フォトグラファー養成講座第3章です。3章ではストロボを使った撮影について学びます。フォトグラファーであればストロボを使った撮影は出来て当然な時代です。

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フォトグラファー養成講座, 第3章

3-3.ストロボに使うアクセサリーについて【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

今回はストロボに使うアクセサリーについて解説します。 とりあえずつけとけばいい、の勢いで使っている人も多いですが使うべきかどうかを見極めて使うことは重要です。 全く使う状況がないのに持っていくと、無駄に結構な大荷物になります。   アクセサリーの数は豊富で、ストロボによっては専用のものもあったりするので今回は一般的に使われている物を紹介・解説します。     ストロボのアクセサリーを使う理由 ストロボのアクセサリーを使うもので代表的な物がソフトボックスです。 ソフトボックスは光を拡散させたり柔らかくする効果があり、撮影現場ではよく使われています。 ストロボの光はそのままの直当てだと、結構固めで直線的な光で照らせる範囲も限定的になっています。   これをソフトボックスを使うとここまで変わります。 直当てと違ってきつい光にならず、全体的に均一に光があたっているのがわかります。   実際ストロボの形を見ればわかりますが、四角いものがほとんどです。 大きさもあるので四角いそのまま光らせれば光の範囲も狭いです。 人物撮影で使うには小さすぎますし、光の届く広さも明らかに狭いです。   あれで全身だったり上半身だったりを照らしたいと思ったらすごい大型になるか、数で勝負するか、のどちらかになります。 ですが、巨大なストロボになると持ち運び不可ですし数が多くても持ち運び不可、どちらも現実的とは言えません。   そこで光を拡散するためにアクセサリーを使います。 大きく分類するとソフトボックス・アンブレラの2種類です。   ↓ソフトボックス ↓アンブレラ ソフトボックスは四角い物もあれば円形もあり、それ以外の形もありサイズも様々です。 アンブレラはその名の通り、見た目が傘です。 どっちがいいかはその人次第であり、柔らかさやどれだけ拡散するかも違ってきます。 使っているストロボによっても変わってくるので、一概にどっちがいいとも言えず一通り全部揃えている人も多いです。   アンブレラはスタンドにそのままでは刺せないので、ブラケットと呼ばれる物を別途用意したりアダプターを使用します。   ブラケットにストロボを刺して、そのブラケットをソフトボックスで覆うようにすることで完成します。 ソフトボックスで隠れていて全く見えない部分ですが、このブラケットが重要です。 アンブレラを差し込む穴もブラケットにあるので、ストロボとアンブレラだけ持っていっても何も出来ません。   次は種類を見ていきましょう。     ソフトボックス(四角いタイプ)   この四角いものが一般的にソフトボックスと呼ばれているアクセサリーです。 60cm×60cmですが、大きければ120cm×120cmもあります。 更にグリッドを付ければ拡散を抑えて光を集中させることも出来るので、持っていて損はないです。   グリッドを使うと光の範囲が狭くなりますが、立体感やくっきりとした表現ができるようになります。 グリッドなしの場合は全体を明るく照らすことが出来ます。グリッドがあるかどうかでここまで変わります。   ストロボやカメラの設定は同じにしてあります。 どういった撮影をしたいかによって使うか使わないかが決まってくるので、必要に応じて使い分けましょう。 ちなみにソフトボックス・ブラケットのセット売は多いですがグリッドは別売りが多いです。 グリッド付きも売っていることもありますが、最初はグリッドなしを買って必要性を感じてから買うのも1つです。   ソフトボックスは折りたたみ可能なので、広げれば大きいですが運搬時は結構小さくなります。 ブラケットは折りたためないのでそのまま持ち運びます。   ソフトボックス(円形) 個人的にいつも使っているのが円形ソフトボックスです。 四角いソフトボックスと比べて光が固い、と言われがちですがこれも物によって違うので一概には言えない所でもあります。 円形ソフトボックスの特徴としては円形なので四角いソフトボックスとは違って、光の拡散の仕方も円形です。 そしてレフ板の代用品としても使えます。   個人的に使っている理由の1つが物によりますが、ブラケットが不要です。 ブラケットなしでマジックテープでストロボに固定するので、安定性は落ちますが荷物が減ります。 ちょっとした撮影でなるべく荷物を減らしたい、けどソフトボックスは欲しい、という時に便利です。   ただブラケットがあると後々ご紹介するアクセサリーを使う際に必要だったりするので、そのために持っていくこともあります。 そうなった時はブラケットが必要な円形ソフトボックスもあるので、そっちを使うこともあります。 安定性と大きさと光の柔らかさが圧倒的に違います。   この他にもストロボのヘッド部分にギリギリ入るような小さいタイプもあります。 ただこのサイズになってくると正直なくてもいいんじゃないかと思えるほど、効果が薄いです。 ストロボ最弱パワーでもまだ強い、という時にパワーを落とすために使ったりすることはありますがソフトボックスとして使うのは難しいです。   円形タイプに似た形で八角形のタイプもありますし、縦長タイプもあったり本当に様々です。     アンブレラ アンブレラはその名の通り、本当に見た目が傘そのものです。   ブラケットの小さい穴に刺して固定しますが、向きがかなり重要です。 アンブレラによっては反射させて使うタイプと、光を貫通させる透過タイプがあります。 写真のタイプは透過タイプ、薄いので透けてます。   間違って使ってしまうと、光が殆ど通らないか逆方向に光って全くもって意味をなさない結果になります。 メリットとしては傘なので持ち運びが割と楽です。 折りたたみ傘と普通のジャンプ傘タイプがあり、折りたたみのほうが小さくなっています。   アンブレラのほうが全体を明るくするのには向いていますが、アンブレラとストロボの距離がとても重要になってきます。 距離を間違えたまま使っていると、思うように光が広がらなかったりします。 ソフトボックスの場合は位置がほぼ固定なので、そういった点では安定していると言えます。     スヌート スヌートはソフトボックスとは違い、拡散ではなく逆に集中させるために使います。   写真のように先端にいけばいくほど細くなっていくので、最終的にはストロボの光が一点集中するように作られています。 ブラケットに3箇所差込口があり、そこにスヌートを取り付けて固定します。   人物撮影にも使えますが、どちらかと言えば商品撮影とかに使われることが多いです。 人物撮影で使うと光が圧倒的に集中しすぎるので、顔だけ光を当てたい場合とかなら使えますがシチュエーションとしてはちょっと特殊です。 普段のポートレート撮影とかで使う人はほぼいませんし、今の所見たことがないです。   実際に使ってみた写真がこちらです。 スヌートなしの場合はこうなります。   スヌートがあると光の範囲が限定的になるのでほぼ真っ暗な写真になります。 見ての通り、集中型なので全体に行き渡らないので一部分だけがすごい明るくなってそれ以外の部分は暗いままです。 これをうまく活用した写真もありますが、撮影するものによってはホラーになるので普通にきれいな写真を撮りたいのであればソフトボックスを使うのがいいでしょう。   ちなみにこのスヌートは折りたたみ不可でブラケット必須なので、荷物は結構かさばります。 ブラケットは平面なのでまだいいんですが、スヌートは丸くて厚みがあるのでかばんに入れるとそれなりのスペースを持っていかれます。 普段のスタジオ撮影とかでとりあえず持っていくものではなく、事前に必要な撮影だとわかっている場合じゃないと使うことはないでしょう。   ただ面白いアクセサリーですので、商品撮影とかをする人は持っておくのもいいと思います。     カラーフィルター カラーフィルターはソフトボックスとは全く違うものです。 カラーフィルターはストロボに色付きビニールをつけて、ストロボが光った時に色を付けるためのものです。 種類もいくつかありますが、大体はゴムバンドで止めるかマジックテープでフィルター入れを固定して使うか、のどちらかです。   カラーフィルターを使うと、ストロボの光が当たった部分に色が付きます。 合わせてフィルター1枚通す関係で光量が落ちるのでストロボのパワーを上げる必要があります。 場合によってはホワイトバランスの再調整も必要です。   固定する方法としてよく見かけるのはゴムバンドで止めるタイプです。 マジックテープタイプの場合だと、ストロボ本体にマジックテープを貼り付ける必要があります。 マジックテープ程度ではありますが厚みが増してしまい、サイズギリギリに作られているケースに入らない等の不便なところが出てきます。 かといってマジックテープタイプを取り付けるとこのようになるので、マジックテープがないとストロボに取り付けができません。   それでもマジックテープ式を選ぶメリットとしては、カラーフィルターを後ろのポケットに収納出来ます。 使うであろうカラーフィルターを事前に後ろのポケットに入れたり、不要になった場合にすぐに取り出して収納が出来るので紛失する確率が下がります。 安いからといっても、毎回無くせば無駄な出費になりますし撮影時に必要な色がないというのは致命的です。 その上、一時は販売中止になったり再開したと思ったら微妙に違う商品になっていたりしたこともありました。最終的には元通りになりましたが結構な痛手でもあります。   あとは撮影に入った時に同じ機材を使う人が多数いることもあり、自分のものだとわかる意味でも付けています。 カラーフィルターを付ける上ではどっちでも問題ないので、撮影中にカラーフィルターが落ちることがなければ問題ありません。     ソフトボックスは価格もピンキリ サイズが違えば値段も違う、というのはわかりますがサイズが同じだったとしても値段はピンキリです。 安ければ1000円台、高ければ1万円を余裕で超えてくるソフトボックスもあります。 ですがサイズはほぼ同じ、見た目もほぼ同じ、なのに値段は10倍違ったりします。   実際に安物の円形ソフトボックスと9000円近い円形ソフトボックスを持っています。 両方使ってみての感想としては、全くの別物です。 ここまで変わるのか、と思えるくらい別物です。   これは触ってみないと伝わりませんが丈夫さも圧倒的に違います。 9000円の方が光が柔らかくて安定しているのと、しっかりと被写体全体に光が当たっているのがポイントです。 人物撮影に使うのであれば、光は柔らかい方がいい印象を与えやすいので価格が高くてもこういったものを導入するのがベストです。 逆に高級感を出したり、男性らしさやかっこよさをアピールするなら多少暗かったり影が出来た方がいい場合もあります。     ストロボの設定も重要 ソフトボックスやアンブレラを使う場合は、ストロボの設定も変える必要があります。 直当てと違って、ソフトボックスを被せたりアンブレラで反射させるので直当てと比べて光量が落ちてきます。 なので、普段よりパワーを上げていかないと本当に光ったのかどうか怪しいと思えるくらい暗くなることがあります。   また、ストロボによっては設定がないこともありますが照射角の設定も重要です。   ストロボの説明の際にも出てきた照射角です。 ここはレンズと同じ考え方で20mmであれば広角で幅広く、200mmであれば望遠で狭い範囲を照らす事になります。 ソフトボックスやアンブレラは光の拡散を目的として使うのが多いので、広角にするのが基本です。 全体を照らしたくてソフトボックスを導入しているのに、肝心のストロボの設定が一部分だけ照らす、というのは矛盾しています。   だからといって20mmにすればいい、というわけではなく撮影状況によって柔軟に設定を変えて対応する必要があります。 範囲が広すぎれば狭くするために設定を変えますし、あえて200mmにしてどうなるのか試してみるのも1つです。 直当てではないのですごい影響を及ぼすわけではないですが、自分にとっての最適な設定は知っておきましょう。     アクセサリー類は白だけとは限らない ソフトボックスの場合、基本は全部白ですが銀色だったり金色だったりとバリエーションも存在します。 アンブレラにも銀色がありますが、殆ど見かけることがなくアンブレラで売っているのは白ばかりです。 ただ白以外はちょっと変わった色味になってくるので、最初のうちは白で練習して慣れてきたら他の色に手を出すのが無難です。   ソフトボックスは難しいですが、レフ板は自作している人も結構います。 銀色や金色は市販されていますが、それ以外の色で独自の色を出したい人は自作しています。 レフ板の場合はある程度の大きさがあって光を反射すればいいだけなので、丸く切り抜いて固定させればそれで完成します。   まずは家にあるもので反射するか試してみたり、何かの代用品として使えそうなものがないか探してみましょう。     まとめ 最後にまとめです。 ・ストロボの主なアクセサリーはソフトボックス・アンブレラ・カラーフィルター・スヌートがある ・ソフトボックスはサイズ・形は色々とある上に値段もピンキリである ・基本は白だが銀や金も存在する   最後にソフトボックスがいいのか、アンブレラがいいのか、それは人によって違います。 色々な撮影現場でカメラマンの人と一緒に撮影してきましたが、ソフトボックスだけの人もいればアンブレラだけの人もいますし、両方併用する人もいます。 大体は四角いソフトボックスを使っていますが、物理的にスペースがなくて使えない場合もあるので毎回使えるとも限りません。   ストロボのアクセサリーは便利と言えば便利ですが、常に使えるわけではないことを覚えておきましょう。

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第3章

3-6.多灯ライティングについて

ストロボを2灯以上使う事を多灯ライティングと呼び、ほとんどの撮影では2灯以上使われています。 2灯あることで撮影の幅が大きく広がりますし、ポートレート撮影とかでは2灯が基本です。 ですが1灯と同じ考え方では扱えないのが多灯ライティングです。   そして多くの人が挫折するのがストロボを複数台使った多灯ライティングです。     1灯ライティングとの大きな違い 多灯ライティングは1灯では光が届かなかった範囲までも照らすことが出来て、ライティング次第で可能性は無限にあります。 一般的には2灯を左右に置いて、影を飛ばして人物を明るく撮ります。 全体に光が行き届いて綺麗になりますし、影も完全に飛ばすことが出来るのでスタジオ撮影、屋外撮影どちらでも使えます。 1灯だけの場合は片方に光が入らず、影が強く出てきます。   ストロボを使った撮影の基本は2灯ライティングです。 1灯の場合はものすごく簡単で光は1方向だけでしたが、2灯になると2方向からの光になります。 今まで暗かった部分が明るくなる反面、明るさを調整しないと片方が白飛びする可能性も出てきます。 バランスを調整すればとても良い仕上がりになります。   その場の環境次第では左は暗いが右は明るい、といったこともあります。 その状態でストロボの設定をどちらも同じにしてしまうと、右側だけが明らかに明るくなりバランスが悪くなります。 多ければ多いほど撮影の幅は広がっていきますが、それと同時に段々と制御が難しくなります。 1方向だけの光を考えるのではなく、ストロボの数だけ考えることが増えるのが多灯ライティングです。     多灯ライティングでのストロボの配置と考え方 例えばストロボが3灯あれば左・右・後ろだったり、左・右・正面から足元だけ、といった使い方もできます。 実際、人物撮影でその人の身長が高い場合に足元が暗くなることがあります。 全身を照らしているつもりが、実際にはヒール等で身長が結構高くなっていて足元まで光が届かない時があります。   多灯ライティングでは、どこを明るくしたいのかを最初に決めます。 明るくしたい場所に向けてストロボを配置するので、明るくしたい場所が決まっていないと配置も決まりません。 人物撮影の場合は全身を撮るのか、バストアップ(上半身)だけを撮るのか、それによっても配置が変わります。 バストアップの撮影なのに全身を明るくしても意味ないですし、足元を明るくしても写りません。   被写体が女性でごく一般的な撮影をしたいのであれば、ストロボ2灯を左右に配置しますが陰影をはっきりつけたいならちょっとずらしたりします。 もしくは3灯用意して後ろからカラーフィルターを入れたストロボを使って、色を付けてみたりすることもあります。 今回は後ろ側に黄色を入れてみました。青い空がちょっと黄色がかった空になりました。   色を付けると先ほどと比べて一気に雰囲気を変えることが出来ます。 後ろからの1灯は色を付けるためのものですので、別になくても問題ありません。 無かったらないで寂しいところもあるので、綺麗に明るくしたいのであれば1灯入れておきたいところです。 もしくはこの後ろの1灯を明るさが足りない側に回してカバーする、という使い方もあります。     撮影の完成形のイメージを固める どこにストロボを置くのかは非常に大切ですが、ストロボの配置を決める上で大事なことが完成形のイメージです。 ストロボを使うのはあくまで手段の1つです。 求めているイメージを完成させるためにストロボを使うのであって、正直なところストロボ以外でもなんでもいいです。 もしかしたら気付いていないだけで100均とかで売っている懐中電灯のほうが良かったりすることだってあります。   最終的にイメージしている写真が撮れれば使う機材は何でもいいのですが、大体はストロボで解決出来ます。 ただしこの完成形のイメージが出来上がっていないと、ストロボの配置も決まりません。 どの方向からどの程度のパワーで光を当てるべきか、何かしらのアクセサリーを使うべきか直当てでいくか、全てはイメージ次第です。   特に大事なのがアクセサリー類です。 ソフトボックスと言っても四角いのもあれば六角形だったり円形だったり、縦長のタイプだってあります。 形も大きさも全く違いますし当然ながら撮影に使えば結果も変わってきますので、何をどう使うのかを決める必要があります。   ちょっと近寄ったり離したりするだけでも結構変わりますので、イメージが出来ていないといつまでも納得のいく写真が撮れません。 最初に撮りたいイメージを確立させないことには、何か納得いかない写真だけになってしまいます。 特にストロボが複数ある環境の場合は、1つの間違いで全部がだめになることもあるのでとても大事です。     全部をフル活用する必要はない ストロボが複数台あると全部をメインで使おうと思ってしまいがちですが、全てのストロボを完全に活かす必要はありません。 全部にソフトボックスを付ける必要はないですし、場合によってはかすめる程度の位置に置くことだってあります。 本当にちょっとかすめる程度なので存在感がものすごい薄いですし、それに1台使うのかと感じるかもしれませんがイメージしているものがそれで作れるならそれでいいのです。   被写体にしっかりと当てる役割のストロボもあれば、スポットライトみたいな感じの演出をするためだけにストロボを使うこともあります。 もしくはちょっとだけ足りない部分を補うために、もったいないと思うかもしれませんが必要に応じて使います。 全てのストロボが被写体又は背景をしっかり照らすために使われる、とは限らないと覚えておきましょう。 実際、足元だけ光が足りてなくて足元用に1灯使うことは多々あります。   注意点としては足りない部分を補いたい場合に、思っていたより広範囲が明るく照らされて一部が白飛びすることがあります。 その場合はストロボの角度を変えたり、位置を変えたりして微調整します。 位置が変われば明るさも変わってくるので、それもまた微調整が必要になります。     同じメーカーの違うストロボを使う方法もあり 複数のストロボ=全て同じ機種、と考える人もいますが実際には違う機種のストロボを使うこともあります。 例えばGodox TT600がコスプレ撮影では人気ですが、TT600ではどうしても明るさが足りないときが出てきます。 そんなときには同じくGodoxから出ている別の機種を組み合わせます。 例えばTT600を2台、AD200を1台、といった組み合わせにします。   どちらも同じメーカーの製品なので同じラジオスレーブで反応します。 TT600は小型軽量、パワーも結構ありますがAD200はそれを余裕で上回るパワーを持っています。 これらを組み合わせてAD200をメインライトとし、TT600で足りない部分をちょっとだけ補う、という使い方が出来ます。 これも多灯ライティングの1つです。   ただし機種が違うのでそれぞれの特性とパワーの違いをしっかり理解しておかないと白飛びするか真っ暗な写真が量産されます。 普通に撮影するだけでも機種の違うストロボを使うと難しいですが、同時に使うとなるとさらに難易度は上がります。 まず形状が全く違うので使えるソフトボックスも変わってきますし、専用のアクセサリーも用意されています。 TT600では使えるものでもAD200では使えない、というのは多々あります。   使う機材によって使えるアクセサリーも変わるので、最初のうちはストロボは同じメーカー・同じ機種で統一するのが安全です。 現状のままではどうしようもない、となったらもっとパワーのあるストロボに切り替えましょう。     光の重なりに注意する 多灯ライティングでは光の重なりに注意することも大切です。 ストロボが複数あり同時に光るので、配置によっては光が重なるところがあったりします。 光が重なればそれだけ明るくなるので重なった部分だけが白飛びしてしまったりすることがあります。   重なっている範囲が広ければ広いほど更に白飛びしていきます。 今回は右側からの光を強くなるようにしました。光が重なっているので左側と比べて右側がかなり明るくなっています。   白飛びさせないためには必要以上に光を当てないことです。 ストロボの位置・角度を変えて調整します。 よくあるのは必要だと思って光らせていたら実は不要だったパターンです。 調整しても明るい、と思ったら一旦そのストロボだけオフにして光がどうなるのかを見てみる、というのも1つです。   ストロボ1灯では心配する必要のないことですが、数が増えれば増えるほどこの光の重なりも多くなります。 特に壁がある場合、反射しないだろうと思っていても結構反射しているときがあります。 その影響で反対側の光が予想以上に強くなることもあるので、ストロボの光だけではなく周りにあるものにも目を向けてみましょう。   特に白いものは壁でもソフトボックスでも反射すると考えておきましょう。 その反射がいいこともあれば、よくないこともあります。特に何故か不必要な明るさが出てくる時には周りを見ることが大事です。     まとめ 最後にまとめです。 ・多灯ライティングは全体に光を行き届けることが出来る ・多灯ライティングは手段であり必須ではない ・光が重なって白飛びしやすくなるので注意する   多灯ライティングは手段であって目的ではないので、光が足りていたり理想的な光が出来ているならストロボ1灯でいいです。 ストロボなしで撮影できるような環境であれば、そのまま撮影するのも1つです。 多灯ライティングを想定して撮影に挑むと機材が増えてしまい、撮影現場で持ってきたから使わなければ!と思ってしまうこともあります。 使わないで済むのなら使わないという選択肢もある、ということを忘れないようにしましょう。   持っていってなければ困るから持っていき、使う予定はないが持ってきた以上は使いたい、のは誰でも同じです。 そんなときは最終的にどんな写真を撮りたいか、のイメージを思い出しましょう。

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第3章

3-7.ストロボと他の光を組み合わせる【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

今回はストロボと他の光を組み合わせた撮影、ミックス光での撮影方法です。 自然光は太陽の光で自然のものですが、それ以外にも普段使っている部屋の電気やLED照明といった光もあります。 部屋の電気では明るさが足りないことが多いので、ストロボを使わない場合はLED照明を別途用意します。   ストロボは一瞬だけ強い光を放つので、LED照明の光を飛ばしてストロボの一人勝ちになります。 自然光の場合は太陽の光がかなり強いので負けることはありませんが、逆にストロボが全く意味のない存在になります。 ストロボとそれ以外の光をうまく組み合わせることが出来れば、撮影の幅が広がります。   例えば色付きのライトとストロボを組み合わせると、こういった写真も撮れます。   これはストロボと定常光を組み合わせています。例えばスタジオやロケ地にある元からある良い感じの光があった時にその光も使いたい、という場合に活躍する技です。 逆にその光を消すことは出来ないが入れたくない、という時にも使えます。     鍵となるのはシャッタースピード 今回の撮影で鍵となるのはシャッタースピードです。 シャッタースピードが早ければ早いほど写真は暗くなり、動きが止まる写真が撮れます。 逆に遅くすればするほど明るくなりますが、動きのある被写体だとものすごいブレブレな写真になります。   普通に人を撮影する上ではシャッタースピードはある程度の早さが必要です。 ですが光をしっかり取り入れるとなるとシャッタースピードは遅くする必要があります。 ライトの強さにもよりますが、弱い光であればシャッタースピードを遅くしないと肉眼では見えていても写真には反映されません。   最初の画像の場合、シャッタースピードは1/40です。人が動いたらぶれる早さです。 これをシャッタースピードだけを1/2000にしてみます。   そうすると定常光の光は消えます。人物に向けて当てているストロボの光があるので、人物はしっかり見えるようになっています。 太陽光のようにものすごい強い光を放っていればシャッタースピードを早くしても問題ないですし、むしろ早くしないと白飛びします。   ストロボと組み合わせるとなれば、この場合はハイスピードシンクロが必須です。 ハイスピードシンクロは早いシャッタースピードでもストロボが付いてこれる機能です。ストロボの電池の減りが早くなるので注意が必要です。   Godox TT600はハイスピードシンクロ対応なので、早いシャッタースピードでも追いつきます。 太陽光とストロボの光を混ぜる場合はハイスピードシンクロにするのが一番簡単な方法です。 それ以外にもNDフィルターを使う方法もありますが、どちらもまた違った雰囲気になるのとNDフィルターを別途購入して取り付ける必要があります。 普通に撮影したいときには外さないといけないので手間はかかります。   シャッタースピードが早ければ早いほど太陽光の光は取り入れられず、暗くなりますがストロボが当たっている部分は明るいままです。 ストロボの光が当たる範囲はストロボのパワーに比例するので、シャッタースピードの変化による影響を殆ど受けません。 太陽光の当たっている部分は暗くなり、ストロボの光が当たる部分は明るくなります。   それ以外の場合も考え方としては同じですが、太陽光のような強い明かりではないのでシャッタースピードの調整が必要です。 屋内だったり屋外だったり頻繁に行き来するような撮影の場合、設定を頻繁に変えることになるのでしっかり抑えておきましょう。 太陽光と同じ設定で撮影すると、完全に背景が真っ暗になってストロボの光が当たった部分以外は見えなくなります。 黒背景じゃない場所で無理やり黒背景(のような)環境を作り出す際には有効ですが、光が微妙に届くと背景が見えるのであまりおすすめは出来ません。     光を混ぜるとどうなるか? 光を混ぜるとどうなるのか?についてですが、太陽光であれば昼の時間帯で夕方~夜を作り出す事が可能です。 LEDとかであればストロボと混ぜることで面白い写真を合成なしに撮ることが出来ます。 ストロボにカラーフィルターをつけただけでは出来ないような光を映し出すことが出来ます。   これを背景に使ってもいいですし、この写真のように被写体に直接当ててみてもいいですし、アイデア次第です。 ストロボ単体では生み出せないであろう光を作り出すためには必須です。 ただしストロボと真正面からぶつければ弱い光は完全に消えてしまうので、当たらないように注意しましょう。   また、光によっては色が混ざりあって違う色になってしまうこともあるので注意が必要です。 絵の具を混ぜたら色が変わるように、光の色も混ざれば変わります。 ただ絵の具と違うのは色によってはその色を打ち消すことが出来るので、カラーフィルターやホワイトバランスをうまく調整すれば一部の色を消すことも可能です。   例えば部屋全体が青色になっている場合には、そのまま撮影すれば被写体も全部青色になります。 人の肌が青色、というのは非常によろしくないので正常な色に戻したい時、青の場合はオレンジ系の色で打ち消すことが出来ます。 色相環を見ると色の関係性がわかるので、そのような環境だとわかっている場合は事前に調べておきましょう。 使っているストロボやカラーフィルターによっては色が予想外の方向にずれることもあるので、その点も考えておきましょう。     色無しでも混ぜることがある 今まで色が関係している話でしたが、色なしの普通の光でもストロボと他の光を併用するパターンもあります。 屋外ではなくスタジオ撮影になりますが、ストロボが物理的に置けない場所かつ床から光が出ている場合とかです。 専用のライトが床に仕込まれており、床からライトアップして背景を照らしていることがあります。 更に立ち入りできないようにフェンスとか柵が張られている場合はストロボも置けないので、この光を使うことになります。   その時にもミックスさせる必要があります。 床からのライトだけを使えば被写体は暗くなってシルエット上になってしまいます。 かといってストロボだけを使えば床のライトは完全に取り込まれず、被写体は明るいが背景は暗い状態になってしまいます。   背景もいれつつ被写体も綺麗に明るくしたい、ということになるとシャッタースピードをある程度遅くしないと両方の光を取り入れることが出来ません。 シャッタースピードが遅くなると手ブレしますし、被写体が動いてもブレるのでお互い動かないよう注意しましょう。 三脚を使うだけではなく、被写体にも動かないよう説明することが大事です。     ストロボのパワーが強すぎる時の対処法 ストロボによっては最弱パワーだったとしても、思っているより明るくなってしまっていたりすることがあります。 最弱なのでそれ以上弱く出来ないですし、物理的に距離を置けるなら距離を置けばいいだけですがそれ以上動かせないこともあります。 撮影スタジオの場合だと広さが決まってますし、狭い場所だとなおさらです。 ソフトボックスを使えばある程度パワーが落ちますが、結構幅を取りますし毎回使えるとは限りません。   そういったときは反対側や天井に向けます。 壁に当てたり天井に光を当ててバウンズさせる方法を利用してパワーを落とします。 なのでストロボのパワーを上げる必要はありますが、うまく調整すれば最弱よりも更に弱い光にすることが可能です。   もしくはカラーフィルターを使うと光量が落ちるのを利用して、色なしのフィルターとなるものを使って光量を落とす方法もあります。 即席で用意できるものでは難しいので事前に想定して準備しておく必要はありますが、カラーフィルターと同じビニール系の素材を使ったりします。 問題点としてはどの程度光量が落ちるのか予測が難しいので、事前の確認は必須です。   この場合、難点としては光が拡散されるので意図しないところも明るくなることがあります。 その場合は明るくしたくない部分に黒い壁を作って光が届かないようにすることで対応できます。壁があればいいので人間が壁になってもいいです。 アシスタントとか手の空いてる人がいれば壁になってもらいましょう。立ってもらうだけでOKです。     まとめ 最後にまとめです。 ・ストロボの光はシャッタースピードにほぼ影響しない ・定常光はシャッタースピードで変わる ・太陽の光は非常に強いのでシャッタースピードを早くする必要がある      

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第3章

3-5.ストロボ遠隔操作に必要な機材について

ストロボをカメラから離して光らせることで撮影の幅が大きく広がります。 カメラの上からだけではなく、横だったり後ろだったり斜めだったりと様々な角度からストロボを光らせることが出来るようになります。 更に複数のストロボを同時に扱うことも可能になり、アイデア次第で様々な作品を生み出せるようになります。   今回はクリップオンではなく、カメラからストロボを離して扱う時(オフカメラ)に必要な機材をご紹介します。     カメラからストロボを離すために必要な機材 まずカメラからストロボを離したとき、そのままの状態ではもちろん光りません。 シャッターを押しても連動してくれず、光らせようと思ったらテストボタンを押しにいくしか方法がありません。 カメラとストロボを離した状態でシャッターを押した時に同時に光らせるためには、別の機材が必要です。   こちらの機材をカメラの上に取り付けます。 呼び方はラジオスレーブかコマンダーが一般的です。   これをカメラの上に付けて使用します。   ラジオスレーブの役割 ラジオスレーブの役割は主に2つあり ・遠隔でストロボを光らせる ・遠隔でストロボの設定を変える です。   ストロボを光らせる、というのはシャッターを押した時にストロボを光らせるための命令を出す役割を持っています。 結構シンプルに見えますが、物によっては50mとか100m離れていても光るのでかなりすごいです。 といっても基本的には数m程度離して撮影するのが多いので、50mとかは不要ですが遠隔で光らせることが出来るのは便利です。   そしてもう1つがストロボの設定を変えることが出来る点です。 全ての項目を変えられるわけではないことが多いですが、変えることが多いのは光量(パワー)です。 最低限、パワー調整が出来るタイプのものであれば特に不便しません。 ただし安すぎるラジオスレーブの場合は残念ながらストロボを光らせることしか出来ない、というタイプもあります。   ラジオスレーブはストロボを遠隔操作するためのもの、と覚えておきましょう。     モニター付きとモニターなしが存在する このラジオスレーブですが、モニター付きとモニターなしのタイプがあります。 モニターがないタイプには2種類あり、設定項目がほとんど存在しておらず本当にストロボを光らせるためだけにあるものと、専用アプリがありアプリ側で細かく設定できるタイプです。 前者は何も出来ない代わりに格安ですが、後者は結構高いです。   基本的にはモニター付きをおすすめします。 実際に想像してみるとわかりますが、カメラを持って撮影をする段階になってストロボのパワーを変えたい時は頻繁に出てきます。 その時にカメラの上のモニターを見ながら操作するか、スマホを取り出して操作するか、どっちの方が安全か?ということです。   三脚があるならどっちでもいいですが、常に三脚にカメラを載せて撮影している人はいません。 ほとんどの人が手持ちで撮影して、ストロボのパワーをラジオスレーブから変更する事が多いです。 それか直接ストロボのところまで行って操作する人もいますが、微調整であればできればその場で終えてしまいたいものです。 その時に片手にカメラ、片手にスマホで操作して設定していると安全面と手間を考えるとどうなのか?というのがあります。   モニターがない分、かなり小さく作られていますが仕事での撮影となるとスピード感も要求されてきます。 その時に毎回スマホ出して設定変えてスマホしまってカメラ構えて、というのは手間ですし見ている側としてもいいものではありません。 被写体=クライアントの場合には1つ1つの動作にも気を使ったほうがいい状況ですし、正直周りからは何をしているのかわかりません。 ストロボの設定を変えてるのか、何か違うことをしているのか、わかりませんが印象的にいいかどうかで言えば「良い」とは言い難い絵面になります。     ラジオスレーブがないと遠隔操作が出来ない 今後はもしかしたらカメラに搭載される可能性も否定出来ませんが、現状としてはストロボを遠隔操作するためにはラジオスレーブが必須です。 ラジオスレーブなしでカメラとストロボの電源を入れても、連動しないのでシャッターを押しても光りません。 初めてストロボを買った人がやってしまうことの1つにあるほど、ラジオスレーブは忘れられがちです。 ストロボ2灯持ってきたとしても、肝心の物がないということで1灯しか使えない事も多々あります。   ストロボとセットで販売されている事もありますが、大体は別売りされているので自分で探して注文しなければなりません。 セット売りだったとしても撮影現場に持ってこないと意味がないので、忘れないようにしましょう。 ストロボとラジオスレーブはセットで普段から持っていくようにする癖も大事です。     ラジオスレーブを使うメリット ラジオスレーブを使う理由としては、カメラとストロボを離して使う他に複数台のストロボを同時に扱える点があります。 カメラの上なら1灯だけですが、外してしまえば2台でも3台でも扱うことが出来ます。 使える台数は機材次第ではありますが、大体は2~3灯あれば問題ありません。使える上限として10台を超えているのもあります。   実際の撮影で10台以上使うことはないですが、2~4台程度なら日常的に使う事があります。 屋内であればストロボがないと撮影が厳しいので、ストロボとラジオスレーブはセットで持っておきたいところです。 スタジオで用意されていることもありますが、それが自分の持っているカメラで使える保証はないので持っていくのが無難です。 特にオリンパス・パナソニックは他メーカーと比べて使える機材が限定されています。         ラジオスレーブを使う上での注意点 コスプレ撮影をする人にとっては日常的に起きている問題として、他の人のラジオスレーブにストロボが反応することが多々あります。 というのも、面白いことにコスプレ撮影をする人が使う機材は見事に偏っています。 皆が同じメーカーの同じ機種のストロボとラジオスレーブを持っているので、設定次第では反応します。   これはストロボのチャンネル設定が大きく関わっています。 本来はこういったことがないように1~20くらいあるチャンネルを自分で設定して、これは自分のストロボである、とラジオスレーブとペアリングさせます。 そうすることでペアリングされたラジオスレーブがついているカメラのシャッターが押されたとき、設定されたストロボも光ります。   ではこのチャンネルが被ってしまうとどうなるか? 厄介な事に複数のラジオスレーブとペアリングしてストロボが動作します。 もちろん、チャンネルが被っていてこっちのストロボが光るのであれば相手のストロボも光ります。   シャッターを押していないのにストロボが光った場合、まず近くに他のカメラマンがいないかを探しましょう。 誰もいないのに不定期にストロボが光るようであれば不具合が考えられますし、近くにいてその人がシャッターを押した瞬間に光るならチャンネルが被っていることになります。 もし被っていると気付いた場合はチャンネルを変更しましょう。 カメラマンが何人もいる場合はチャンネルを変えても他の人と被ることがあるので、被らないチャンネルを探してひたすら設定を変えます。   さすがに電波の届く範囲に20人近くいて全員同じ機材で同じチャンネルを使うことは考えられないのでいつかは避けられます。 お互いがほぼ同時に気付いた場合は話し合ってチャンネルを決めることもあります。 あまりにも被る場合はそういった話し合いをすることも必要になってきます。 他の人からしても「想定していない場所からの想定外のストロボの光」が入り込むことは問題なので、お互いにとって重要なことです。     シンクロケーブルを使う方法もあり シンクロケーブルはカメラとストロボを接続するためのケーブルで、このケーブルを使っても離れた場所からストロボを光らせることが可能です。 ですが名前の通り、ケーブルが繋がってシンクロするのでケーブルが届く範囲に限定される上にケーブルがあるので足元注意です。 引っ掛けた時のことは考えたくないですが、有線ならではの確実性はあります。 あと差込口が一箇所しかないので、ストロボ1灯しか使えないデメリットもあります。   インターネットもそうですが有線と無線どっちが安定するかと言われたら、間違いなく有線です。 これは今も昔も変わらず言えることで、線をつないだ方が確実です。 ただそのケーブルがあったら足引っ掛けたりして危ないですし、物理的にケーブルが届かない場合も考えて無線のほうが便利ではあります。   それにカメラ側にも差込口は基本的に1つしかないので、扱えるストロボの台数も限定されます。 個人的には何よりケーブルに足引っ掛けてストロボかカメラが倒れることが一番怖いので、ラジオスレーブを使った無線派です。 被写体もカメラマンも誰も動かない、という条件付きであればケーブルを使うのも1つです。   ちなみにコスプレ撮影の場合、大型併せと呼ばれる20人以上参加する撮影の場合は無線じゃないとものすごく危険です。 全員同時に撮影、ではなく順番待ちになるので撮影待ちの人達があちこち移動するので引っ掛ける可能性が高いです。 1対1の撮影なら問題ないと思いますが、人数が増えてくる撮影であればケーブルは避けるのが無難です。   以上がストロボを遠隔操作出来るラジオスレーブです。 ストロボを遠隔操作できるかどうかで撮影の楽しさも大きく変わってきます。ストロボを購入する際には一緒に購入を検討してみましょう。

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第3章

3-4.ストロボ1灯を使った撮影の基本

今回よりストロボを使った撮影になります。 まずはストロボ1灯だけを使った基本的な撮影を学びます。ストロボ1灯でも撮影は問題なく行えます。 数があるに越したことはないですが、最初は1灯から学びましょう。     ストロボ1灯撮影の基本的な考え方 ストロボ1灯で撮影をする時に気をつけないといけないのが、光は1方向からしかない、ということです。 1方向かつ1灯だけのかなり限られた光しかありません。 ストロボのパワーにもよりますが、人間一人に綺麗に光を当てようと思ったら1灯ではかなり難しいです。   真正面から当てれば明るさは問題ないかもしれませんが、のっぺりとした感じのある光の仕上がりになります。   真正面からだとこのように光を無理やりバシッと当てました感があり、いい写真とは言い難いです。 一番簡単な配置といえばそうですが、ちゃんとした写真を撮影していきたいのであれば正面からはほぼ使わないでしょう。   ストロボ1灯の時は斜めにストロボを配置するのが多いです。 左斜めか右斜めか、これは被写体のポージングとか物理的に配置できるのかの問題もありますが左に配置することが多いです。 左側に1灯だけ置くとこのように左側は明るく、右側は光がないので暗くなります。 実際の人を相手にストロボをバンバン当てるのは気が引けるところですが、マネキンヘッドやフィギュアであれば問題なしです。 マネキンヘッドはネットでも買えますしダイソーでも買えます(100円ではないです)。   ライティングソフトで事前にイメージ図を作り、実際の撮影に活かします。 最初のうちは撮影時間のこともあってライティングを現地で考えている余裕もなければ、調整するのにも時間がかかります。 色々と考えすぎて撮影する時間がなくなってしまう事が一番の問題になるので、事前に決めておきましょう。 今度は右側に1灯だけ置いてみました。   考え方としては光がない方は影が濃くなる、です。 影が濃くなるのでキリッとした、威圧的な印象があります。男性を撮影する場合であればいいかもしれませんが、女性の場合は好まれない事が多いです。   なのでソフトボックス等を使って、ある程度光を柔らかくしつつ拡散させることで影も薄まります。 2灯使った場合と比べるとまだまだですが、1灯でも撮れないことはないです。 なので2灯以上ないと撮れない、ではなく1灯でも撮影はできる、と考えることが大事です。       パワーを上げても意味はない ストロボ1灯のみで撮影する時に、反対側の明るさを確保しようと頑張って出力を上げていく人もいますが意味はないです。 暗い場所でパワーを上げて撮影するのは明るさを確保するという意味ではとても重要です。 どれだけ頑張っても光が当たっていないところは暗くなります。 むしろパワーを上げれば上げるほど、光のあたっている部分は明るくなって白飛びします。   なので意味がない、というよりも逆効果です。 白飛びしすぎた写真よりも影が濃く残っている写真のほうがまだ使えます。 むやみにパワーを上げるのではなく、その角度からは頑張っても無理であるということを覚えておきましょう。   屋外の場合であれば、光が足りない場合は光がある場所に移動したり他の明かりになるもので代用するしかありません。 ストロボ1灯のみ、他の明かりもないのであればある程度妥協する必要があります。     レフ板を活用する ストロボ1灯ライティングの悩みどころの1つが、光があまりにも少ないという点です。 1灯しかないので光らせることが出来るのは1方向だけですし、どれだけパワーを上げても反対側が明るくなるわけではありません。 反対側を明るくしたいなら、反対側にも光が必要です。   そこで使うのがレフ板です。 太陽光を反射するためにレフ板を使う人も多いですが、ストロボでも考え方は同じです。 ストロボの反対側にレフ板を置いて、光を反射させてストロボほどではないですが影を飛ばすことが出来ます。   左側にストロボを配置して、レフ板を右側に置いて反射させてみます。 左:レフ板なし 右:レフ板あり   レフ板なしと比較してみましょう。   1灯だけ使った場合と比べて反対側にも多少の光が入ってくるようになり影が消えました。 ストロボが1灯しかない状況だったとしてもレフ板等を使えば反対側にも光を補うことが出来るのです。 更にストロボと違って電池も電力も使わないので電池切れの心配もありません。   その反面、デメリットとしてはとにかく大きいです。 小さくても60cm、ちょっと大きめで80cm、もっと大きめで120cmと結構な大きさです。 もっと小さいのも売っていますが、小さければそれだけ光を当てる的が小さくなるので難易度も反射範囲も小さくなっていきます。 一番いいのは60cmくらいですが、ストロボと比べたら圧倒的なサイズです。   屋外であれば問題なく広げられますが、スタジオ撮影の場合は使えるとは限らないので注意しましょう。 どうしてもレフ板がない、使えない、という場合は白い何かで代用する方法もあります。 反射すればいいので、白くて大きいもの(冬だったら上着とか)で頑張って反射させる人もいます。 ただしレフ板と同レベルか、と言われたらそこまでは再現できないのでないよりマシ、程度で考えておきましょう。     クリップオンはほぼ使わない クリップオンはカメラの上にストロボを付けて撮影する方法で、1灯しかない時に使っている人も多いです。 手軽にストロボを使える方法ではありますが、カメラの上にあるので重さが増すのと使い方がかなり限定されます。 安物のそれなりに大きなストロボを乗せると、たとえカメラとレンズが軽くても結構な重さになります。   重さが増えればそれだけ安定性も悪くなりますし、疲れやすくなります。 撮影に慣れていない時にカメラの重さで体力を奪われてしまうのはもったいないですし、ストロボを使う機会も減ってしまいます。 更にクリップオンの場合に出来る方法がカメラの上からのフラッシュか、天井に向けて光らせてバウンズさせる方法だけになります。 バウンズさせる方法については別途ご紹介します。   また、クリップオンの意外な使い方としてシャッター音が小さいカメラの時に「シャッターを押したことを伝えるフラッシュ」として使う人もいます。 被写体の人にシャッター音が聞こえない=いつシャッターを押しているのかわからないので、ストロボを光らせて伝えるそうです。 シャッターを押した時にストロボが光るのをうまく使った技です。 ストロボの光は全く使わず、ただ単にお知らせとしてだけ使っているので例外的な使い方ではありますが相手に伝えるという意味ではとてもいい方法です。     まとめ 最後にまとめです。 ・ストロボ1灯の場合は光は1方向しかない ・ストロボがない側は光がないので暗くなる ・パワーを上げても反対側は明るくならない。レフ板とかを使って反射させる ・クリップオン(カメラの上にストロボ)は基本的に使わない

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第3章

3-2.ストロボを使うときのカメラの設定と考え方

ストロボを使う場合、自然光が入ってこない屋内で使うことが多いです。 基本的に屋内と屋外は設定が全く違いますが、ストロボを使うようになると更に設定が変わります。 ストロボを使うときの基本知識でもありますので、しっかりと覚えましょう。     ストロボを使うときのカメラの設定の考え方 ストロボを使うときのカメラの設定は、ストロボが光らなければ真っ暗になるよう設定します。 基本的に光は全部ストロボで補う、という考えで余計な光が入ってこないようにします。 なのでストロボが光らない=真っ暗で何も見えない又はほぼ何も見えないくらいの暗さになります。 最初は不安に感じるかもしれませんが、真っ暗で大丈夫です。   カメラの基本知識については第一章で学んだ通りです。 暗くするためにはF値は高く、シャッタースピードは早く、ISOは低くする、これが基本です。 かといってF値最大値、とかにするとストロボフル発光でも厳しい事があるので、調整しましょう。   シャッタースピードについてはカメラによりますが、大体がストロボを使う場合は1/250あたりが最大になることが多いです。 ハイスピードシンクロ対応となっていれば、より早いシャッタースピードも設定可能になります。 安すぎるストロボだとない可能性もありますが、大体のストロボはハイスピードシンクロ対応です。   ただ通常使用の場合は1/250もあれば十分なので、毎回ハイスピードシンクロをする必要はありません。 どうしても必要な時だけ使う感じです。   F値は絞れば暗くなっていきますが、同時にボケなくなってしまうのでその点も注意が必要です。 ある程度ぼかしつつ、というのであればストロボのパワーを落とすか部屋自体をもっと暗くする事が必要です。     ストロボが当たらない場所=暗いままになる カメラの設定の次に大事なのは、ストロボが当たる場所と当たらない場所の違いです。 ストロボが光れば、フラッシュを焚いてるのと同じなのでその部分については明るくなります。 逆を言えば、ストロボが当たってない場所があればそこは真っ暗なままになります。   この考え方が非常に重要で、ストロボ1灯で撮影した前回の撮影では右側部分が暗くなっていました。 ストロボ2灯使って右側部分も明るくなって、左側にも多少光が当たってたので全体がいい明るさになりました。 左側から当てた場合、当然ながら右側には光が当たらないので影となり暗くなります。 右側から当てた場合、左側が今度は暗くなります。   カメラの設定で完全に真っ暗な状態を作り出した場合、ストロボが当たっていない場所はそのままの明るさです。 つまり、真っ暗です。 その暗さを活かした撮影も出来ますが、それを活かすかどうかは撮影者次第です。   当たり前といえば当たり前のことですが、ストロボ撮影は苦手な人が多く意外と撮影中に忘れていたりします。 何故暗くなってしまうのか?一部だけ明るくなるのは何故なのか?冷静に考えればわかりますが、結構焦る人も多いです。 全体をバランスよく綺麗に明るくしたいならストロボを増やすのが一番手っ取り早いです。     シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響する F値とISO感度は全体の明るさに影響しますが、シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響します。 ストロボの光が当たっていない部分は暗いままになりますが、シャッタースピードを変えれば明るくなります。 被写体の明るさはストロボで調整しますが、背景までストロボの光が届かない場合はストロボの影響を受けません。 そのストロボの光が届いていない背景の明るさは、シャッタースピードで調整します。   逆に屋内で壁際とかで撮影する場合、ストロボの光が壁まで届いている事がありますがこの場合はストロボに影響されます。 ポイントはストロボの光が届いていない部分です。 この部分がシャッタースピードを遅くすれば明るくなります。   実際に見てみましょう。 ストロボの光を左から当ててみました。右側はなしです。   シャッタースピードは1/200なのでストロボの光が届いていない右側は暗いです。 このシャッタースピードを1/10にしてみます。他の設定はそのままです。 ストロボの位置やパワーは同じですが、シャッタースピードを変えたことで明るさが変わりました。 ですが左側部分に関しては明るさは変わっていません。 もしシャッタースピードがストロボの光に影響するのであれば、もっと明るくなっているはずです。 左側は白飛び、右側はちょっと暗いかも、程度になるはずですが程よい感じになっています。   ストロボの光が届かない場合やストロボが足りない場合、シャッタースピードで調整して補う事も可能です。 ただしシャッタースピードを遅くすれば手ブレの問題が出てくるので、三脚の用意は必須です。 使うかどうかは別として、無かったら間違いなく困るからとりあえず持っていくのが基本です。   ストロボが苦手な人が難しいと思っているポイントの1つが、このシャッタースピードだったりします。 屋外での撮影でストロボを使う場合はかなり重要です。 ポートレート撮影の場合は背景も重要な要素になってくるので、これを理解できているかどうかでクオリティが一気に変わります。     まとめ 最後にまとめです。 ・ストロボを使う時はカメラの設定は暗めにする ・ストロボの光が当たらない部分は暗くなる ・シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響する ・撮影範囲全体にストロボの光が行き届いている場合、シャッタースピードはあまり関係ない   シャッタースピード関連の部分は非常にややこしいので、最初のうちは撮影範囲全体にストロボの光が入るようにするのがオススメです。 まずはストロボでの撮影に慣れて、そこからシャッタースピードを理解する、この順番で進めると覚えやすいです。   次回はストロボに使うアクセサリーについてご紹介します。 何故これを使うのか?使った場合と使っていない場合の違いについて、学んでいきましょう。

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第3章

3-9.ストロボに色を付ける【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

ストロボのアクセサリーの1つとしてカラーフィルターがあります。ストロボが発光した時に色を付けます。 光に色を付けるイメージです。これにより赤色だったり青色だったり、普通ではでない色を出せます。     ストロボへの取り付け方 カラーフィルターのストロボへの取り付け方はいくつかありますが、代表的な物はマジックテープで固定するかゴムバンドで固定します。   写真のものはマジックテープで引っ付けるタイプです。ゴムバンドで固定する場合も同じ構造です。 ストロボの光る部分にカラーフィルターと言われる色付きセロハンを付けて光に色を付けています。 簡単に脱着出来るので色あり・色なしの切り替えがすぐ出来ますしストロボ本体に影響はありません。   もう少し硬度なものになるとマグネット式でくっつけるタイプもあります。Profoto A1等の高額なストロボはこのタイプが使われています。 安価なストロボでも別パーツで販売されている事もありますが、パーツが増えて持ち運びが大変なので標準でない場合はマジックテープかゴムバンドがお勧めです。 カラーフィルター自体も安価で1000円程度で購入出来ます。色もたくさん付いてくるセット品です。     カラーフィルターを使う時の注意点 光量(パワー)の再調整 カラーフィルターを使う時の注意点として一番最初にお伝えしておきたいのが光量(パワー)が落ちることです。 ストロボから直接色を出しているのではなく1枚被せて色を出しているので、その分どうしても通過する光のパワーが落ちてしまいます。 ライトの上に色々とものを被せると光量が落ちるのと同じように、カラーフィルターも被せる物ですので仕方ありません。 そのため、カラーフィルターを使う時は通常時よりもパワーを上げていく必要があります。   暗い場所での撮影時にはフルパワーでも弱い事もあるので、ストロボと被写体の距離を近くしたりもっとパワーのあるストロボを使う必要があります。   ホワイトバランスとの色味調整 ホワイトバランスとの色味調整も非常に大事です。ストロボに色が付くとホワイトバランスにも影響が出てきます。 例えばホワイトバランスで赤っぽくしているところに赤色を混ぜるとものすごく赤色になります。赤+赤なので真っ赤になります。 それが狙いであれば問題ありませんが、意図しない色の強みが出ることもあるので調整しましょう。   特にホワイトバランスは忘れられがちで、カラーフィルターを使っている時はストロボだけで頑張って調整しようとすることが多いです。 ストロボで調整するのは良いのですが、ホワイトバランスが関係している以上は限界があります。ホワイトバランスを忘れないようにしましょう。   自然光や周りの光の色との色混じり ストロボのカラーフィルター以外にも色がついている光はたくさんあります。自然光だって常に同じ色とは限りません。 場所だったり時間帯によってはオレンジ色に見えたり青色に見えたり赤っぽく見えたりします。夜なら光すらないかもしれません。 自然光に関してはストロボではまず勝てないので、自然光の光と色が優先されます。うまく調和出来るように調整する必要があります。   自然光以外にもLEDとかの光もあります。屋外ですと自販機とか電灯とか玄関前の光があります。 写さないようにしても光は漏れてくる事があるので完全にシャットアウトすることは困難です。 屋外の場合は光が混じってくる前提で考えておくといいでしょう。   被写体との色の関係 被写体との色の関係も注意しましょう。例えば被写体が赤い服を着ている時に赤のカラーフィルターを使ってもあまり意味はありません。   完全に服の色がわからなくなっていますが、実際はこのような服装と色になっています。   同じ色が被ってしまうと白ではない白飛びみたいな感じになってしまい、これが少しだけなら気にならないのですが服だとかなり目立ちます。 あえてそういうのを狙っていく人もいますがかなり特殊なケースです。基本的には被らないよう気をつけましょう。 デザインがある場合だとそのデザインが完全に消えてしまうこともあります。せっかくのデザインが消えるのはもったいないです。   アクセサリーも同様で色が同じだと同化して見えないことがありますので、事前の確認が大事です。 どうしてもそのアクセサリーを入れたい場合は向きを変えたりポージングを変えて、位置を調整しましょう。     ソフトボックスとも併用可能(注意点あり) ソフトボックスを入れることで光が拡散されて柔らかくなるので、全体に色のついた光を出すことが出来ます。 直接光を当てるよりも全体にマイルドさが出てくるので、色を付けつつ優しさも感じられる光になります。   カラーフィルターはソフトボックスと併用することも出来ます。ただしソフトボックスによっては取り付けが出来なくなったり難しくなることもあります。 単純に大きさの問題でカラーフィルターを付けたマジックテープやゴムバンドが引っかかって取り付けができなくなります。 使っているソフトボックスにもよるのと、取り付ける順番を変えてみたら取り付け出来ることもあります。 カラーフィルターが先か後か、使っているソフトボックスに合わせて使い分けましょう。   そしてソフトボックス+カラーフィルターの組み合わせはものすごく光量が落ちます。 ソフトボックスなしの場合はこの明るさです。   ソフトボックスを入れるとここまで明るさが変わります。   カラーフィルターだけでも光量が落ち、ソフトボックスだけでも光量が落ちます。光量が落ちる要素が2段階になるので更に落ちていきます。 なのでこの2つを組み合わせる時はそれなりにパワーのあるストロボ(GodoxならAD200とか)を使うことをオススメします。 TT600はそれなりにパワーがありますが、この2つを組み合わせるとさすがに力不足を感じます。   対処法としてはカメラ側でそこそこ明るめの設定にすることです。 シャッタースピードはストロボに殆ど影響してこないのでF値かISO感度で明るさを調整していきます。それと同時に色味もまた変わってくるので調整します。 カラーフィルターを使った撮影はひたすら調整と確認の繰り返しです。     カラーフィルターの管理方法(参考) 管理しないとどうなるか? カラーフィルターの管理方法の参考例です。カラーフィルターは複数のストロボに使う場合、ストロボの数だけ用意しなければなりません。 基本的には同じメーカーの同じものを使います。しかも撮影中は結構忙しいのでカラーフィルターをしまう時に混ざることがあります。 ストロボAに使っていたカラーフィルターを、ストロボBに使っていたカラーフィルターと一緒に入れてしまう状態です。 これの問題点は探している色のフィルターが行方不明になりやすいです。   前回はストロボ2灯だったのでカラーフィルターも2つ分持っていったとしましょう。 次の撮影はストロボ2灯だけどカラーフィルターは1つ分でいい場合、ストロボAに使ったカラーフィルターを持っていくとします。 ストロボAで使っていたのが赤だとして、その赤色は現在ストロボBに使っていたカラーフィルターにあります。 現地について気付いたときには遅いです。赤が必要なのに赤いカラーフィルターがない(自宅に置いてるもう1つの方にある)ことになります。   毎回全セット持っていくのなら探せばあるでしょうが、探すのに時間もかかって非効率です。 元にあった場所に戻さない癖はカラーフィルター以外でも多々あります。ケースと中身が違う、よくあるパターンです。   対処法(例) 鳴白代表が実際にカラーフィルターをよく紛失(どこかに混じってる)してしまうので、導入した管理方法です。 使っているのはマジックテープ式です。ゴムバンドでも同じ方法で管理できるかと思います。   まず小さい袋を用意します。マジックテープ式のを入れるものとカラーフィルターセットを入れるための2種類用意します。 それぞれにグループを割り当てます。できればストロボとセットにしておくと良いです。 ストロボAに使うカラーフィルターはグループA、と自分でグループを決めてシールに書いて貼り付けます。   カラーフィルターを入れるための小さい袋を、カラーフィルターを付けるマジックテープを入れるための袋(大きめ)に入れます。 こうすればカラーフィルターを簡単にグループ分け出来ます。   あとは撮影に持っていく時に同じグループのものを使用する、と決めて運用します。グループを意識するので混ざる事がなくなります。 元にあった場所に戻せばいいだけですが、グループ分けすると自然と取り組みやすくなります。 フィルターが行方不明になるかもしれない方の参考になればと思います。ご自身が管理しやすい方法で管理するようにしましょう。   まとめ まとめです。 ・カラーフィルターはストロボの前に付けるもの ・カラーフィルターを付けると光量が落ちる ・色味に注意しないと混ざったりして予期せぬ色が出る ・ソフトボックスを使うと更に光量が落ちる   カラーフィルターを使うときはストロボのパワーを上げざるを得ない事が多いです。そうなってくると必然的にストロボの電池切れが早くなります。 ストロボの予備電池も忘れないようにしましょう。

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第3章

3-1.ストロボを使った撮影の基本【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

第三章からはストロボを使った撮影になります。 ストロボはカメラのシャッターを押した時に一瞬だけ光るもので、普通の定常光を使ったときとはまた違った写真が出来ます。 副業としてもカメラマンとして活動するのであれば、ストロボを扱えないと仕事にならないくらいです。     ストロボとは? ストロボの基本から確認していきましょう。 ストロボはシャッターを押した時だけ光る、一眼レフ・ミラーレス一眼の外部フラッシュです。   人気があるのはGodoxという中国メーカーのTT600という製品です。 価格が安い・丈夫・それなりに明るい・持ち運びにも苦労しない・単三電池で動く結構すごいストロボです。   コスプレ撮影をしているカメラマンなら大体がTT600を持っています。 相当特殊な環境で特殊な撮影をしない限りはTT600があれば仕事でも十分使えます。 ただし1灯だけだと撮影の幅が狭く、何かと明るさが足りないと感じる場面が多いので2灯あるのが望ましいです。   ストロボは一瞬だけ強い光を放つので、カメラの設定を間違えると白飛びではなく真っ白な写真を量産することにもなります。 特に明るい環境でストロボを使った撮影をする場合は注意が必要です。 明るいのにストロボを使うのか?と思われるかもしれませんが、後々その理由をご紹介します。     ストロボを使うときの注意点 カメラの設定 カメラの設定がかなり重要です。 ストロボの光は実際に使ってみるとわかりますが、結構強い明るさなのでカメラの設定は暗めで大丈夫です。 ISOは最低値、F値が高いレンズであってもストロボの光でカバーできます。   シャッタースピードはカメラやストロボ次第なところもありますが、大体が160~250あたりが最速値です。 ハイスピードシンクロというもっと早いシャッタースピードに対応しているものであれば、もっと早くても撮影できます。 TT600の場合はハイスピードシンクロ対応ですが、いきなり使うものではないので今はそういう機能があるんだ、程度で大丈夫です。   ちなみに今回のカメラの設定は以下になります。 ISO:100(最低値) F値:8 SS:1/200   ちょっとF値が高いですが、ストロボのパワーを知っていただくためにちょっと暗めにしてみました。   ストロボの設定 今回はTT600を使って実際にストロボ側の設定を行います。 電源を入れるとこういった画面が出てきます。   機種が違えば画面構成も違ってきますので、今回は共通している部分だけご紹介します。 まずはストロボのパワー、明るさです。 1/32となっているのが明るさの強さです。 1/32が一番弱い光で1/1がフル発光、ものすごい強い光が出ますが電池の消費も激しいです。 またフル発光の場合は次に光るまでのタイムラグ(チャージ)が長いので、使う時は要注意です。   次に確認したいのがZoomの項目である20mmの部分です。 これは照射角を意味しており、照らす範囲を変えることが出来ます。 TT600の場合は20mm~200mmまで設定可能で、20mmであれば広い範囲を照らすことが出来ます。 逆に200mmにすると狭くなります。   今回はフル発光するほどではないので、1/32のパワーでZoomは20mmに設定しています。 明るさが足りないと思ったらストロボのパワーを上げるか、F値を下げましょう。 今回はこれで撮影します。   被写体とストロボの距離 最後に大事なのがストロボと被写体の距離です。 どんな光でもそうですが、被写体と近いか遠いかで明るさは変わってきます。 同じパワーだとしても近ければ明るいですし、遠ければ暗いです。   今回は被写体との距離は35cmです。 それぞれの位置関係は以下の図のようになっています。黄色い線がストロボの光のイメージです。   近すぎず遠すぎない距離から始めて、微調整します。 今回はいつもの撮影環境なので、この距離で進めます。     撮影した写真 実際に撮影した写真がこちらです。 カメラはLumix G9、レンズはLeica 45mm F2.8です。   これがストロボ1灯で撮った写真です。 先程の図のようにストロボが左側に1灯しかないので、右側に影が出来るようになります。 続けてストロボ2灯、右側にも入れてみます。     斜め前から2灯使った写真がこちらです。 左右の影が消えていい感じになりました。 実際に人物撮影をする時はその人に合わせて調整しましょう。   今回はストロボでこういう撮影が出来ます、程度の紹介ですが次回以降、ストロボの撮影に関するより詳しい解説です。 斜め前に置いてる理由も合わせて解説しますので、とりあえず今はストロボでこんな写真撮れるんだ、程度に思っていただければと思います。

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