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12月
今回はちょっと変わったテクニックのご紹介です。
人物撮影とかであれば全身を明るくするものですが、今回は胴体部分だけを暗くします。
かっこいい感じの写真を撮影する時のテクニックの1つとして使える技です。
使用頻度としては多くないかもしれませんが、色を付ければこのようになります。
色を変えればまた違った雰囲気になりますし、アイデア次第で面白い撮影もできます。
今回使っているストロボは3灯です。
撮影方法
今回の撮影方法は3灯使っていますが、そのうち2灯は足元用として使っています。
上から見た図です。
胴体は真っ暗位にしたいので胴体にはストロボの光が当たらないようにしています。
1灯は顔を照らすために使っていますが、光が結構広がるのでかなり上に向けています。
天井にバウンズして全体に少しだけ明るさが加わっています。完全に真っ暗にしてしまうとわかりにくいのでちょっと光がある程度がちょうどいいです。
ですがこれだと足元が暗いままになっています。今回は胴体部分だけ暗くしたいので足元にもストロボを用意します。
その結果が最初の画像のようになります。
あとは全身が入るようにカメラの位置を調整すれば完了です。
各ストロボは写真に写らない程度の結構ギリギリな距離にあります。角度も下向きにしています。
全体を暗くするために屋内の定常光についてはオフにしています。
ストロボを直接当てない理由
ストロボを直接当てずにそれぞれ上向きにしたり下向きにしています。その理由は光の拡散とパワーです。
胴体部分だけを暗くする、となるとストロボの照射範囲をかなり限定する必要があります。直当てでもかなり難しい範囲です。
というのも、直当て+間近で当てれば範囲を狭くすることができますが近すぎると写真にストロボが入り込みます。
写真にストロボが入っているとものすごく気になりますし、このような撮影ではストロボは写さないのが基本です。
なのでギリギリまで接近して光が拡散している下部分だけを使っています。
天井に向けてストロボを当てればほとんどの光は天井に向かいますが、少しだけ下部分の光が漏れてきます。
この光を顔に当たる程度に調整して撮影することで、顔だけを明るくすることができます。
これをもっと下に向けると胴体部分も明るくなってきます。どこまで写したいかを決めて角度を調整しましょう。
天井を黒にすれば天井バウンズを抑えることもできます。
足元も同様です。足元の場合は少し厄介でかなり弱めの光が必要になります。しかし弱すぎると全く意味がありません。
なので今回は2灯用意してかなり弱めの光を左右から当てることにしました。
片方だけなら弱すぎる光でも、双方から当てればいい感じの光になります。
こちらも直接だと上側に光が拡散するので下に向けています。バウンズしますが元々が弱いのであまり広がりません。
正面から1灯だけ、というのも試してみましたがどうしても写り込んでしまうので左右から2灯にしました。
現実的な事を考えると足元も1灯で片付けたいところですが、写り込みはNGです。
縦長ソフトボックスは必須
今回使っているソフトボックスは通常の四角いタイプではなく縦長タイプのストリップライトを使っています。
四角いソフトボックスですと全体に光を当てるので普段の撮影ではいいんですが、今回はちょっと使いにくいです。
一部分だけかつスポットライトになりすぎないことを考えると、縦長タイプのちょっと小さめのものがベストでした。
スヌートも使ってみましたが、スヌートよりもソフトボックスのほうが柔らかくていい感じになりました。
ちなみに顔部分だけスヌートを使ってみるとこうなります。
ピンポイントという意味ではスヌートのほうがいいですが、イメージと少しだけ違いました。
ソフトボックスが足りないけどスヌートならある、という状況なら使えるので撮影したいイメージによって使い分けましょう。
ちなみにソフトボックスを使わない状態にするとものすごく全体が明るくなります。
天井バウンズさせている関係で光が反射して全体を明るくしていますが、パワーを落とすと今度は暗すぎて顔が見えません。
この微妙なパワーの調整がストロボ単体では難しく、ソフトボックスで調整する役割もあります。
ただ光が柔らかくなるから、ではなくパワーの調整にも一役買っているのでとても重要なのです。
最後に
胴体部分だけ暗くする、というのは普段使うことがないですが応用すれば使える技でもあります。
例えば足元だけ暗くする、とか一部分だけピンポイントで暗くする事ができるようになります。
小道具があればうまく活用して影を作り出すこともできますが、ストロボとソフトボックスだけでも可能です。
難点としては縦型ソフトボックスの数が必要になるので、相当使う場面は限定されそうな点です。
1つなら持っている人も多いと思いますが今回は3つも使っているので、何かしら手持ちの物で代用する必要がありそうです。
ですが撮影は常に手元にあるもので何とかするものですので、アイデアを振り絞って考えることも大切です。