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第3章

3-9.ストロボに色を付ける【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

ストロボのアクセサリーの1つとしてカラーフィルターがあります。ストロボが発光した時に色を付けます。 光に色を付けるイメージです。これにより赤色だったり青色だったり、普通ではでない色を出せます。     ストロボへの取り付け方 カラーフィルターのストロボへの取り付け方はいくつかありますが、代表的な物はマジックテープで固定するかゴムバンドで固定します。   写真のものはマジックテープで引っ付けるタイプです。ゴムバンドで固定する場合も同じ構造です。 ストロボの光る部分にカラーフィルターと言われる色付きセロハンを付けて光に色を付けています。 簡単に脱着出来るので色あり・色なしの切り替えがすぐ出来ますしストロボ本体に影響はありません。   もう少し硬度なものになるとマグネット式でくっつけるタイプもあります。Profoto A1等の高額なストロボはこのタイプが使われています。 安価なストロボでも別パーツで販売されている事もありますが、パーツが増えて持ち運びが大変なので標準でない場合はマジックテープかゴムバンドがお勧めです。 カラーフィルター自体も安価で1000円程度で購入出来ます。色もたくさん付いてくるセット品です。     カラーフィルターを使う時の注意点 光量(パワー)の再調整 カラーフィルターを使う時の注意点として一番最初にお伝えしておきたいのが光量(パワー)が落ちることです。 ストロボから直接色を出しているのではなく1枚被せて色を出しているので、その分どうしても通過する光のパワーが落ちてしまいます。 ライトの上に色々とものを被せると光量が落ちるのと同じように、カラーフィルターも被せる物ですので仕方ありません。 そのため、カラーフィルターを使う時は通常時よりもパワーを上げていく必要があります。   暗い場所での撮影時にはフルパワーでも弱い事もあるので、ストロボと被写体の距離を近くしたりもっとパワーのあるストロボを使う必要があります。   ホワイトバランスとの色味調整 ホワイトバランスとの色味調整も非常に大事です。ストロボに色が付くとホワイトバランスにも影響が出てきます。 例えばホワイトバランスで赤っぽくしているところに赤色を混ぜるとものすごく赤色になります。赤+赤なので真っ赤になります。 それが狙いであれば問題ありませんが、意図しない色の強みが出ることもあるので調整しましょう。   特にホワイトバランスは忘れられがちで、カラーフィルターを使っている時はストロボだけで頑張って調整しようとすることが多いです。 ストロボで調整するのは良いのですが、ホワイトバランスが関係している以上は限界があります。ホワイトバランスを忘れないようにしましょう。   自然光や周りの光の色との色混じり ストロボのカラーフィルター以外にも色がついている光はたくさんあります。自然光だって常に同じ色とは限りません。 場所だったり時間帯によってはオレンジ色に見えたり青色に見えたり赤っぽく見えたりします。夜なら光すらないかもしれません。 自然光に関してはストロボではまず勝てないので、自然光の光と色が優先されます。うまく調和出来るように調整する必要があります。   自然光以外にもLEDとかの光もあります。屋外ですと自販機とか電灯とか玄関前の光があります。 写さないようにしても光は漏れてくる事があるので完全にシャットアウトすることは困難です。 屋外の場合は光が混じってくる前提で考えておくといいでしょう。   被写体との色の関係 被写体との色の関係も注意しましょう。例えば被写体が赤い服を着ている時に赤のカラーフィルターを使ってもあまり意味はありません。   完全に服の色がわからなくなっていますが、実際はこのような服装と色になっています。   同じ色が被ってしまうと白ではない白飛びみたいな感じになってしまい、これが少しだけなら気にならないのですが服だとかなり目立ちます。 あえてそういうのを狙っていく人もいますがかなり特殊なケースです。基本的には被らないよう気をつけましょう。 デザインがある場合だとそのデザインが完全に消えてしまうこともあります。せっかくのデザインが消えるのはもったいないです。   アクセサリーも同様で色が同じだと同化して見えないことがありますので、事前の確認が大事です。 どうしてもそのアクセサリーを入れたい場合は向きを変えたりポージングを変えて、位置を調整しましょう。     ソフトボックスとも併用可能(注意点あり) ソフトボックスを入れることで光が拡散されて柔らかくなるので、全体に色のついた光を出すことが出来ます。 直接光を当てるよりも全体にマイルドさが出てくるので、色を付けつつ優しさも感じられる光になります。   カラーフィルターはソフトボックスと併用することも出来ます。ただしソフトボックスによっては取り付けが出来なくなったり難しくなることもあります。 単純に大きさの問題でカラーフィルターを付けたマジックテープやゴムバンドが引っかかって取り付けができなくなります。 使っているソフトボックスにもよるのと、取り付ける順番を変えてみたら取り付け出来ることもあります。 カラーフィルターが先か後か、使っているソフトボックスに合わせて使い分けましょう。   そしてソフトボックス+カラーフィルターの組み合わせはものすごく光量が落ちます。 ソフトボックスなしの場合はこの明るさです。   ソフトボックスを入れるとここまで明るさが変わります。   カラーフィルターだけでも光量が落ち、ソフトボックスだけでも光量が落ちます。光量が落ちる要素が2段階になるので更に落ちていきます。 なのでこの2つを組み合わせる時はそれなりにパワーのあるストロボ(GodoxならAD200とか)を使うことをオススメします。 TT600はそれなりにパワーがありますが、この2つを組み合わせるとさすがに力不足を感じます。   対処法としてはカメラ側でそこそこ明るめの設定にすることです。 シャッタースピードはストロボに殆ど影響してこないのでF値かISO感度で明るさを調整していきます。それと同時に色味もまた変わってくるので調整します。 カラーフィルターを使った撮影はひたすら調整と確認の繰り返しです。     カラーフィルターの管理方法(参考) 管理しないとどうなるか? カラーフィルターの管理方法の参考例です。カラーフィルターは複数のストロボに使う場合、ストロボの数だけ用意しなければなりません。 基本的には同じメーカーの同じものを使います。しかも撮影中は結構忙しいのでカラーフィルターをしまう時に混ざることがあります。 ストロボAに使っていたカラーフィルターを、ストロボBに使っていたカラーフィルターと一緒に入れてしまう状態です。 これの問題点は探している色のフィルターが行方不明になりやすいです。   前回はストロボ2灯だったのでカラーフィルターも2つ分持っていったとしましょう。 次の撮影はストロボ2灯だけどカラーフィルターは1つ分でいい場合、ストロボAに使ったカラーフィルターを持っていくとします。 ストロボAで使っていたのが赤だとして、その赤色は現在ストロボBに使っていたカラーフィルターにあります。 現地について気付いたときには遅いです。赤が必要なのに赤いカラーフィルターがない(自宅に置いてるもう1つの方にある)ことになります。   毎回全セット持っていくのなら探せばあるでしょうが、探すのに時間もかかって非効率です。 元にあった場所に戻さない癖はカラーフィルター以外でも多々あります。ケースと中身が違う、よくあるパターンです。   対処法(例) 鳴白代表が実際にカラーフィルターをよく紛失(どこかに混じってる)してしまうので、導入した管理方法です。 使っているのはマジックテープ式です。ゴムバンドでも同じ方法で管理できるかと思います。   まず小さい袋を用意します。マジックテープ式のを入れるものとカラーフィルターセットを入れるための2種類用意します。 それぞれにグループを割り当てます。できればストロボとセットにしておくと良いです。 ストロボAに使うカラーフィルターはグループA、と自分でグループを決めてシールに書いて貼り付けます。   カラーフィルターを入れるための小さい袋を、カラーフィルターを付けるマジックテープを入れるための袋(大きめ)に入れます。 こうすればカラーフィルターを簡単にグループ分け出来ます。   あとは撮影に持っていく時に同じグループのものを使用する、と決めて運用します。グループを意識するので混ざる事がなくなります。 元にあった場所に戻せばいいだけですが、グループ分けすると自然と取り組みやすくなります。 フィルターが行方不明になるかもしれない方の参考になればと思います。ご自身が管理しやすい方法で管理するようにしましょう。   まとめ まとめです。 ・カラーフィルターはストロボの前に付けるもの ・カラーフィルターを付けると光量が落ちる ・色味に注意しないと混ざったりして予期せぬ色が出る ・ソフトボックスを使うと更に光量が落ちる   カラーフィルターを使うときはストロボのパワーを上げざるを得ない事が多いです。そうなってくると必然的にストロボの電池切れが早くなります。 ストロボの予備電池も忘れないようにしましょう。

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第2章

2-2.F値(絞り)とは?【練習課題付】【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

カメラの基本的な設定の1つである、F値(絞り)についてです。 写真を撮るために最低限必要とされている設定は3つあるのは2-1でご紹介したとおりです。   今回はその1つであるF値について学びます。 最後に練習問題を用意していますので、実際に撮影してみましょう。   撮影したファイルを送信いただければ講師によるフィードバックも受けられます。 詳細は最後にまとめて記載していますのでそちらをご覧ください。     F値(絞り)とは? まずF値(絞り)はカメラ側ではなくレンズ側の話になります。 F1.2やF2.0やF5.6のようにアルファベットのFと数字(少数第1位まで)で表されます。   F値は写真の明るさとピントが合っていない前後のぼけ具合に影響します。 よくある背景がぼけていて被写体や物は綺麗に写っている写真、あの写真を撮るためにはとても重要です。 このような写真です。   このF値が小さければ小さいほど、明るくてピントが合っていない部分がよくぼけます。 この写真ですと木にピントを合わせてあるので、後ろの風景がぼけています。 F1.2で撮影したものですので、かなりボケています。F1.2以下のレンズも存在していますが通常の撮影では使われることがなく、種類自体もかなり少ないです。   逆にF値を高くすれば写真が暗くなってしまうので、明るさを確保する必要があります。 暗い場所での撮影の場合は、できるだけF値を低くしたりライト等を用意して対応します。   実際にF値が低い写真と高い写真を見比べてみましょう。わかりやすく人物撮影で想定してみます。 カメラを固定して、F値だけを変えてみます。 F8にすると多少暗くなりますがそれ以外の設定値はあえて変えておりません。   F21.2の場合   F2の場合   比較してみましょう。スライダーを動かすと違いが見れます。 左がF1.2、右がF2の写真です。   明るさは全く違いますし、F2にすると後ろのソファーのデザインもはっきりと見えてきます。 この時の被写体と壁の距離は4.37mでした。壁から結構距離があります。   今回は1人ですが、これがもし複数人いる場合ですと後ろのソファーに座っている人がぼけてしまいます。   今回の場合ですとF2にして明るさを調整すればいいのですが、毎回明るさをちゃんと確保できるとは限りません。 F1.2等のF値の低い状態で2人いてどちらもはっきり写したい、という場合は横に並んでもらいます。   被写体が複数の場合は可能な限り横並びになってもらうと、人物ははっきりさせつつ綺麗に背景をぼかして撮影できます。 人数が多くなっても同じです。3~4人なら何とか収まる事が多いですが5人以上になってくるとF値を変えて2列になってもらう等が必要になってくる事が多いです。     より背景をぼけさせるためには 背景が綺麗にぼけるためには更に条件があります。 それは背景に何もない空間があることです。 公園とかで広々した場所とか、学校の長い廊下みたいなところがベストです。   広告とかでよくある綺麗に背景がぼけている写真を見てみると、背景がだいたいすごい広い空間なことが多いです。 例えば被写体の真後ろに壁があると、壁が全くぼけずに一緒に写ります。 壁からある程度離れたとしてもぼけにくく、壁だと認識できるくらいにはっきりします。   これはピントが合っている部分の前後にどれだけ広い空間があるか、がポイントだからです。 なので公園とかで周りになにもない広い場所でF値低めの開放で撮影すると、ものすごく綺麗に周りがぼけます。   それ以外にも第1章で学んだフルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズの違いによってもボケ具合は変わってきます。 センサーサイズが大きければ大きいほどよくぼけるので、フルサイズが一番ぼける機種と言えます。     望遠レンズを使うのも有効 その他にも望遠レンズを使うと圧縮効果が生まれて背景がよりぼけるようになります。 望遠レンズの場合はF値が多少高くても圧縮効果のおかげでぼけやすくなっています。逆に広角レンズですと相当F値が低くないとぼけてくれません。 それを踏まえて一番ベストなのはF値の低い50mm~85mm程度のレンズです。   標準~望遠寄りでありながらもF値の低いレンズもあり、距離的にも近すぎず遠すぎず使いやすいです。 望遠レンズですと150mmとか300mmとかになってくるので、人物撮影ですと結構な距離から撮影することになり場所を探すのが大変です。 広い場所なら使えますが、使いやすさも考えると背景をぼかしたいからという理由で望遠レンズを選ぶと結構苦労します。   F値がかなり低くて望遠レンズを選択すれば、最大限背景をぼかすことが出来ることになります。その反面、少しでもピントがずれれば人物もぼけるので注意が必要です。     F値を低くして撮影する時の注意点 これまでF値を低くして開放で撮影すると、背景がよくぼけるという話をしましたが注意点があります。 F値が低いというのは撮影した写真が明るくなることを意味します。 明るくなる、ということは白飛びや真っ白な写真になることもありえます。   昔のフィルム時代と違って今は写真を撮ったらすぐに確認できるのですぐに気付きます。 特に昼間とかで晴天時に撮影するとほぼ真っ白な写真とかになることもあります。 F値以外にも撮影時の設定はありますが、それでも限界があります。   とにかく開放で撮りたい、という気持ちはわかりますが場合によっては絞ったほうがいいこともあります。 真っ白な写真よりもちょっとぼけ具合は落ちるけども見れる写真の方が良いです。   また、被写体が複数の場合で2列3列と並んでいる場合は開放で撮ると後ろの被写体がぼけます。 ピントが合っている場所と横並びは大丈夫ですが、列になっているとピントが外れている部分がぼけます。 これが人の顔だとその人の顔が微妙にぼけてしまうのです。   特に集合写真とかを撮る場合はF値に注意しましょう。 多少暗くなってしまいますが、F値以外の設定とか機材を使って明るさをカバーすれば綺麗に撮影できます。 ただし背景のぼけ具合は諦めるしかありません。     F値を高くして撮影する場合の注意点 今度は逆にF値を高く、絞って撮影する場合の注意点です。 F値を高く絞っていくと段々と暗くなっていくので、写真が真っ暗になっていきます。 明るさの調整をしっかりしておかないと真っ暗な写真ができあがります。   そして一般的にF値の低いレンズほど高額になりやすく、F値の高いレンズほど安価です。 安いレンズを買うとF値が高いものが多くなるので、暗めの写真になりやすいのも注意が必要です。 大体は商品タイトルや説明欄にF値が記載されているので、購入前に必ず確認しましょう。   F値を高くして撮影するのは集合写真や風景写真に多いです。 集合写真は先程も触れましたが後ろの人の顔をぼけさせないためです。 列が増えれば増えるほどどんどん後ろの人の顔はぼけていくので、そうならないようにF値を高くします。   風景写真は風景全体を綺麗に写すことが多いので、どこかをぼけさせるのではなく全体をくっきりさせるのがポイントです。 ピントをすごい手前に合わせる、とかをしなければ多少は開放で撮っても綺麗に全体が見えます。   F値がどこまで高く出来るかはレンズによりますが、一般的にはF16~F22あたりまで上げることが出来れば問題ありません。 それ以上高く出来るとしても、殆どが明るさ調整用になります。 F値をぼけるかどうかだけではなく、明るさ調整を中心に考えて設定することも多々あります。 ただF22を使うことがあるか、と言われたらほぼ使わないので既に明るさ調整用になっています。     まとめ F値とはどういったものか、最後に簡単にまとめました。 ・F値は明るさとピントが合っていない所のぼけ具合に関わる ・F値が低いと開放、高いと絞ると呼ぶ ・F値についてはカメラ本体は関係ない。レンズで決まる   F値は撮影する上での必須項目の1つです。 趣味で撮影する場合でもプロとして活躍していく場合でも関係なく関わってきます。   最近はスマートフォンですらF値の設定画存在しているほど、身近な設定になってきています。 手元のスマートフォンでも設定があるかもしれないので、一度確認してみましょう。       練習課題 今回はF値に特化した説明をしました。 通常は3つの基本設定すべてを組み合わせて撮影するのですが、まずは1つ1つ覚えることが大事です。   今回学んだことを実際に理解できているのか、確認用として以下の課題をご用意しました。 課題の取り組み、提出は任意ですが提出することで講師からのフィードバックを受けられます。     課題1.背景をかなりぼかした写真を撮影してみよう 被写体ははっきりと写っていて、背景はぼけている写真を撮影してみましょう。   課題2.背景をぼかさない撮影をしてみよう 課題1とは逆に背景をぼかさないように撮影してみましょう。   課題3.被写体をぼかした写真を撮影してみよう 課題1または課題2と同じ配置で、被写体をぼかしてみましょう。後ろははっきりと見えるようにします。   課題の提出について 課題の提出方法はメッセージ機能を使って担当フォトグラファーにファイルを添付して送信して下さい。 ファイル名とファイル形式はそれぞれ以下に変更して下さい。ファイル名が異なりますとどの講座のものか確認出来ず再提出となる場合がございます。 課題1のファイル名:2-1-1 課題2のファイル名:2-1-2 課題3のファイル名:2-1-3 ファイル形式:jpg

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第3章

3-1.ストロボを使った撮影の基本【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

第三章からはストロボを使った撮影になります。 ストロボはカメラのシャッターを押した時に一瞬だけ光るもので、普通の定常光を使ったときとはまた違った写真が出来ます。 副業としてもカメラマンとして活動するのであれば、ストロボを扱えないと仕事にならないくらいです。     ストロボとは? ストロボの基本から確認していきましょう。 ストロボはシャッターを押した時だけ光る、一眼レフ・ミラーレス一眼の外部フラッシュです。   人気があるのはGodoxという中国メーカーのTT600という製品です。 価格が安い・丈夫・それなりに明るい・持ち運びにも苦労しない・単三電池で動く結構すごいストロボです。   コスプレ撮影をしているカメラマンなら大体がTT600を持っています。 相当特殊な環境で特殊な撮影をしない限りはTT600があれば仕事でも十分使えます。 ただし1灯だけだと撮影の幅が狭く、何かと明るさが足りないと感じる場面が多いので2灯あるのが望ましいです。   ストロボは一瞬だけ強い光を放つので、カメラの設定を間違えると白飛びではなく真っ白な写真を量産することにもなります。 特に明るい環境でストロボを使った撮影をする場合は注意が必要です。 明るいのにストロボを使うのか?と思われるかもしれませんが、後々その理由をご紹介します。     ストロボを使うときの注意点 カメラの設定 カメラの設定がかなり重要です。 ストロボの光は実際に使ってみるとわかりますが、結構強い明るさなのでカメラの設定は暗めで大丈夫です。 ISOは最低値、F値が高いレンズであってもストロボの光でカバーできます。   シャッタースピードはカメラやストロボ次第なところもありますが、大体が160~250あたりが最速値です。 ハイスピードシンクロというもっと早いシャッタースピードに対応しているものであれば、もっと早くても撮影できます。 TT600の場合はハイスピードシンクロ対応ですが、いきなり使うものではないので今はそういう機能があるんだ、程度で大丈夫です。   ちなみに今回のカメラの設定は以下になります。 ISO:100(最低値) F値:8 SS:1/200   ちょっとF値が高いですが、ストロボのパワーを知っていただくためにちょっと暗めにしてみました。   ストロボの設定 今回はTT600を使って実際にストロボ側の設定を行います。 電源を入れるとこういった画面が出てきます。   機種が違えば画面構成も違ってきますので、今回は共通している部分だけご紹介します。 まずはストロボのパワー、明るさです。 1/32となっているのが明るさの強さです。 1/32が一番弱い光で1/1がフル発光、ものすごい強い光が出ますが電池の消費も激しいです。 またフル発光の場合は次に光るまでのタイムラグ(チャージ)が長いので、使う時は要注意です。   次に確認したいのがZoomの項目である20mmの部分です。 これは照射角を意味しており、照らす範囲を変えることが出来ます。 TT600の場合は20mm~200mmまで設定可能で、20mmであれば広い範囲を照らすことが出来ます。 逆に200mmにすると狭くなります。   今回はフル発光するほどではないので、1/32のパワーでZoomは20mmに設定しています。 明るさが足りないと思ったらストロボのパワーを上げるか、F値を下げましょう。 今回はこれで撮影します。   被写体とストロボの距離 最後に大事なのがストロボと被写体の距離です。 どんな光でもそうですが、被写体と近いか遠いかで明るさは変わってきます。 同じパワーだとしても近ければ明るいですし、遠ければ暗いです。   今回は被写体との距離は35cmです。 それぞれの位置関係は以下の図のようになっています。黄色い線がストロボの光のイメージです。   近すぎず遠すぎない距離から始めて、微調整します。 今回はいつもの撮影環境なので、この距離で進めます。     撮影した写真 実際に撮影した写真がこちらです。 カメラはLumix G9、レンズはLeica 45mm F2.8です。   これがストロボ1灯で撮った写真です。 先程の図のようにストロボが左側に1灯しかないので、右側に影が出来るようになります。 続けてストロボ2灯、右側にも入れてみます。     斜め前から2灯使った写真がこちらです。 左右の影が消えていい感じになりました。 実際に人物撮影をする時はその人に合わせて調整しましょう。   今回はストロボでこういう撮影が出来ます、程度の紹介ですが次回以降、ストロボの撮影に関するより詳しい解説です。 斜め前に置いてる理由も合わせて解説しますので、とりあえず今はストロボでこんな写真撮れるんだ、程度に思っていただければと思います。

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第2章

2-1.カメラの3つの基本設定【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

第二章では撮影に関する基礎知識と各設定の役割について学び、実際に撮影出来るよう課題を用意しております。 第一章は完全に座学で学ぶのみでしたが、今回からは実践も取り入れていきますのでカメラを用意して取り組むことを推奨します。   最初はカメラの基本設定と呼ばれる3つの設定について簡単に紹介します。 各設定についてはそれぞれ別途詳しく解説します。     カメラの基本の3つの設定 この講座を受講する前にどこかで聞いたことがある、という方もいらっしゃるかと想いますが改めて勉強しましょう。 この3つの設定を抑える事で、背景をぼかした写真とか躍動感ある写真が撮れるようになります。   一眼レフ、ミラーレス一眼に限らずデジカメで撮影する際にも必要な設定です。 最近ではスマートフォンでも一部設定出来ることがあるので、スマートフォンでも応用が可能です。 最初に覚えるのは3つだけで十分です。     F値(絞り) 最初はF値(えふち)です。絞りと呼ばれることも多々ありますが、意味は同じです。 F値は背景を綺麗にぼかした写真を撮影する時に重要な設定です。 まさに「プロが撮った写真」といえる、あの背景はぼけているが人は綺麗に写っているあの写真です。   背景がぼけていて被写体はしっかりと見える、プロっぽいと言われる写真です。 こういった写真を撮るためにはF値が重要です。 F値が低ければ明るさは明るくなり、逆に高くすれば暗くなります。   F値はレンズ側の話でカメラ側にはF値を変える設定がないです。 カメラによってF値が変わることはないので、レンズ選びがとても重要になります。   シャッタースピード シャッタースピードはSSと略されることもあります。 動きの早い被写体の動きを止めるのに重要な設定です。   手ブレや被写体がブレブレの写真の原因でもあります。   設定をちゃんと理解して使うことができれば、ぶれた写真になるのを避けられます。 シャッタースピードが遅ければ明るさは明るくなり、逆に早くすれば暗くなります。   ISO感度 3つの設定の中では最もシンプルな設定です。 明るさに影響する設定で、数字を上げれば上げるほど明るくなります。   これだけ聞けばひたすら上げればいい、と思われがちですがそれと同時にノイズが発生します。 写真がざらざらしているような感じになっていますが、加工しているのではなくISO感度を上げすぎた結果です。   上げ過ぎればどんどんノイズが出てきてざらざらした写真になっていき見るのが辛くなってきます。 ざらつきが出る反面、明るさは確保できるので他の設定で暗くしたり調整して撮影しています。 この写真はISO25600、設定出来る中で一番高いISO感度の値になります。   そしてこの3つの設定にはある共通点があります。 全て明るさに影響しているという点です。   これは結構忘れがちですが、全部の設定を変更すると明るさも一気に変わってきます。 ISO感度に関しては明るさのみ影響していますが、他の設定も明るさに影響することを忘れないようにしましょう。 この3つの設定を理解することができれば、大体の写真は撮れるようになります。   逆を言えば、この3つを理解できないと納得のいく写真が撮れることはないとも言えます。 プログラムオートにしてカメラに設定を全て委ねる、という方法もありますがそれだとただシャッターを押すだけです。 わざわざいいカメラを買う意味がありません。 良いカメラの性能を活かすなら設定は自分で決めましょう。撮りたい写真を撮るためにも必須です。     基本の3つを抑えたら出来ること ではこの基本の3つの設定を理解して抑えたらどんな事が出来るのか、ですが撮りたい写真を撮るための第一歩を踏み出せます。 まずは真っ白な写真、真っ暗な写真からの脱却が可能です。   カメラ買って撮影してみたら写真が真っ白だった、真っ暗で何も見えなかった、というのはよくあります。 昔と違って今はその場で確認出来るので、もしそうなっていたら撮り直せばいいだけですが設定を理解していないと同じ写真が増えるだけです。 更にそのタイミングが一瞬しかなければ、同じ写真を撮ることは出来ません。   例えば鳥が飛ぶ一瞬を捉えたい、となると本当に一瞬なので設定を間違えたらそれで終わりです。 次のチャンスはいつ来るのか、それは誰にもわかりません。 人物撮影であれば「さっきのポーズをもう1回お願いします」といえば再挑戦出来ます。   慣れるまでは動物相手ではなく風景や人物撮影を中心に練習していくのがおすすめです。 フィギュアでもいいですし、その辺りにあるものでもいいです。 とにかく動かない被写体であることが大事です。   わざわざフィギュアを買うのがもったいない、と感じるのであればコップでもいいですし缶でも大丈夫です。 ただし小さすぎるとピントが合わず撮影に苦労するので、小さすぎるものは避けましょう。   一番簡単な方法としては、食事の時に撮影する癖をつけることです。 毎日の行動に撮影を追加することで、自然と撮影もするようになっていき毎日撮影することで上達します。 ですが基本を抑えていなければ意味がないので、基本を抑えましょう。     まとめ 最後にまとめです。 ・基本の3つはF値・シャッタースピード・ISO感度 F値はボケ具合と明るさ シャッタースピードは動きを止めるのと明るさ ISO感度は明るさ   思うような写真が撮れない、と思った時はまずこの基本を見直しましょう。 基本的にはこの3つのどれかが原因になっています。

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第1章

1-7.綺麗な写真を撮るためのコツ

今回は綺麗な写真を撮るためのコツです。絶対にこれがいい、と言いきれるものではありませんが最初のうちは意識しておくことがとても重要です。 基本中の基本ですので、覚えておきましょう。     綺麗な写真を撮るための基本 垂直・水平を意識する 綺麗な写真の基本ですが、単純に被写体(人・花など)の見た目が美しいという意味もありますが被写体がどれだけ綺麗だったとしても、見ているだけで酔うような写真は良くないです。   目の錯覚を利用して絵なのに動いているように見えるとか、見ているだけでしんどくなってくるような絵や写真は基本的に受け入れられません。 そういったテーマで描いた絵であったり撮影した写真であればいいかもしれませんが、普段の撮影で使ってしまうと誰も見れないものになってしまいます。   例えばこの写真、ぱっと見た感じでは特に何も感じないかもしれませんがこういった写真が続くとだんだん酔ってくる人も多いです。   この写真は写真を撮る時に角度を適当にした写真です。だまし絵みたいな感じではなく、普通の被写体を普通に撮影しただけだけですが、角度が適当なだけです。 よく傾いている住宅に住み続けると平衡感覚が麻痺してくる、家にいると船酔いしている感じがする、という話がありますが感覚的には同じです。 同じ被写体の同じ写真ですが、垂直・水平にした写真がこちらです。   被写体や背景が味気ない点は今回は置いといて、こういった角度の写真を見続けても酔うことはないです。 写真を見て何か酔った感じがする、というのは水平ではない傾いている写真を見続けていた可能性が高いです。   次に垂直を無視した写真です。 こういった構図で撮影することもありますし、場合によっては逆に見やすい場合もあります。   下から見るか上から見るか、の感じではありますが水平担っていない写真よりはマシです。 それに常に垂直・水平を維持できるとも限らないです。 それでも水平を維持するだけでも見やすい写真にはなります。   余計なものを入れない 次に大事なのが余計なものを入れないことです。 たまに写真に色々と詰め込みすぎて何を写したいのか、全くわからない写真があります。人あり、風景あり、ペットあり、花あり、有名な建造物あり、写真撮ってる人もあり、みたいな写真だと何を撮りたかったのか伝わりません。   特にテーマを決めずに、有名な観光スポットで記念写真が撮りたかったのであればその目的は果たせているかもしれませんが、色々写っているので見る人の目は忙しくなります。 メインとは関連性がない物が写っていると、そっちに目を奪われます。   特に商品撮影の場合には勘違いさせてしまい、それがトラブルのもとになることもあります。   例えば余計なものが入っている例として、こんな写真です。   この写真が商品ページの1枚目の写真として採用されていた場合、多くの人が写真に写っているものが全部セットになっていると感じます。 実際は椅子1つだけの販売にも関わらずです。 商品タイトル・商品説明文に書いたとしても、文字と画像のどっちを見るかと言われたら画像を見ます。 説明文に「椅子1つの販売でその他の椅子・テーブル・パン等は付属しておりません」と書いてあっても、勘違いされても仕方ない写真でもあります。   結構な頻度で見かけますが、レビューに「セットだと思ったら単体だった」と星1つがたまにあります。 この場合は椅子単体の写真を撮影して椅子1つの販売であることをアピールした上で、作例としてこういった写真を掲載するとトラブルになりにくいです。   もし人物撮影の場合は注意しないといけないのがライト系の写り込みです。 こういうライティングにしましたよ、の解説写真ならまだしもそうではない写真でライトスタンドが微妙に写り込んでいるのはとても残念です。 たまに見かけますが、微妙になんですが写り込んでいます。   カメラマンでなくても「何あれ?」と気付かれるとそっちにしか目がいかなくなります。メインの被写体よりも足元に微妙に写り込んだ何かが気になるのです。 全部見えるわけじゃないですし、ライトスタンドだということもわからないのでそこが余計に気になってしまうポイントでもあります。 そうなるとせっかくのいい写真も台無しです。 メインに目を向かせるよう、余計なものは出来る限り入れないようにしましょう。     色に注意する 次は意外と見落としがちですが、色についてです。 色によってどんな印象を与えるかは変わってきます。 例えば黒に金色を入れると高級感が出ますし、水色や青色ばかりの色は寒色という寒い色なので冷たい感じを連想させます。   これをうまく利用しないと何かよくわからない写真になってしまうことがあります。 例えば暖色と呼ばれる赤とかオレンジ系の温かみのある色の隣に、寒色系の色を配置すると気持ち的に忙しい感じがします。 イメージとしてはこんな感じです。   人が中心に立っていますが左右で色が全く違っており、真ん中に関しては色が混ざっててどういう状態なんだろうという印象です。 現実だったら「暑いのか寒いのかはっきりしてくれないと困る」状態です。どっちを見るかで変わりますし、ずっと見続けていたらだんだん疲れてくるので気をつけましょう。 一言で言えば「目が疲れる配色」です。 人の肌の色自体も変わってしまっているので、使用場面としてはかなり限定的な1枚です。   料理の撮影をする場合ではこれが特に重要で、皿の色とかテーブルの色とか光の色も重要視されています。 例えば熱々のラーメンの商品撮影をするとして、どんな色合いがいいかを考えたら暖色系がベストです。これを寒色系の色で構成してしまうと「冷めたラーメン」の印象を与えます。 それが売りならそれでいいかもしれませんが、ラーメンを食べたいと思う人にとっては温かいラーメンが良いはずです。   また、色が被るとその部分が消えてしまうこともあるので注意しましょう。 人物撮影で壁と服の色が同じで一部分が完全に同化して消える、というのも多々あります。せっかく撮った写真が色が同化して身体の一部が消えてしまったことで、心霊写真扱いされてしまうこともあるので、色には気をつけましょう。 逆に色が混じって想定していない色が出てくることもあります。     被写体の人とコミュニケーションを取る 撮影中は結構忘れがちですが、被写体が人の場合はしっかりとコミュニケーションを取ることが大事です。 複数人いる場合は周りの人に任せて自分は撮影に集中する、というのもありですが常に誰かいるとは限らないのでしっかりと自分自身が会話するようにしましょう。 たまにコミュニケーション=ポージング指示と思っている人もいますが、会話するのと指示するのは別物です。   ポージング指示はあくまで「指示」で会話ではないので、心の距離があるような感じがしていい写真が撮りにくくなります。 そうなるとどうしても被写体の人の表情が固くなってしまいます。そういう写真が撮りたいのであればいいかもしれませんが、逆を言えばそういった写真しか撮れない状況でもあります。 特に初対面であれば緊張するのは仕方ないので、何かしら共通の話題とか楽に出来るような状況を作ることが大事です。 同じ環境でカメラマンが複数人いて、カメラマンによって表情が全く違ったりするのはそのカメラマンとの関係性もあります。   仕事の撮影で時間もかなり限られている場合は、その短い時間でどれだけ被写体の人とコミュニケーションを取れるか、これが鍵になってきます。 ポージングの指示しか出せないカメラマンの場合、被写体の表情にほぼ変化がなく面白みに欠ける写真になってしまうことが多いです。そうなると、依頼主の要望に応えられているかどうかは微妙なところです。   被写体の人にとって安心できるカメラマンになることが出来れば、リラックスした状態での撮影も可能になるので表情豊かに、その人の良さを引き出した写真を撮ることも出来ます。 そのために初めての場合は撮影前に1時間程度、雑談の時間を設けている人もいます。打ち合わせも兼ねていることもありますし、完全に雑談だけで時間を確保する人もいます。ただ、これは相手側にも時間を取らせてしまうので必ずしも良いとは限りません。 特に仕事での撮影で依頼主=被写体の場合はコミュニケーションが重要です。 被写体である前に依頼主でもあるので、どういった写真が撮りたいかについては事前に打ち合わせをしてあるはずですが、撮影中の声かけとかも大事です。     まとめ 最後にまとめです。 ・水平・垂直を意識する ・メインとなる被写体を決めて撮影する ・配色に注意する ・人物撮影の時は被写体とコミュニケーションをしっかり取る   最後の被写体とのコミュニケーションは撮影に集中していると難しいですが、ちょっとずつ意識してやっていきましょう。 特に水平・垂直は一番最初に意識するようにしましょう。

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第1章

1-5.カメラの各モードの意味と違い

カメラには複数のモードが用意されています。 メーカーや機種が違ってもほぼ同じ機能があり、共通のモードになっています。 それぞれのモードを理解して、必要に応じて切り替えましょう。     基本的な4つのモード 基本的には4つのモードを使って撮影します。 この4つはどのカメラであっても共通のモードであり、基本を学ぶ上でもかなり重要です。 その他、色々なモードがカメラに搭載されていますがカメラごとによって違うので、今回は共通するものだけご紹介します。   また、この4つ以外のモードは基本知識とは違うモードで、モノクロ(白黒)で撮影できたり雰囲気を変えて撮影したり出来ます。 基本というよりも画像加工に近い話になります。 ちなみにそういったモードで撮影しても、RAWデータはその影響を受けません。   共通している4つの機能を覚えてから使ってみると面白いですが、カメラによって機能の有無も違うのでよく確認しましょう。     プログラムオート 設定をすべてカメラに任せてシャッターを押すだけで綺麗な写真が撮れる、簡単なモードです。 細かい設定が出来ないので、画面で撮りたい範囲を確認してシャッターを押すだけで明るすぎたり暗すぎたりしないほどよい写真が撮れます。 その時のカメラが設定した設定値は記録されているので、それを見て勉強していくのには最適です。   ただ完全なフルオートというわけではなく、明るさ補正やISO感度については変更が可能です。   設定を変えていくのが間に合わない時、どんな設定にすればいいのかまだよくわかっていない時、とても役立つモードです。 ものすごく忙しくて環境もころころ変わるような現場の場合、あえてプログラムオートで撮影して後から編集するという方法もあります。 設定変更が追いつかず撮影できませんでした、というのが一番NGなのでとりあえずそれなりのものが撮影できれば後から修正可能です。   ただしプログラムオートでしか撮影できない、設定を自分で決められないというのはいろいろな麺で問題が出てくるので、あくまで勉強用として使いましょう。     絞り優先(Av・Aモード) メーカーによって表記が違いますが、絞り(F値)を自分で決めるモードです。 シャッタースピードは自動なので気にする必要はありません。 絞りがどういったものなのかを理解したい、他の設定はオートでとにかく絞りだけに集中したい時に使います。   シャッタースピードが自動に鳴るのは便利ですが、動きのある被写体を撮影する場合には不向きなモードでもあります。 被写体が動かず周りをぼかしたい時に使います。 逆にどの程度まで絞ればどこまでシャッタースピードが遅くなるかをみる勉強にも便利です。     シャッタースピード優先モード 今度はシャッタースピードを自分で決めるモードです。 絞りが自動で設定されるので動き被写体を撮影する時に便利です。 その代わり、周りをぼかすかどうかを決められなくなるので全体を写したいかつ動き被写体をしっかり捉えたい時に使います。   また、自分がどれくらいまでシャッタースピードを遅くしても手ブレしないかを検証することも可能です。 手ブレを気にしつつ、明るさは気にしなくていいのも特徴です。     マニュアルモード 先程の絞り・シャッタースピードに加えISO感度も全部自分で決めて撮影するモードです。 真っ白な写真、真っ暗な写真を撮影してしまう可能性もある反面、全てを自分で決められるので自分の撮りたい写真が撮影できます。 F値・シャッタースピード・ISO感度をそれぞれ理解していないと使えないモードでもあるので、最初は他のモードで練習して覚えていきましょう。   他のモードでは一部オートで撮影できる反面、撮りたい写真が撮れないことが多々あります。 もうちょっとだけ明るくしたい、もうちょっとだけシャッタースピードを早くしたい、ここはあえて暗めに撮りたい、という時にはマニュアルモードが必要です。 細かい設定が出来る代わりに明らかに間違った設定でもシャッターが押せてしまうので、真っ白な写真になったり真っ暗な写真になったりすることもあります。   マニュアルモードで撮れるようになっておくことで、基本を理解しているとも言えます。 マニュアルモードで撮影できない=基本を理解していないのではないか、と思われてしまうのでマニュアルモードを使えるようになっておきましょう。 設定値がわからない時はプログラムオート等を使って設定値を見て、それをもとにマニュアルモードに切り替えて同じ設定値にする方法もあります。 設定値はわかっているが、カメラはどんな設定にするか見ておきたいということで使うこともあります。     状況によってモードを使い分ける 基本的にはマニュアルモードで撮影するのがいいですが、時間の都合とかで毎回設定を変えている余裕がないこともあります。 例えばコスプレ撮影で専用スタジオで撮影する場合、背景も明るさも小道具も別スタジオかのごとく変わります。 隣の部屋は別世界、というのがコスプレスタジオです。   なのでそういった状況で毎回設定を変える余裕があるか?と言われるとあまり余裕はありません。 真っ黒な部屋の隣は近未来系の部屋になっていたり、ものすごい明るい部屋になっていたりと様々です。 そのままの設定で移動して撮影すれば当然ながら何も写らないこともあります。   かといって使える時間はかなり限られているので、その中で撮影していくとなると慣れるまでは何かしら一部をオートにする撮影が楽です。 何度も通っているスタジオであれば事前にどうすればいいのかもわかるので、すぐに設定を変えることも出来ますが初めての場合は下見をするか絞り優先とかを考えます。   なのでどのモードで撮影するかはその状況次第ではありますが、設定値は理解できるようにしておきましょう。 稀に「結構暗めでちょっとピント外した写真が欲しい」のようなマニュアルモードじゃないと難しい要望もあったりするので、把握しておくことは大事です。 特に仕事の場合は普通に証明写真とかであればパターンは決まってきますが、パターンが読めないちょっと特殊な撮影の場合はあえての暗め、とかはあるかもしれません。 仕事をするのであればそういった予想していなかった依頼にも対応できないといけないですし、大体は基本的な設定で何とかなります。     まとめ 最後にまとめです。 ・カメラによって使えるモードが共通しているのもあれば異なるのもある ・プログラムオート・絞り優先・シャッタースピード優先・マニュアルは共通 ・マニュアルモードで撮影できないのは仕事をする上では致命的 ・状況に応じてモードを使い分ける。ただし特定のモードしか使えないのはNG   プログラムオートだからだめ、というわけではなく撮りたい写真を撮るとなったらマニュアルモードにたどり着きます。 そのためには基本知識が必須ですし、知識があるだけではなく技術も必要です。 基本を抑えて応用する技がなければ特定の撮影の仕事しか出来ないとか色々と不便なところが出てきます。   常にマニュアルモードがいい、というわけでもないので自分なりのパターンを見つけて使い分けることが大事です。

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第1章

1-4.新品・中古のメリットとデメリット

カメラ本体やレンズ、どちらにしても価格は非常に高いです。 高いものこそ中古で、と考えている方もいらっしゃるかと思いますが中古で買う時には知識が必要です。 ほぼ未使用品だからといって良いものとは限りません。   それぞれのメリット・デメリットを把握した上で選択しましょう。     新品のカメラとレンズ メリット1.保証が受けられる 新品のメリットは新品であること以外に保証が付けられることです。 自然故障とか不注意で壊してしまった場合とか色々な保証がありますが、付けられるのは新品だけです。   中古の場合も保証はあったりしますが、せいぜい一ヶ月程度です。 長くて一ヶ月の保証ではほぼ意味がないです。 一ヶ月なんてあっという間に過ぎてしまうので、ほぼ保証がないに等しいです。   特にカメラやレンズといった高額家電系は保証をつけておくのが一番安心です。 テレビとか冷蔵庫、掃除機や洗濯機も保証をつけている人が多いです。 家電関係は新品で買って保証をつけるのに、カメラやレンズには保証をつけ無いというのは不思議な話です。   金額だけ見れば冷蔵庫や洗濯機といい勝負してますし、もしかしたらカメラやレンズのほうが高い場合もあります。 人によっては使用頻度もさほど変わらない場合もありますし、保証は付けておいたほうが安心です。   メリット2.変な癖がついていない 車とかだとよくあるのですが、前オーナーの運転の仕方で変な癖が付いている事があります。 カメラも同様で前の持ち主の使い方次第では変な癖がついていることがあります。 特定のボタンだけやたらと擦り切れていたり、押しにくかったり、レンズの場合だと各リングが回しにくかったりします。 特にシャッター周りは押しやすい、押しにくい、押す時にちょっと癖がある、とか中古ならではのことがあります。   新品の場合は当然ながらそういったことがないので、安心して使えます。     メリット3.付属品が揃っている 当たり前といえば当たり前ですが、新品の場合は付属品が一通り揃っています。 箱や説明書とか基本的なものは全部揃っています。 中古の場合は箱や説明書は捨てる人が多いですし、場合によっては色々な付属品が無かったりします。   中には必要のない付属品もあったりしますが、一番最初は何が必要になるかは判断できないものです。 ストラップがよくある例ですが、使う人と使わない人がいます。 使う人もとにかく毎回使う人と、必要に応じて使うが普段は外している人もいます。   これも好みの問題ですが、最初は必要かどうかわからないので持っておいて損はないです。     デメリット 新品のデメリットは値段の高さです。 新品を買うデメリットって何?と聞かれたらカメラに限らず値段としか言いようがないです。 高いものはとにかく高いです。   そもそも中古で出回らないから新品しか無い、という場合は諦めますがカメラの場合はレンズも結構中古品が出回っています。 価格差もさほど無いものから数万円変わるものまであります。 中には古いモデルであれば中古品なら3万円くらいで買えることもあります。   使用頻度とか使用用途にもよりますが、中古との価格差が圧倒的な場合は結構悩ましいポイントです。     中古品 メリット 中古品のメリットは何と言っても価格です。 というか価格以外にメリットと言えるものがないです。 中古品を選ぶパターンとしては、安いか新品で手に入らないからのどちらかです。   新品との価格差が数万円変わってくるなら、中古品を買ったほうがいい事が多いです。 カメラは特に新品で最新機種なら30万40万としますが、その前のモデルの中古品とかになると10万円を切ることもあります。 いわゆる型落ちですが、最初に買う1台としては最新機種である必要もありません。   それなりに新しくて状態が良ければ中古で全然安く買えます。 特に最新機種が出たばかりであれば、型落ち品の中古を狙うとより安値で買えたりします。   特にレンズは古いものでも使えるものはたくさんあります。 傷や埃、カビとか曇りはさすがにNGですが、普通に使えるものなら古くて安いものでもアイデア次第で色々な写真が撮れます。 オールドレンズと呼ばれるフィルム時代の古いレンズになると、安ければ正常動作品が5000円で買えます。   安くてそれなりに写りも良くて状態も良いレンズが手に入るのも中古ならではのメリットです。     デメリット 中古なのでいわゆる「個体差」があり、当たり外れが大きいです。 状態がいいと言っても、その状態の良さは1個1個違います。 新品であれば誰も使ってないので安定した品質ですが、中古はどれほど使われたのか、保管方法とかも不明です。   価格も高ければ状態がいいとは限りません。   オークションやフリマの場合は中古の値段の付け方は自由です。 需要があるから高いのか、状態がいいから高いのか、状態が悪くてもプレミア価格で高いのか、その判断が重要です。 ただ単に高いだけのパターンもあります。   また、新品と違って保証が効かないので買ってすぐに壊れたらそれで終わりです。 普通に使って壊れたとしてもそれで終わり、というのが中古品です。 運が悪かった、としか言いようがないですがそういったデメリットも含めて買うべきものでもあります。     新品と中古、どちらがいいか? 新品途中このどちらがいいか、というのは本当にその人の使い方次第ではありますが基本的には新品をおすすめします。 中古品かつ現物が見れる状態(又はそれに近い情報がある)かつある程度の知識があるのであれば、中古でも問題ありません。   中古品だけど現物見なくてもいいくらいの情報を載せているパターンは稀です。 今使っているメインカメラは中古で買いましたが、上記の稀なパターンだったので本当にラッキーでした。 ただ基本的には相当運が良くないと出会えないと思ったほうがいいです。   中古を買うパターンとしては、中古品しか出回っていない場合です。 特にマイクロフォーサーズマウントのレンズの場合、特注品があって中古品じゃないと手に入らない事があります。 しかも大体が期間限定の注文受付なので、今から新品を手に入れるというのは不可能です。   頑張っても未使用品です。 保証をつける新品を手に入れるのは諦めるしか無いのです。 販売店独自の保証があるとしてもせいぜい一ヶ月、保証内容もかなり狭いのであまり期待はできないです。     まとめ 最後にまとめです。 ・予算とか問題がなければ新品がいい ・新品なら保証が付けられる ・中古なら安いが個体差がある ・新品で手に入らない事もある   新品がいいのは当たり前の話ですが、保証が付けられるという点が中古にはない部分です。 保証をつけると値段も上がりますが、実際に目の前でカメラが壊れたりレンズが壊れたりするのを見てきています。   だからこそ、保証が付けられるのであれば付けたほうが後々安心です。

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第1章

1-2.レンズの基礎知識

続いてはレンズの基本について説明します。 1-1.でレンズはカメラ本体のセンサーサイズとマウントが合わないと使えない、と書きましたがそれ以外にもレンズは様々な種類があります。   それぞれ詳しくレンズの見方も含めて説明します。     レンズの種類 レンズは2つのタイプがあります。 ・ズームレンズ ・単焦点レンズ   種類は大きく分けると3つです。 ・広角レンズ ・標準レンズ ・望遠レンズ   付け加えるとすれば広角と望遠の前に「超」をつけて超広角と超望遠もあります。 基本的にはより広角なレンズだから超広角、より望遠だから超望遠という意味で基本は同じです。   それぞれの違いを見ていきましょう。   広角レンズ まず広角レンズです。   広角レンズは一般的には焦点距離35mm以下のレンズで、広い範囲を撮影できます。 35mmより数字が小さくなればなるほど撮影できる範囲が広くなります。 人間の目が50mm相当だと言われており、35mmはそれより広い範囲が撮影可能になります。   例えば風景全体を大きく撮りたい場合は広角レンズを使います。 学校の集合写真や大人数での撮影の場合にも、広角レンズを使って全員が入るようにします。   ただし広角にしすぎると端に歪みが発生しやすくなり、端に人がいるとその人が歪んでしまうので気をつけましょう。 後ほど補正することも出来ますが、限界があるのである程度余裕を持っておくことが大事です。 この歪みを利用して、被写体の足を長く見せる事も可能です。   また、特徴として近くの被写体は大きく見せて遠くは小さく見せる事が出来ます。 撮影の仕方次第ではすごい遠近感のある写真を撮ることも可能です。   全体が入る風景を中心に撮影する場合は非常に便利なレンズです。     標準レンズ 次に標準レンズです。 標準レンズは一般的には50mmと言われています。 ちょうど人間の眼と同じ画角の広さということになります。   50mmは普段見ているのと同じ画角の広さなので、非常に撮影しやすいです。 今見えている範囲がまさに50mmです。 この50mmを基準としてより広いのか狭いのかによって、広角や望遠に分類されます。   標準レンズは撮影場面を選ぶことがなく幅広く対応できるのが特徴です。 人物撮影でも風景撮影でも使い勝手がいいので、一番最初の1本目のレンズとしては、慣れるためにもオススメです。     望遠レンズ 望遠レンズは遠くのものを撮影したい時に使うレンズです。 一般的には135mm以上が望遠レンズと言われています。 その名の通り、望遠鏡みたいにレンズ自体が長いのと遠くのものを大きく写す事ができます。   例えば近づくと逃げてしまう野生動物を撮影する場合や、湖の中心にいる動物の撮影とかには必須です。 物理的に近寄れない所でも拡大して綺麗に撮影できるのが望遠レンズです。 人物撮影で使うことはほぼ無いですが、距離が取れれば使ってみると意外と面白かったりします。   風景撮影に使うには望遠レンズは不向きです。 遠くの山だけをピンポイントで撮影したいとかであれば使えますが、かなり限定的です。   そしてレンズは望遠になればなるほどサイズが大きくなって重くなっていきます。 三脚に固定することも考える必要がありますが、レンズが長すぎてバランスが崩れる可能性もあります。 そのため、レンズ部分に三脚を固定できるようにするアクセサリーもあります。     ズームレンズと単焦点レンズ ~写真~ 次はズームレンズと単焦点レンズについてです。 大きな違いとしてはズーム出来るか出来ないかです。   それぞれの特徴と他の違いを見ていきましょう。   ズームレンズ その名の通り、ズームができるレンズです。 どこまでズーム可能かは各レンズによって異なり、レンズ本体に記載されています。 このレンズだと40-150mmなので40mm~150mmまでズームが可能です。 範囲としてはあまり広くない代わりにズームしてもそこまで大きくなりません。 ~写真~   F値も固定されているタイプと幅があるタイプがあり、幅があるタイプはズームすればするほど自動的にF値も上がります。 幅のあるタイプは写真のようにF値が2つ書かれています。 ~写真~ ズームすればするほど自動的に上がっていき、最大ズームでは最低F値が5.6になります。   カメラ本体とレンズがセットになって販売されているものは大体がズームレンズがセットになっています。 一番多いのは40~150mmのタイプです。 標準から望遠までカバーしているレンズなので、様々な場面で活躍出来る1本です。   そのため、ズームレンズはとりあえず1本持っておくと良いと言われている程です。   使うかどうかは別として、1本持っておくといざという時に安心ということで持っている人も多いです。 普段単焦点しか使わない人でも、とりあえず1本はあるって人が多いです。   特に初心者の方やスポーツの撮影や動物の撮影をする時には重宝します。 被写体の動きに合わせて、自分がその場を動かずにズームしたりズームアウトで対応できるのが強みです。     単焦点レンズ 先程の広角レンズと望遠レンズが単焦点レンズで、単焦点レンズはズームできません。 その名の通り、焦点距離が「単一」なのでズームレンズのように変えることが出来ません。 なのでズームしたい時には自分が近寄ります。   その場に立ち止まってではなく、自ら近寄って距離を詰めていく必要があります。 ズームレンズと比べるとデメリットしか無いように感じられますが、単焦点レンズはF値がものすごく低いものがあるのが特徴です。   ズームレンズは一番低いF値でも2.8です。 しかもF2.8のズームレンズは基本的に高価格帯に入ってくるので10万円は予算して組んでおく必要があります。 それより安い価格でもっとF値の低いレンズが欲しい、となったら単焦点しかありません。   ズームできない代わりにF値が低いのが単焦点レンズです。 かなり珍しいですがF1以下も存在するほどF値が低いです。   安いものであればF1.4でも5万円以内で購入できるレンズがあります。 F1.7で新品で4万円程度で購入したレンズもあるので、安くてF値の低い明るいレンズを探すなら単焦点レンズです。   また、ズームレンズと比べて単焦点の方が綺麗に撮影できるのも特徴です。 ズームできない事で何かと不便なところもありますが、綺麗な写真を撮りたいから単焦点、という人もいます。 ただし近寄りたい時には自分が動くしかないので、物理的に近寄れない環境の場合は向いていません。     フィルター径 全てのレンズの共通点として、フィルター径(レンズ口径)があります。 これはレンズキャップを付ける時とかレンズに保護フィルターを付ける時にとても重要な情報です。 ものすごく簡単に言えばサイズです。   サイズを間違えたら取り付けできないので、事前にしっかりと確認する必要があります。 先程の焦点距離もmm表記ですが、フィルター径もmm表記です。 ですが焦点距離のmmとフィルター径のmmは全く別であり、基本的に一致しません。   実際にこちらのレンズをご覧ください。 Leica 42.4mm F1.2のレンズです。 数字が色々と並んでますが、今回重要なのは右側にある67の部分です。   1:1.2=F1.2 42.5mm=焦点距離 42.5mm Φ67=フィルター径67mm です。   調べてみるとわかりますが、42.5mmのフィルター径はそもそも存在していません。 このレンズのフィルター径はΦと一緒に記載されている67mmです。   注意しなければならないのが焦点距離42.5mm=フィルター径67mmというわけではなく、このレンズのフィルター径は67mmということです。 焦点距離は関係なくレンズごとにフィルター径は異なります。   レンズによってはフィルター径がわかっても、対応する保護フィルターがない場合もあります。 実際、写真の超広角レンズはフィルターがない上に珍しいレンズなので取り扱い注意です。   大体ありますが極端に大きすぎるものや小さすぎるもの、特殊なタイプだとフィルターが無いこともあります。 フィルター径は記載されていると思いますが、肝心のフィルターはありません。 特に超広角レンズとか超望遠レンズが対応するものがないパターンが多いです。   保護フィルターはあくまで「レンズの傷の保護」なので必須ではありません。 液晶フィルム同様、付ける人もいれば付けない人もいるのでどちらでも問題ありません。     まとめ 最後にまとめです。 ・レンズはズームレンズと単焦点レンズがある ・広角レンズ・標準レンズ・望遠レンズに分かれており、それぞれにズームレンズと単焦点レンズがある ・ズームレンズはズームできるが単焦点レンズは出来ない ・単焦点レンズはF値が低いものがある ・フィルター径と焦点距離は同じmm表記だが、全くの別物である   特に最後のフィルター径はかなり重要です。 たまにフィルター径と焦点距離を間違える人もいますし、運悪くどっちの数字も存在している場合もあります。 フィルター径が存在してなければ気付きますが、存在していた場合は気付かないケースが多いです。   実際に買ってみてつけようとしたらサイズが合わず判明する、というのが多いです。 フィルターも安ければ2000円程度でありますが、高いものだと1万円近くすることもあります。 購入時は間違えないよう、注意しましょう。

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第1章

1-1.カメラを買う上で重要な1つだけのポイント

初めに本講座にお申込みいただきありがとうございます。 第一章ではカメラの基礎、基本的な設定について学びます。   最初はカメラを買う上で重要なポイント、たった1つだけですがお伝えします。 よく一眼レフがいい、とかミラーレス一眼でもいい、とかありますがそれ以上に大事です。   一眼レフかミラーレス一眼かについてはどっちでもいいです。 仕事で取引先が指定している、とかであれば別ですが基本的に気にすることではありません。       センサーサイズを選択する 一眼レフかミラーレス一眼か、迷う人も多いですがこれに関してはどちらでもいいです。 一眼レフだろうとミラーレス一眼だろうと関係なく、最も大事なポイントはセンサーサイズです。   センサーサイズは大きければ大きいほど画質が良くなります。 その反面、物理的にセンサーサイズが大きいのでカメラ本体も大きくなりますし価格も高額になります。   大きく分けて以下の3種類あります。 ・フルサイズ(一番大きい。プロならほぼフルサイズ) ・APS-C ・フォーサーズ(一眼レフ・ミラーレス一眼では一番小さい)   センサーサイズはカメラ本体、レンズ側どちらにも関わってくるものであり違うものは取り付け出来ません。 なのでフルサイズのカメラを買った場合は、フルサイズのレンズしか使えません。 APS-CならAPS-C、マイクロフォーサーズならマイクロフォーサーズと決まっています。   最初に選んだカメラ本体がどのセンサーサイズなのか、それによって今後のカメラ人生が決まってきます。     センサーサイズの違いによるメリット・デメリット センサーサイズが違うとどういったメリット・デメリットがあるのかを知っておきましょう。 それぞれの特性を知った上で、自分がどういった撮影をしたいのか、それに適したカメラがどれかを選ぶことが大事です。   カメラ本体を選ぶと、使えるレンズが自然と決まってきます。   だからこそ最初の選択はとても重要です。     フルサイズ フルサイズは昔からあるセンサーサイズで、かなり昔からカメラをやっている人はフルサイズです。 フルサイズは3種類の中では一番センサーサイズが大きく、綺麗に撮影することが出来ます。 レンズも豊富で参考書も基本的にフルサイズを基準として書かれています。   プロの現場であれば、特に指定がなければほぼフルサイズ機です。   というのも迷ったらフルサイズ機選べばいい、と言われるくらい定番です。 将来的にプロを目指している方であれば、最初にフルサイズ機を選ぶのがオススメです。   たまに勘違いしている人もいますが、ミラーレス一眼でもフルサイズ機はたくさんあります。 一眼レフかミラーレス一眼か、よりもフルサイズかそうじゃないかを気にしたほうが良いです。   フルサイズのメリット 何よりこの3つの中では一番綺麗に撮影できるのと、大きいサイズに印刷も可能という点が大きいです。 仕事となってくるとその写真を何に使うのか?によってフルサイズじゃないと厳しい場面もよくあります。   単純に大きなポスターを作るとなると、それだけ大きなセンサーサイズが要求されます。 そうなるとフルサイズで撮った写真じゃないと使えないパターンが出てきます。 大は小を兼ねる、という言葉もあるように大きければそれだけ様々な場面で活躍してくれます。   他のセンサーサイズのカメラでは撮れないような写真も撮れるという点では、お金で買えない価値があると言う人もいます。 あとはよくある被写体は綺麗に写っていて背景はぼけている写真、あのぼけ具合もフルサイズが一番良いです。 センサーサイズが大きければ大きいほどぼけるので、フルサイズはそういった点でも強いです。   フルサイズのデメリット センサーサイズが大きくなるので本体自体も大きくなります。 他の2つと比べると本体が大きくてレンズも大きい傾向にあるので、旅行に持っていく人は少ないです。 重すぎて持っていくのが面倒になるのがよくあるパターンです。   本体とレンズ合わせて2kgとか3kgとかになるようなものを、荷物の多い旅行に追加で持っていくか?ということです。 他の荷物と一緒にするわけにもいかないので、カメラ用バッグを用意する必要も出てきます。   そして値段も高額です。 新品で買おうと思ったら本体だけでも30万円は超えてきますし、レンズ単体でも10万~20万円は見ておいたほうがいいです。   そしてフルサイズ機を持っている人がよく言う言葉が「重い」です。 カメラ本体もレンズ本体もどっちも重い、誰に聞いても同じ答えです。 どれくらい重いのかは実際に見るしか無いので、お店で並んでいるカメラを見て実際に持ってみて判断するのが一番です。   その反面、嫌でも筋力と体力が身につくと言われています。     APS-C APS-Cはフルサイズの次に出たセンサーサイズで、フルサイズより小さくなります。 最近ではフルサイズではなくAPS-Cを選ぶ人もかなり増えてきており、よくフルサイズとの違いが比較されています。 比較されていますが、その写真を何に使うのかによってフルサイズが必要かが決まってくるのでケースバイケースです。   特徴としてはフルサイズより写せる範囲(画角)が狭くなります。 その反面、被写体を大きく写すことが出来ます。   イメージとしてはズームしているような感じです。 被写体にズームするので被写体が画面に大きく写りますが、背景とかはその分写らなくなります。 遠くの被写体を大きく写したい時には有利です。   写る範囲がフルサイズの1.5倍になるので   APS-Cのメリット フルサイズと比べてセンサーサイズが小さくなるのと、APS-Cを持っている人は非常に多いです。 今までフルサイズで重すぎたのでもう少し軽いのがいい、ということで選ぶ人もいます。 センサーサイズが小さくなる分、本体も小さくなって重さも軽減されているのが多いです。   価格もフルサイズと比べて安価になっており、色々なレンズや機材を買う上ではお財布に優しいのも特徴です。 いきなりフルサイズ、というわけではなくまずはAPS-Cから、という人も多いです。 必要だったら乗り換えるくらいの気持ちで問題ありません。   また、旅行に持っていくとしても丁度いいサイズなので選ばれやすいです。 デジカメでは物足りない、かといって一眼レフは重すぎる、その中間が欲しいという人に向いています。     APS-Cのデメリット フルサイズと比べるとぼけ具合とか明るさといった面では劣ります。 センサーサイズが大きいほどぼけ具合や明るさは有利になるので、比較されるとその点では勝てません。   レンズの種類も昔からあるフルサイズと比べると少ないです。 少ないと言っても数え切れないくらいの数があるので問題ないですが、フルサイズではあったがAPS-Cでは無いということもあります。   全体的にフルサイズと比べてデメリットと言えるデメリットがあまりなく、使っている人も多いのが現状です。 今はミラーレス一眼、APS-Cが一般的になりつつあります。     フォーサーズ(マイクロフォーサーズ) 殆どの人が聞き慣れない上に見ることもあまりないセンサーサイズです。 3つの中では最も新しく、一般的にはマイクロフォーサーズの名称で知られています。 他のセンサーサイズと比べて一番小さく、メーカーもパナソニックかオリンパスの2択になります。   写せる範囲(画角)はフルサイズの2倍です。 フルサイズの50mm=マイクロフォーサーズでは25mmです。   メーカーの選択肢が他と比べて狭く、機種自体もかなり少ないので販売コーナー自体も小さいのが現状です。 個人的に持っているのはこのマイクロフォーサーズのカメラです。 基本的にネットで使うweb媒体用の写真か、B5サイズ程度の写真集程度に使う写真しか撮らないのでこれで十分です。     マイクロフォーサーズのメリット これは実際に使っているので一番良くわかっていますが、とにかく軽いです。 センサーサイズが他の2つと比べて更に小さいので、カメラ本体も軽量かつ小型化されてきます。 レンズもそれなりに小さく軽いのに性能面では申し分ないです。   そして何より価格帯が安価で色々なレンズを楽しめるのが最大のメリットです。 画角が2倍なので150mmのレンズを用意すれば、フルサイズの300mm相当になります。 300mmのレンズを用意すれば600mmの超望遠になります。   更にパナソニックからはLeica(ライカ)とコラボしたレンズが出ています。 Liecaは老舗メーカーで独自の描画力の高さから今現在も大人気です。 マイクロフォーサーズでもLeicaのレンズが使える、というのは非常に強みです。   品質・素材・耐久性を考えるとLiecaレンズを選ぶ人は多いです。 ただカメラ本体を決めるとレンズも自然と決まってくるので、使えないことも多いです。 その理由については別途説明します。     マイクロフォーサーズのデメリット センサーサイズが小さいことでぼけ具合、明るさも他の2つと比べると劣ります。 こればかりは小型化した以上は避けられない状態です。   マイクロフォーサーズが出てからまだ日数が浅い関係もあり、利用者がすごく少ないです。 利用者が少ないので情報が少ない、持っている人に遭遇することもなく情報交換もできないのです。 また、センサーサイズを比較する際に度々除外されています。   まだまだフルサイズ VS APS-Cの記事が多いです。 マイクロフォーサーズはそういった意味では土俵から外されている感じがあります。   また、レンズもまだまだ少なくメーカーも2社しかないので純正品で考えると選択肢がないです。 今後は増えると言われていますが、ほぼ同時にフルサイズ・APS-Cも増えるので比較されると少ないままです。   いわゆる茨の道と言われています。     センサーサイズ次第で使えるレンズが決まる 各項目で軽く触れていましたが、各センサーサイズによって使えるレンズが異なります。 それ以外にもカメラのマウントと呼ばれる取り付け部分が違っている場合も取り付けが出来ません。 それぞれに合わせた設計をされているので、他のセンサーサイズのカメラでは使えない(性能を発揮出来ない)です。   これは大は小を兼ねる、の問題ではなくフルサイズの場合はフルサイズに対応したレンズしか使えません。 フルサイズのレンズをマイクロフォーサーズのカメラ本体に取り付ける事も出来ませんし、逆も同じです。   レンズを取り付けるための条件は2つあります。 1.センサーサイズが一致している 2.カメラのマウントが合っている   1.は上記の通りで2.はカメラとレンズの接続する部分です。 コンセントも2ピンと3ピンがありますが、一般家庭で3ピンが使えるコンセントは殆どありません。 そもそも入れることが出来ないのと同じように、マウントが違うと取り付けが出来ませんし、無理につけようとすれば壊れます。   例えばマイクロフォーサーズのカメラはセンサーサイズもマウントもマイクロフォーサーズです。 なのでそのままマイクロフォーサーズのレンズを選べば間違いないのですが、フルサイズの場合は少し異なります。 センサーサイズはフルサイズだったとしても、マウントはフルサイズではありません。   センサーサイズ:フルサイズ マウント:ソニーEマウント   センサーサイズ:フルサイズ マウント:ニコンZ   同じフルサイズですが、マウントが違うのでどちらか又は両方とも取り付けが出来ません。 もし手持ちのカメラがライカMマウントという別のマウントだった場合、そのままでは取り付け出来ません。   マウント変換のためのマウントアダプターを持っている場合は、使用できます。 ただしオートフォーカスが使えなくなったりレンズの特性を活かせない事があるので注意が必要です。 なので基本的にはカメラと同じセンサーサイズとマウントのレンズを使います。     35mm換算について フルサイズはそのまま記載されていますが、APS-Cとマイクロフォーサーズに関しては一緒に表記されているものがあります。 50mmのレンズの場合は50mmの他に、35mm換算○○mm、と書かれています。 フルサイズ(35mm)を基準として考えた時に35mmにしたら何mmか、を記載しているものです。   色々なカメラを持つ人と話をする上でよく出ている言葉ですので、覚えておきましょう。 例えばフルサイズを使っているAさんとマイクロフォーサーズを使っているBさんが話をする時に、予めお互いの使っているカメラのセンサーサイズを把握しておくことが大事です。   そうしないとお互い自分と同じと考えて話をして撮影を進めると、画角が2倍違うので写る範囲が全く違ってきます。 Aさんが私のレンズは50mmです、といってもフルサイズの50mmは50mmですがマイクロフォーサーズでは100mmになります。 同じ50mmのレンズを使ったとすれば、2倍違うわけです。   最初にしっかりと話しておかないと後々話が噛み合わなくなってきます。 ただマイクロフォーサーズはかなり珍しいので基本的にはフルサイズかAPS-Cが多いです。   色々な参考書にも35mm換算は記載されているので、他のカメラマンと交流することがないにしても覚えておきましょう。     まとめ 最後にまとめです。   ・いちばん重要なのはセンサーサイズ ・センサーサイズはフルサイズ、APS-C、マイクロフォーサーズの3種類がある ・それぞれの画角はフルサイズと比べてAPS-Cは1.5倍、マイクロフォーサーズは2倍になる ・カメラのセンサーサイズとマウントが一致しないと使えない   カメラを選ぶ際に、この点を抑えておくだけで間違った買い物をしないで済みます。 レンズ1本数万円~と高額です。 写真が撮れない機会を逃すだけではなく、金銭的にも無駄になってしまうのでしっかり見て決めましょう。    

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