超望遠レンズを持ち出す人はいないでしょう。
逆に接近したら逃げる野生動物とか、物理的に接近不可能な飛んでる最中の飛行機とかを撮る場合は望遠レンズを使います。ここで広角レンズを持ち出しても飛行機が小さすぎて小さい点にしか見えません。
なので最初に撮りたい写真を決めます。日本刀の全体写真を撮りたいのか、地鉄がはっきり見えるくらい接写したいのか、切っ先にピントを合わせて茎をぼかしたいのか、色々とあります。
それぞれ合うレンズが全く違ってきます。
2.条件に合うレンズを探す
撮りたい写真が決まったら次はレンズを探します。そのためには条件設定が必要です。
例えば今回は日本刀の地鉄を撮影したいとします。地鉄の撮影方法については以下記事にて解説していますので、ご覧下さい。
地鉄を撮る、となるととにかく接近出来ることが重要になります。その時に見るべきポイントが最短撮影距離になります。
最短撮影距離はレンズによって違います。オートフォーカスが効く距離と効かない距離がありますが、日本刀撮影では距離があってもピントが合わない事が多いのでマニュアルで撮ることを前提にします。
もしこの最短撮影距離がマニュアルで0.5mだと50cmまでが限界になります。日本刀との距離50cm、近いように感じますが実際撮影するとなると距離があります。
かといってさすがに日本刀にレンズを引っ付けて撮影するわけには行きません。距離は少し取りたいところですが距離が遠すぎると地鉄の撮影は出来ません。
ちなみにこの最短撮影距離は「センサーからの距離」なのでレンズの先端からの距離ではありません。この点に注意しながらレンズを選びましょう。
今回の場合はかなり接近して撮影をしたいので、接写のできるマクロレンズを選択します。
3.そのレンズの写りをチェックする
2.の段階である程度レンズの候補が絞れます。1個だけになるかもしれませんし複数出てくるかもしれません。複数ある場合はレンズの写りをチェックしましょう。
写りのチェックは基本的に「作例」を見るしかありません。その作例を調べて、自分の求めている写真を撮るのにふさわしそうかを確認します。
最終的には実際に撮ってみないとわからない部分もあるので、作例を見て更に絞り込んだら2~3日程度レンタルサービスを利用して実際に撮ってみます。
実際に買うと非常に高いですがレンタルであれば万が一違ったとしてもダメージは少ないです。
重要なのはどこまで寄れるか
日本刀の地鉄を撮影するためにはとにかく接近するしかありません。図録のような全体写真を拡大しても地鉄は殆どわかりません。
全体写真を拡大して確認するよりも、寄れるレンズを用意して撮影したほうが圧倒的に楽です。見たいのは地鉄だけであり、今回は他の部分は考えていないので全体写真は不要です。
なのでものすごく接近出来るマクロレンズを選ぶのがお勧めです。焦点距離は標準~望遠まで幅広くありますが個人的には標準がお勧めです。
100mmマクロレンズも持っていますが、地鉄撮影をする時は真上から覗く姿勢になるので、レンズが重くなると身体への負担が結構大きくなります。
長時間の撮影ができず納得の行く写真が撮れない可能性が出てくるので、環境次第なところもありますが標準マクロレンズでの撮影が楽でした。
普段から望遠レンズの重さに慣れている人であれば、望遠マクロレンズを使ったほうが遠距離から撮影できる関係で、映り込みを楽に避ける事が出来ます。
撮影最短距離の確認方法
最短撮影距離は商品名に書かれていません。マクロとかMACROと書いてあることは多いですが、どれだけ寄れるのかは商品詳細説明に書かれています。
それ以外にもレンズ本体でも確認出来ます。0.15m(15cm)の部分が該当します。このレンズはマクロレンズですがスイッチにより切り替えが出来るので2種類書かれています。
センサーサイズの部分から15cmまで接近可能、ということがこれでわかります。結構接近出来ることになります。地鉄撮影であればこれくらい寄れると便利です。
ただし接近しすぎて刀本体にぶつからないよう注意しましょう。思っているよりも15cmは近距離です。
親指と人差指を離した時の距離がだいたい15cmくらいです。限界まで接近すると、そのくらいの距離しかないのです。
まとめ
最後にまとめになります。
・取りたいイメージを最初に決める
・地鉄を撮影するなら寄れるレンズ(マクロレンズ)がお勧め
・オートフォーカスには頼れない
・どこまで寄れるかを確認する(ぶつかり注意)
日本刀の撮影に限らず、撮影する時には撮りたいイメージを固めてから撮影しましょう。そうしないと良い写真が撮れたとしても、それで納得できず無限ループに陥ることもあります。