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5月
今回は綺麗な写真を撮るためのコツです。絶対にこれがいい、と言いきれるものではありませんが最初のうちは意識しておくことがとても重要です。
基本中の基本ですので、覚えておきましょう。
綺麗な写真を撮るための基本
垂直・水平を意識する
綺麗な写真の基本ですが、単純に被写体(人・花など)の見た目が美しいという意味もありますが被写体がどれだけ綺麗だったとしても、見ているだけで酔うような写真は良くないです。
目の錯覚を利用して絵なのに動いているように見えるとか、見ているだけでしんどくなってくるような絵や写真は基本的に受け入れられません。
そういったテーマで描いた絵であったり撮影した写真であればいいかもしれませんが、普段の撮影で使ってしまうと誰も見れないものになってしまいます。
例えばこの写真、ぱっと見た感じでは特に何も感じないかもしれませんがこういった写真が続くとだんだん酔ってくる人も多いです。
この写真は写真を撮る時に角度を適当にした写真です。だまし絵みたいな感じではなく、普通の被写体を普通に撮影しただけだけですが、角度が適当なだけです。
よく傾いている住宅に住み続けると平衡感覚が麻痺してくる、家にいると船酔いしている感じがする、という話がありますが感覚的には同じです。
同じ被写体の同じ写真ですが、垂直・水平にした写真がこちらです。
被写体や背景が味気ない点は今回は置いといて、こういった角度の写真を見続けても酔うことはないです。
写真を見て何か酔った感じがする、というのは水平ではない傾いている写真を見続けていた可能性が高いです。
次に垂直を無視した写真です。
こういった構図で撮影することもありますし、場合によっては逆に見やすい場合もあります。
下から見るか上から見るか、の感じではありますが水平担っていない写真よりはマシです。
それに常に垂直・水平を維持できるとも限らないです。
それでも水平を維持するだけでも見やすい写真にはなります。
余計なものを入れない
次に大事なのが余計なものを入れないことです。
たまに写真に色々と詰め込みすぎて何を写したいのか、全くわからない写真があります。人あり、風景あり、ペットあり、花あり、有名な建造物あり、写真撮ってる人もあり、みたいな写真だと何を撮りたかったのか伝わりません。
特にテーマを決めずに、有名な観光スポットで記念写真が撮りたかったのであればその目的は果たせているかもしれませんが、色々写っているので見る人の目は忙しくなります。
メインとは関連性がない物が写っていると、そっちに目を奪われます。
特に商品撮影の場合には勘違いさせてしまい、それがトラブルのもとになることもあります。
例えば余計なものが入っている例として、こんな写真です。
この写真が商品ページの1枚目の写真として採用されていた場合、多くの人が写真に写っているものが全部セットになっていると感じます。
実際は椅子1つだけの販売にも関わらずです。
商品タイトル・商品説明文に書いたとしても、文字と画像のどっちを見るかと言われたら画像を見ます。
説明文に「椅子1つの販売でその他の椅子・テーブル・パン等は付属しておりません」と書いてあっても、勘違いされても仕方ない写真でもあります。
結構な頻度で見かけますが、レビューに「セットだと思ったら単体だった」と星1つがたまにあります。
この場合は椅子単体の写真を撮影して椅子1つの販売であることをアピールした上で、作例としてこういった写真を掲載するとトラブルになりにくいです。
もし人物撮影の場合は注意しないといけないのがライト系の写り込みです。
こういうライティングにしましたよ、の解説写真ならまだしもそうではない写真でライトスタンドが微妙に写り込んでいるのはとても残念です。
たまに見かけますが、微妙になんですが写り込んでいます。
カメラマンでなくても「何あれ?」と気付かれるとそっちにしか目がいかなくなります。メインの被写体よりも足元に微妙に写り込んだ何かが気になるのです。
全部見えるわけじゃないですし、ライトスタンドだということもわからないのでそこが余計に気になってしまうポイントでもあります。
そうなるとせっかくのいい写真も台無しです。
メインに目を向かせるよう、余計なものは出来る限り入れないようにしましょう。
色に注意する
次は意外と見落としがちですが、色についてです。
色によってどんな印象を与えるかは変わってきます。
例えば黒に金色を入れると高級感が出ますし、水色や青色ばかりの色は寒色という寒い色なので冷たい感じを連想させます。
これをうまく利用しないと何かよくわからない写真になってしまうことがあります。
例えば暖色と呼ばれる赤とかオレンジ系の温かみのある色の隣に、寒色系の色を配置すると気持ち的に忙しい感じがします。
イメージとしてはこんな感じです。
人が中心に立っていますが左右で色が全く違っており、真ん中に関しては色が混ざっててどういう状態なんだろうという印象です。
現実だったら「暑いのか寒いのかはっきりしてくれないと困る」状態です。どっちを見るかで変わりますし、ずっと見続けていたらだんだん疲れてくるので気をつけましょう。
一言で言えば「目が疲れる配色」です。
人の肌の色自体も変わってしまっているので、使用場面としてはかなり限定的な1枚です。
料理の撮影をする場合ではこれが特に重要で、皿の色とかテーブルの色とか光の色も重要視されています。
例えば熱々のラーメンの商品撮影をするとして、どんな色合いがいいかを考えたら暖色系がベストです。これを寒色系の色で構成してしまうと「冷めたラーメン」の印象を与えます。
それが売りならそれでいいかもしれませんが、ラーメンを食べたいと思う人にとっては温かいラーメンが良いはずです。
また、色が被るとその部分が消えてしまうこともあるので注意しましょう。
人物撮影で壁と服の色が同じで一部分が完全に同化して消える、というのも多々あります。せっかく撮った写真が色が同化して身体の一部が消えてしまったことで、心霊写真扱いされてしまうこともあるので、色には気をつけましょう。
逆に色が混じって想定していない色が出てくることもあります。
被写体の人とコミュニケーションを取る
撮影中は結構忘れがちですが、被写体が人の場合はしっかりとコミュニケーションを取ることが大事です。
複数人いる場合は周りの人に任せて自分は撮影に集中する、というのもありですが常に誰かいるとは限らないのでしっかりと自分自身が会話するようにしましょう。
たまにコミュニケーション=ポージング指示と思っている人もいますが、会話するのと指示するのは別物です。
ポージング指示はあくまで「指示」で会話ではないので、心の距離があるような感じがしていい写真が撮りにくくなります。
そうなるとどうしても被写体の人の表情が固くなってしまいます。そういう写真が撮りたいのであればいいかもしれませんが、逆を言えばそういった写真しか撮れない状況でもあります。
特に初対面であれば緊張するのは仕方ないので、何かしら共通の話題とか楽に出来るような状況を作ることが大事です。
同じ環境でカメラマンが複数人いて、カメラマンによって表情が全く違ったりするのはそのカメラマンとの関係性もあります。
仕事の撮影で時間もかなり限られている場合は、その短い時間でどれだけ被写体の人とコミュニケーションを取れるか、これが鍵になってきます。
ポージングの指示しか出せないカメラマンの場合、被写体の表情にほぼ変化がなく面白みに欠ける写真になってしまうことが多いです。そうなると、依頼主の要望に応えられているかどうかは微妙なところです。
被写体の人にとって安心できるカメラマンになることが出来れば、リラックスした状態での撮影も可能になるので表情豊かに、その人の良さを引き出した写真を撮ることも出来ます。
そのために初めての場合は撮影前に1時間程度、雑談の時間を設けている人もいます。打ち合わせも兼ねていることもありますし、完全に雑談だけで時間を確保する人もいます。ただ、これは相手側にも時間を取らせてしまうので必ずしも良いとは限りません。
特に仕事での撮影で依頼主=被写体の場合はコミュニケーションが重要です。
被写体である前に依頼主でもあるので、どういった写真が撮りたいかについては事前に打ち合わせをしてあるはずですが、撮影中の声かけとかも大事です。
まとめ
最後にまとめです。
・水平・垂直を意識する
・メインとなる被写体を決めて撮影する
・配色に注意する
・人物撮影の時は被写体とコミュニケーションをしっかり取る
最後の被写体とのコミュニケーションは撮影に集中していると難しいですが、ちょっとずつ意識してやっていきましょう。
特に水平・垂直は一番最初に意識するようにしましょう。