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第3章

3-4.ストロボ1灯を使った撮影の基本

今回よりストロボを使った撮影になります。 まずはストロボ1灯だけを使った基本的な撮影を学びます。ストロボ1灯でも撮影は問題なく行えます。 数があるに越したことはないですが、最初は1灯から学びましょう。     ストロボ1灯撮影の基本的な考え方 ストロボ1灯で撮影をする時に気をつけないといけないのが、光は1方向からしかない、ということです。 1方向かつ1灯だけのかなり限られた光しかありません。 ストロボのパワーにもよりますが、人間一人に綺麗に光を当てようと思ったら1灯ではかなり難しいです。   真正面から当てれば明るさは問題ないかもしれませんが、のっぺりとした感じのある光の仕上がりになります。   真正面からだとこのように光を無理やりバシッと当てました感があり、いい写真とは言い難いです。 一番簡単な配置といえばそうですが、ちゃんとした写真を撮影していきたいのであれば正面からはほぼ使わないでしょう。   ストロボ1灯の時は斜めにストロボを配置するのが多いです。 左斜めか右斜めか、これは被写体のポージングとか物理的に配置できるのかの問題もありますが左に配置することが多いです。 左側に1灯だけ置くとこのように左側は明るく、右側は光がないので暗くなります。 実際の人を相手にストロボをバンバン当てるのは気が引けるところですが、マネキンヘッドやフィギュアであれば問題なしです。 マネキンヘッドはネットでも買えますしダイソーでも買えます(100円ではないです)。   ライティングソフトで事前にイメージ図を作り、実際の撮影に活かします。 最初のうちは撮影時間のこともあってライティングを現地で考えている余裕もなければ、調整するのにも時間がかかります。 色々と考えすぎて撮影する時間がなくなってしまう事が一番の問題になるので、事前に決めておきましょう。 今度は右側に1灯だけ置いてみました。   考え方としては光がない方は影が濃くなる、です。 影が濃くなるのでキリッとした、威圧的な印象があります。男性を撮影する場合であればいいかもしれませんが、女性の場合は好まれない事が多いです。   なのでソフトボックス等を使って、ある程度光を柔らかくしつつ拡散させることで影も薄まります。 2灯使った場合と比べるとまだまだですが、1灯でも撮れないことはないです。 なので2灯以上ないと撮れない、ではなく1灯でも撮影はできる、と考えることが大事です。       パワーを上げても意味はない ストロボ1灯のみで撮影する時に、反対側の明るさを確保しようと頑張って出力を上げていく人もいますが意味はないです。 暗い場所でパワーを上げて撮影するのは明るさを確保するという意味ではとても重要です。 どれだけ頑張っても光が当たっていないところは暗くなります。 むしろパワーを上げれば上げるほど、光のあたっている部分は明るくなって白飛びします。   なので意味がない、というよりも逆効果です。 白飛びしすぎた写真よりも影が濃く残っている写真のほうがまだ使えます。 むやみにパワーを上げるのではなく、その角度からは頑張っても無理であるということを覚えておきましょう。   屋外の場合であれば、光が足りない場合は光がある場所に移動したり他の明かりになるもので代用するしかありません。 ストロボ1灯のみ、他の明かりもないのであればある程度妥協する必要があります。     レフ板を活用する ストロボ1灯ライティングの悩みどころの1つが、光があまりにも少ないという点です。 1灯しかないので光らせることが出来るのは1方向だけですし、どれだけパワーを上げても反対側が明るくなるわけではありません。 反対側を明るくしたいなら、反対側にも光が必要です。   そこで使うのがレフ板です。 太陽光を反射するためにレフ板を使う人も多いですが、ストロボでも考え方は同じです。 ストロボの反対側にレフ板を置いて、光を反射させてストロボほどではないですが影を飛ばすことが出来ます。   左側にストロボを配置して、レフ板を右側に置いて反射させてみます。 左:レフ板なし 右:レフ板あり   レフ板なしと比較してみましょう。   1灯だけ使った場合と比べて反対側にも多少の光が入ってくるようになり影が消えました。 ストロボが1灯しかない状況だったとしてもレフ板等を使えば反対側にも光を補うことが出来るのです。 更にストロボと違って電池も電力も使わないので電池切れの心配もありません。   その反面、デメリットとしてはとにかく大きいです。 小さくても60cm、ちょっと大きめで80cm、もっと大きめで120cmと結構な大きさです。 もっと小さいのも売っていますが、小さければそれだけ光を当てる的が小さくなるので難易度も反射範囲も小さくなっていきます。 一番いいのは60cmくらいですが、ストロボと比べたら圧倒的なサイズです。   屋外であれば問題なく広げられますが、スタジオ撮影の場合は使えるとは限らないので注意しましょう。 どうしてもレフ板がない、使えない、という場合は白い何かで代用する方法もあります。 反射すればいいので、白くて大きいもの(冬だったら上着とか)で頑張って反射させる人もいます。 ただしレフ板と同レベルか、と言われたらそこまでは再現できないのでないよりマシ、程度で考えておきましょう。     クリップオンはほぼ使わない クリップオンはカメラの上にストロボを付けて撮影する方法で、1灯しかない時に使っている人も多いです。 手軽にストロボを使える方法ではありますが、カメラの上にあるので重さが増すのと使い方がかなり限定されます。 安物のそれなりに大きなストロボを乗せると、たとえカメラとレンズが軽くても結構な重さになります。   重さが増えればそれだけ安定性も悪くなりますし、疲れやすくなります。 撮影に慣れていない時にカメラの重さで体力を奪われてしまうのはもったいないですし、ストロボを使う機会も減ってしまいます。 更にクリップオンの場合に出来る方法がカメラの上からのフラッシュか、天井に向けて光らせてバウンズさせる方法だけになります。 バウンズさせる方法については別途ご紹介します。   また、クリップオンの意外な使い方としてシャッター音が小さいカメラの時に「シャッターを押したことを伝えるフラッシュ」として使う人もいます。 被写体の人にシャッター音が聞こえない=いつシャッターを押しているのかわからないので、ストロボを光らせて伝えるそうです。 シャッターを押した時にストロボが光るのをうまく使った技です。 ストロボの光は全く使わず、ただ単にお知らせとしてだけ使っているので例外的な使い方ではありますが相手に伝えるという意味ではとてもいい方法です。     まとめ 最後にまとめです。 ・ストロボ1灯の場合は光は1方向しかない ・ストロボがない側は光がないので暗くなる ・パワーを上げても反対側は明るくならない。レフ板とかを使って反射させる ・クリップオン(カメラの上にストロボ)は基本的に使わない

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第3章

3-2.ストロボを使うときのカメラの設定と考え方

ストロボを使う場合、自然光が入ってこない屋内で使うことが多いです。 基本的に屋内と屋外は設定が全く違いますが、ストロボを使うようになると更に設定が変わります。 ストロボを使うときの基本知識でもありますので、しっかりと覚えましょう。     ストロボを使うときのカメラの設定の考え方 ストロボを使うときのカメラの設定は、ストロボが光らなければ真っ暗になるよう設定します。 基本的に光は全部ストロボで補う、という考えで余計な光が入ってこないようにします。 なのでストロボが光らない=真っ暗で何も見えない又はほぼ何も見えないくらいの暗さになります。 最初は不安に感じるかもしれませんが、真っ暗で大丈夫です。   カメラの基本知識については第一章で学んだ通りです。 暗くするためにはF値は高く、シャッタースピードは早く、ISOは低くする、これが基本です。 かといってF値最大値、とかにするとストロボフル発光でも厳しい事があるので、調整しましょう。   シャッタースピードについてはカメラによりますが、大体がストロボを使う場合は1/250あたりが最大になることが多いです。 ハイスピードシンクロ対応となっていれば、より早いシャッタースピードも設定可能になります。 安すぎるストロボだとない可能性もありますが、大体のストロボはハイスピードシンクロ対応です。   ただ通常使用の場合は1/250もあれば十分なので、毎回ハイスピードシンクロをする必要はありません。 どうしても必要な時だけ使う感じです。   F値は絞れば暗くなっていきますが、同時にボケなくなってしまうのでその点も注意が必要です。 ある程度ぼかしつつ、というのであればストロボのパワーを落とすか部屋自体をもっと暗くする事が必要です。     ストロボが当たらない場所=暗いままになる カメラの設定の次に大事なのは、ストロボが当たる場所と当たらない場所の違いです。 ストロボが光れば、フラッシュを焚いてるのと同じなのでその部分については明るくなります。 逆を言えば、ストロボが当たってない場所があればそこは真っ暗なままになります。   この考え方が非常に重要で、ストロボ1灯で撮影した前回の撮影では右側部分が暗くなっていました。 ストロボ2灯使って右側部分も明るくなって、左側にも多少光が当たってたので全体がいい明るさになりました。 左側から当てた場合、当然ながら右側には光が当たらないので影となり暗くなります。 右側から当てた場合、左側が今度は暗くなります。   カメラの設定で完全に真っ暗な状態を作り出した場合、ストロボが当たっていない場所はそのままの明るさです。 つまり、真っ暗です。 その暗さを活かした撮影も出来ますが、それを活かすかどうかは撮影者次第です。   当たり前といえば当たり前のことですが、ストロボ撮影は苦手な人が多く意外と撮影中に忘れていたりします。 何故暗くなってしまうのか?一部だけ明るくなるのは何故なのか?冷静に考えればわかりますが、結構焦る人も多いです。 全体をバランスよく綺麗に明るくしたいならストロボを増やすのが一番手っ取り早いです。     シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響する F値とISO感度は全体の明るさに影響しますが、シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響します。 ストロボの光が当たっていない部分は暗いままになりますが、シャッタースピードを変えれば明るくなります。 被写体の明るさはストロボで調整しますが、背景までストロボの光が届かない場合はストロボの影響を受けません。 そのストロボの光が届いていない背景の明るさは、シャッタースピードで調整します。   逆に屋内で壁際とかで撮影する場合、ストロボの光が壁まで届いている事がありますがこの場合はストロボに影響されます。 ポイントはストロボの光が届いていない部分です。 この部分がシャッタースピードを遅くすれば明るくなります。   実際に見てみましょう。 ストロボの光を左から当ててみました。右側はなしです。   シャッタースピードは1/200なのでストロボの光が届いていない右側は暗いです。 このシャッタースピードを1/10にしてみます。他の設定はそのままです。 ストロボの位置やパワーは同じですが、シャッタースピードを変えたことで明るさが変わりました。 ですが左側部分に関しては明るさは変わっていません。 もしシャッタースピードがストロボの光に影響するのであれば、もっと明るくなっているはずです。 左側は白飛び、右側はちょっと暗いかも、程度になるはずですが程よい感じになっています。   ストロボの光が届かない場合やストロボが足りない場合、シャッタースピードで調整して補う事も可能です。 ただしシャッタースピードを遅くすれば手ブレの問題が出てくるので、三脚の用意は必須です。 使うかどうかは別として、無かったら間違いなく困るからとりあえず持っていくのが基本です。   ストロボが苦手な人が難しいと思っているポイントの1つが、このシャッタースピードだったりします。 屋外での撮影でストロボを使う場合はかなり重要です。 ポートレート撮影の場合は背景も重要な要素になってくるので、これを理解できているかどうかでクオリティが一気に変わります。     まとめ 最後にまとめです。 ・ストロボを使う時はカメラの設定は暗めにする ・ストロボの光が当たらない部分は暗くなる ・シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響する ・撮影範囲全体にストロボの光が行き届いている場合、シャッタースピードはあまり関係ない   シャッタースピード関連の部分は非常にややこしいので、最初のうちは撮影範囲全体にストロボの光が入るようにするのがオススメです。 まずはストロボでの撮影に慣れて、そこからシャッタースピードを理解する、この順番で進めると覚えやすいです。   次回はストロボに使うアクセサリーについてご紹介します。 何故これを使うのか?使った場合と使っていない場合の違いについて、学んでいきましょう。

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第2章

2-4.ISO感度とは?【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

カメラの基本設定の1つである、ISO感度についてです。 写真を撮るために最低限必要とされている設定は3つあるのは2-1でご紹介したとおりです。   今回はその1つであるISO感度について学びます。 最後に練習問題を用意していますので、実際に撮影してみましょう。   撮影したファイルを送信いただければ講師によるフィードバックも受けられます。 詳細は最後にまとめて記載していますのでそちらをご覧ください。     ISO感度とは? ISO感度は3つの設定の中では最も単純かつ設定値を頻繁に変えることがない設定です。 読み方はアルファベットそのままで「あいえすおーかんど」又はローマ字読みで「いそかんど」です。 人によって呼び方が違いますが、意味は同じです。   ISO感度は明るさにだけ影響します。これが他の設定との大きな違いであり特徴です。 ISO感度だけを変えても背景のぼけ具合は変わりませんし、被写体がぶれるのを抑えることも出来ません。   F値やシャッタースピードのように何かと明るさ、というわけではなく単純に明るさだけです。 この点については他の設定と比べて非常にわかりやすいです。 そのため、頻繁に設定を変えることがなく一度設定してしまえばその撮影場所ではほぼ固定化出来ます。   ただしISO感度は上げすぎるとノイズが発生します。 ISO100の写真とISO12800の写真を見比べてみましょう。低すぎると見えないので見える程度の明るさにはしています。 ISO100の写真   ISO25600の写真 どの程度まで上げるとノイズが発生するか、はカメラの性能次第です。 ISO800でノイズを感じることもあればISO1600でもほぼノイズがないのもあります。 更に明るさにしか影響しないこともあって、ISO感度は低めがいい(最低値+1~2段階上)と言われています。   撮影時には基本的にISO感度は低めからスタートして、ISO感度が決まったら撮影中に変えることは殆どありません。 特に屋内であれば天候に左右されることもないので、ISO感度の設定を忘れてしまうほど触らなくなります。     ISO感度を低めから始める理由 ISO感度を低めから始める理由としては、ノイズが最大の理由です。 高ければノイズが発生するのと、明るさにしか影響しないので優先順位が最後になる設定です。 F値とシャッタースピードを触れば明るさも変わるので、殆どの撮影はこの2つで何とかなってしまうのです。   逆にISO感度をある程度高めで設定していると、今度は明るさが問題になってきます。 ノイズが発生しない程度の高さであっても、結構な明るさになってきます。 特に朝~昼頃に屋外で晴れの日に撮影する場合、ISO感度を最低値にしても十分な明るさを確保できるくらい明るいです。   ISO感度を上げる理由がなく、むしろ下げないと写真が真っ白になったり白飛びする可能性があります。 天候が曇りだったり夜になってくれば暗くなるので、ISO感度を上げざるを得ないですがそうなるとノイズの問題が出てきます。 どの程度でどれくらいノイズが出るのか、許容範囲かを知るには最低値から徐々に上げていって撮影して見るしかありません。   最も最適な数字を知るためには、低い数字からちょっとずつ上げていくのが一番です。 これはISO感度に限らず、色々なところで役立つ基本でもあります。     ISO感度を変える時 ISO感度を変える時というのは基本的にF値とシャッタースピードで調整できない(したくない)時です。 F値とシャッタースピードはこれでいい、けど明るさが足りないという時に使います。   例えば昼~夜にかけて撮影し続けているとF値を低くして開放にしても、気付いたら結構暗いってことがあります。 場所によっては本当に数分で真っ暗になることもあり、F値は限界でシャッタースピードも限界ということも多々あります。 そういった状況ではISO感度を変えて、明るさを確保します。   機材を活用して明るさを確保することも出来ますが、常に周りに電力が確保できる環境とは限りません。 真夜中で機材で明るさを確保する、というのは本当に大掛かりな機材が必要です。 そうなったらISO感度を上げてある程度明るさを確保して、最悪の場合は後から加工で明るさを上げていく方法も使います。   それでもISO感度を変える頻度は結構少ないです。 かといって触らないでいると存在そのものを忘れてしまって、F値とシャッタースピードだけで何とかしようとしてしまう状況もありえます。 触らないと覚えないし忘れます。 なので通常は変える必要はないがあえて変えてみる、ということもたまにやってます。   3つしかないのに忘れるか、と思われるかもしれませんが結構忘れます。 忘れないためにもわざと触る、設定を変えるということもします。   集合写真を撮るときにもISO感度を上げる必要性が出てきます。     ISO感度を上げるメリット ISO感度を上げるとノイズが発生するのでなるべく高くしたくないところですが、上げることでのメリットもあります。 単純に明るくなる、というだけではなく明るくなるということは他の設定で明るさを気にしなくていいことになります。 シャッタースピードを早くしたり、F値を上げる(絞る)事が可能になります。   シャッタースピードをもっと早くしないと被写体の動きが早くて止まらない、という時にシャッタースピードを早くすると単純に今度は明るさの問題が出てきます。 かといってこれ以上開放にしたくない、値は変えたくない場合に明るさを稼ぐとなるとライトとかの機材を使うか、ISO感度を上げるかです。 上げすぎるとノイズが出てしまうので程々に、ではありますが屋外とかでは非常に重要です。   例えば風景写真とかで全体を綺麗に撮影したいが三脚がない場合、シャッタースピードをある程度遅くする必要があります。 常に三脚が使えるわけではなく、スペース的な問題で物理的に三脚が使えない場合もあります。 手ブレしないギリギリのシャッタースピードを把握していれば、設定が1つ1つ決まっていくので自然とISO感度も決まります。   集合写真も同様で、全員の顔をぼかさずに綺麗に撮るとなるとF値を上げるしかないので明るさが不足します。 かといってシャッタースピードを遅くしすぎると誰かしら動いてしまい、ブレる人が出てきます。 子供の集合写真か大人の集合写真かで変わってきますが、ある程度の早さのシャッタースピードは必要になってきます。 その状況で明るさを確保する、となるとISO感度を上げるのが一番簡単です。     迷ったらオートで撮る ISO感度の設定は最初のうちは適切な数字が全くわからず、真っ白な写真になってしまうこともあります。 どうしても設定がわからない、という場合はISOオートを選びましょう。 ISOオートで撮影すると、カメラが自動的に明るさを調整してくれるので考える設定が1つ減ります。   ちなみにISOオートは大体のカメラで上限を決めることが出来ます。 例えば3200を上限した場合は、自動的に設定される最高値が3200になるのでノイズの発生しすぎを防ぐことが出来ます。 これを決めなかった場合、ISO12800とか25600といった普通設定することがない値に達することもあります。 通常ここまで上がることはないですが、他の設定値次第ではありえます。   また、明るさが全然違う環境に頻繁に行き来するような撮影環境ではISOオートのほうが良かったりします。 そんな環境があるのか、と思われるかもしれませんが自室からキッチンへ移動してみるとよくわかります。 たったこれだけの移動でさえ明るさが変わってくるのと、環境によってはISO感度を2~3段階も変えないといけないことがあります。   F値はほぼ固定としても、シャッタースピードはだいたい触ります。 更にISO感度も頻繁に触るとなると結構な負担ですので、ISOオートでシャッタースピードに集中するということが出来ます。 あとは単純に設定を2つ同時に変えていると、余裕がなくなって撮影自体が少し適当になってくる点もあります。 最初はまず撮影自体に慣れることが大事なので、設定するべき項目を1つでも減らせるのは大きいです。   オートで撮るのは良くない、と言う話もありますがオートでしか撮れないのが問題であり必要に応じてオートを選ぶ事も大事です。     まとめ まとめです。 ・ISO感度は明るさにしか影響しない ・ISO感度を上げすぎるとノイズが発生するので上げ過ぎ注意 ・ISO感度は低い数字から始めていくのが良い ・迷ったらISOオートを使う。ただしオートでしか撮れない、というのはNG   ノイズもどの程度まで許すか、はその人の匙加減ですので一概にこの数字までならOKというのは出せません。 個人的にはISO3200あたりから結構ノイズが目立つので、基本的には800~1600で抑えています。     練習課題 今回はISO感度に特化した説明をしました。 通常は3つの基本設定すべてを組み合わせて撮影するのですが、まずは1つ1つ覚えることが大事です。   今回学んだことを実際に理解できているのか、確認用として以下の課題をご用意しました。 課題の取り組み、提出は任意ですが提出することで講師からのフィードバックを受けられます。     課題1.ISO感度を最低値に設定して撮影してみよう ISO感度を最低値にして、撮影してみましょう。 当然ながらそのままでは真っ暗になってしまうので、F値とシャッタースピードをうまく活用して明るさを確保しましょう。   課題2:ISO感度を一番高い数字にして撮影してみよう 今度は逆にISO感度を一番高い数字にしてみます。 屋内であれば夜に部屋の電気をすべて消して撮影するのが良いでしょう。 この2つの課題を実践することで、極端な数字ではありますがノイズが出るということの意味がよくわかります。   課題3:自分の中での「軸」となるISO感度を見つけよう ISO感度の適切な数字は人によって違いますし、こればかりは実際に撮影して経験してみるしかありません。 自分の中での「最初のISO感度」を決められるように、色々な数字に変えて撮影してみましょう。 ノイズがどの程度までなら許せるか、それさえわかれば撮影環境が変わってもすぐに撮影を始めることが出来るようになります。 見つけたらそのISO感度で撮影してみましょう。   課題の提出について 課題の提出方法はメッセージ機能を使って担当フォトグラファーにファイルを添付して送信して下さい。 ファイル名とファイル形式はそれぞれ以下に変更して下さい。ファイル名が異なりますとどの講座のものか確認出来ず再提出となる場合がございます。 課題1のファイル名:2-4-1 課題2のファイル名:2-4-2 課題3のファイル名:2-4-3 ファイル形式:jpg

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第2章

2-5.3つの設定の組み合わせの考え方【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

ここまでの内容でF値・シャッタースピード・ISO感度について学びました。 写真を撮る上では避けては通れない設定であり、この3つの設定を理解していないと求めている写真は撮影できません。     3つの設定のおさらい 再度3つの設定についておさらいしましょう。 F値 ピントが合っていない所(前後)をぼかし、明るさを変えます。 F値が低い(開放)でよりぼかして明るく、F値が高い(絞り)とぼかさず暗くなります。 背景をぼかすためには被写体と壁(ぼかしたいところ)の距離も重要です。   シャッタースピード 動きのあるものの動きを止めたり、明るさに影響のある設定です。 シャッタースピードの表記は1/100のように何分の1秒か、で表記されます。 シャッタースピードが遅い(1/2→0.5秒)とぶれやすく明るくなり、速ければ(1/100→0.01秒)ぶれない代わりに暗くなります。 これは被写体の動きだけではなく、カメラを持つ人の動きでもぶれてきます。   ISO感度 ISO感度は明るさに影響のある設定です。高くすればノイズが出るので注意が必要です。 ISO感度が低ければ暗く、高ければ明るくなります。この   基本の3つの設定は以上です。どんな撮影であってもこの3つの設定を理解しておく必要があります。     撮りたい写真を最初にイメージする 設定を決める前に最初に撮りたい写真のイメージを決めます。 この3つの設定は撮りたい写真を撮るために必要な設定に変えるので、撮りたい写真が決まっていなければ設定をどうすればいいのかも決まりません。 被写体の動きが素早く捉えるのが難しいならシャッタースピードは速くしないとぶれぶれの何が写っているのかわからない写真になりますし、深夜に星空を撮影したいのなら明るさを確保しなければなりません。   何も決まっていなくてもシャッターさえ押せれば写真は撮れますが、それが真っ白だったり真っ黒だったりと何も見えない写真になることもあります。 とりあえず見えるようにするのであれば、3つの設定を触ればとりあえず見える写真にはなります。綺麗かどうか、撮影した人や依頼主が納得するかどうかは別として、見える写真にはなります。 撮りたい写真がどんなものかイメージが決まっていないので、これでいいのか?という疑問が常に出てきます。   そうならないよう、最初に撮りたいイメージを確定させます。 例えば今回はF値の説明のところにあった写真を撮りたいとして、イメージを用意します。 背景を大きくぼかして全体を明るめにしたい、をテーマとします。     撮りたいイメージから設定の順番を決める この場合、まず決めるべき設定はF値です。 F値を最初に選ぶ理由としては、今回のイメージ写真を見てポイントとなる部分を抜き出します。今回の場合は3つあります。   ・背景がよくぼけている ・被写体に動きはない ・明るめの写真   この3つのポイントを1つ1つ見ていきます。 ポイント1:背景がよくぼけている 考え方1:F値は低い+背景をぼかすための設定はF値しかない   背景がよくぼけている、ということはF値に関してはかなり低め(開放)で撮っている事がわかります。 あくまでイメージなので完全に同じぼけ具合である必要はありませんが、この時に設定するなら手持ちのレンズを一番開放にするということです。 実際に撮影してみないとOKかNGかはわかりませんので、とりあえずかなり開放するということでF値は低めに決まります。   次に決めるのがシャッタースピードです。 ISO感度は明るさにだけ影響するので最後で大丈夫です。明るさが足りなければ上げればいいだけですのでシャッタースピードを見ていきます。   ポイント2:被写体に動きはない 考え方2:手ブレしない程度のシャッタースピードならいい   今回は被写体に動きがありません。止まってください、といえば普通に止まってくれるでしょう。 ということは被写体が動くことによるぶれの心配は不要となるので、自分自身のカメラの手ブレと明るさにさえ注意すればいい、となります。 先程決めたF値がかなり低めになるので、既にそれなりに明るい状態です。そうなるとシャッタースピードは速くしないと明るすぎて真っ白になりかねません。 シャッタースピードを速くすれば写真は暗くなり、手ブレの心配も無くなります。   具体的な数字はその環境によって変わりますが、F値を考えると普通に構えて撮影して手ブレすることはないくらいの速さにはなりそうです。 ここまで決まればISO感度ですが、今回は明るさを確保できているのでISO感度は低めでも問題なさそうです。   ポイント3:明るめの写真 考え方3:ISO感度は低めにする(既に他の設定でかなり明るい)   今回のイメージ写真に近いのを撮影するとしたら、シャッタースピードとISO感度に関してはほぼ明るさ調整用として設定します。 調整するときもシャッタースピードから先に設定していきます。シャッタースピードで限界だと思ったらISO感度を調整しましょう。   ちなみに今回のイメージ写真の各種設定は以下になります。 F値:1.2 シャッタースピード:1/125 ISO:100   フルサイズでズームレンズ使用、63mmの設定にしています。 実際に撮影する時にはイメージと手持ちの機材、環境に合わせて設定を変えていきましょう。 望遠レンズを使えばF値が多少高くてもそれなりにぼけるので、F値を重視せずに望遠レンズを使うという方法もあります。     イメージ通りにならなくても撮る 仮にイメージ通りの写真が出来なかったとしても、その写真は消さずに残しておくことが大切です。 イメージ通りでなかったとしても、その写真はその時の自分自身の記録でもあり大事なデータでもあります。 写真データにはF値・シャッタースピード・ISO感度の設定値が記録されており、後で見返すことが出来ます。   イメージ通りになるかどうかはシャッターを押して写真として確認するまでわかりません。 迷ってシャッターを押せないというのが何も残らず結果がないとなってしまうので、とにかくシャッターを押すことです。 そのデータを後で見返して、あの時どの設定をどうすれば理想のイメージに近付ける事ができたかを考えましょう。 撮影中は余裕がなくて落ち着いて設定を変えることが出来ないかもしれませんが、後から見返せば驚くほど冷静にどうすればいいのかが見えてきます。   どうすればいいか、がわかるようになればある程度は撮影に入る前に事前に設定ができます。 背景をぼかすならF値低めで用意しておけばいいですし、明るさもわかっているのなら最初から設定を終えた状態で撮影に入ることも出来ます。 設定の修正が必要なければその分の時間が使えますし、何よりいいスタートダッシュが切れるので自分自身のやる気やモチベーションアップにも繋がります。 心に余裕ができれば撮影中に設定を変えるとしても落ち着いて対応できますし、イメージ通りの写真が撮れる確率も上がります。   ただそれが出来るようになるにはとにかく写真を撮って、データを見て、設定を見てどうすればよかったかを考えて実行していく事が大切です。 その時だけで終わらせるのではなく次の撮影に活かして、その撮影データをまた見てどうするかを考える、これの繰り返しで上達します。     撮影した写真を見返して考える 先程のイメージを使って撮影をしたとします。その結果がもしこのような写真になった場合、どうしてそうなったのかを考えるようにします。   イメージとしては背景を大きくぼかした明るめの写真でした。ですが今回出来上がったのは暗めで背景も全くぼけていません。 もし依頼主から渡されたイメージがあの写真だとするならば、これを納品してもNGを出されてしまいます(そもそもこれを納品してはいけない)。 イメージ写真を比較して、何が問題だったか、どうすればイメージに近付ける事ができるかを考えます。 そのためには基本の3つの設定をしっかり理解しておかないと、どれだけ考えても答えは出ません。   まず問題点を洗い出します。今回の場合は主に2つです。   ・全体的に写真が暗い ・背景がぼけていない   問題点としては2つですが、解決するためにするべきことは1つだけです。 背景をぼかすために設定を変えるとなれば、F値以外に答えがありません。 F値を低くすれば明るさも連動して確保できるようになるので、F値を変えるだけで2つの問題が一気に解決します。   どの程度まで明るくなるのかは実際に変えて撮影しないとわかりませんが、明るさだけが足りないのであれば他の設定でも補えます。 シャッタースピードでもいいですし、ISO感度でもいいです。状況に合わせてどちらかを変えて明るさを確保しましょう。 そうすれば先程の写真もこのように変わります。 今回はF8、ISO400→F2.2、ISO100にしたものです。   イメージはあくまでイメージなので、必ず同じ被写体・同じ背景にしなければならないということではありません(要望があれば別)。 今回のは背景を大きくぼかして全体を明るめにしたい、が要望です。 背景が違ってもぼけていて明るさを確保できているのなら、今回の要望には応えられています。 あとは実際に依頼主に写真を見てもらって確認します。もうちょっと被写体を左に、とかもうちょっとだけ暗くていい、とか色々と出てくるので対応しましょう。     まとめ 最後にまとめです。 ・撮りたい写真のイメージから3つの設定の優先順位を決める ・それぞれの役割を理解していないとイメージ通りの写真は撮れない ・イメージ通りじゃなくてもとにかくシャッターを押して写真を残す   撮影する側としてはこれでいいのか?という写真でも依頼主がものすごく気に入る事もあります。 気にいるかどうかは見てもらうまでわかりませんし、そのためにはとにかくデータがないと見せるものもなく何も始まりません。 とにかくデータを残して後で見る、を忘れないようにしましょう。     練習課題 今回は基本となる3つの設定の再確認とどう考えたらいいのか、について学びました。 実際に自分でこういう写真を撮る、とテーマを決めて撮るのが一番です。テーマが決まらない場合は練習課題に挑戦してみてください。   課題の取り組み、提出は任意ですが提出することで講師からのフィードバックを受けられます。   課題1.背景を大きくぼかしつつ、少し暗めの写真を撮影してみよう 背景はしっかりとぼけているのに全体的にちょっと暗い写真を撮影してみましょう。   課題2.背景をぼかしつつ、動く被写体に動きをつけながら全体は少し暗めで撮影してみよう 少し難易度の高い撮影になります。明るさがポイントです。 課題1と同じくらい背景がぼかせられるようになったら素晴らしいですが、難しければ課題1ほどぼけていなくても大丈夫です。   課題3.星がはっきりと見えるような星空を撮影してみよう 星空撮影は3つの設定をちゃんと抑えていれば出来ます。三脚があると安定して撮影できるので持っている方は使っていきましょう。   課題の提出について 課題の提出方法はメッセージ機能を使って担当フォトグラファーにファイルを添付して送信して下さい。 ファイル名とファイル形式はそれぞれ以下に変更して下さい。ファイル名が異なりますとどの講座のものか確認出来ず再提出となる場合がございます。 課題1のファイル名:2-5-1 課題2のファイル名:2-5-2 課題3のファイル名:2-5-3 ファイル形式:jpg

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第2章

2-7.構図について【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

今回は写真の構図について学びます。 構図は人によって好みも分かれますし、無意識でやっている人も多いです。 種類としてはかなりの数がありますが、今回は代表的な構図を学びます。     構図とは? 構図は一言で言えば写真の撮り方です。 メインとして写したい被写体を写真のどこに置くかを決めて撮影します。   写真を普段撮らない人でも人や動物を撮る時には真ん中にくるように撮影すると思いますが、それも構図の1つです。 真ん中に配置するのは一番よく使われる構図です。   一緒に映り込むものによっては、人物撮影の場合は人物を端にしたほうがいい場合もあります。 わざと端によってしまった、のではなくあえて端にするというのが構図の難しい所です。 今はこういった状況だから人物を端に置く、と自分の中で納得して撮るのであればいいですが、とりあえず、で端に寄せれば写真撮るのが下手な人と思われてしまいます。 それもあってか、大体は中央に置く(外れにくい)のが多いです。   構図の難しい所でもありますが、メインとなる被写体と一緒に映り込む物や背景の配置をしっかりと考える必要があります。 場所が同じであったとしても、構図次第で全く違う場所で撮影したように見せることも出来ます。 周りに写っているもの次第で雰囲気も一気に変わります。     構図を決める前の基本 構図はとても大事ではありますが、その前に注意するべき基本的なことを抑えておきましょう。 最初のうちは構図なんて考える余裕もないですが、構図を気にしていない場合でも気をつけたいのが水平線です。   横一直線の水平線、これが非常に大事です。 どの構図を使うか考える上でも水平線がめちゃくちゃになってしまった写真だと見るのがすごくしんどくなります。 特に初めて撮影するときはその写真を見ても特に何も感じないと思います。 ただ1~2ヶ月くらいして最初の頃の写真を見続けてるとしんどくなることがあります。   写真が意図せず斜めに傾いていて、船酔いみたいな感覚になることがあります。 狙って傾けて撮ったものであれば気にならない事もありますが、慣れていない時に撮影した傾いている写真だと話は別です。 特にRAW現像もしていないjpeg撮って出しの写真だとなおさらです。   これを回避するためには水平線を意識しましょう、が答えですが自分ではまっすぐのつもりでも撮影後に見たら斜めになっていた、というのはよくあります。 斜めになっていないつもりでも実際はちょっと傾いているものです。 最近のカメラには水平線を表示させる機能がついているので、表示させて活用しましょう。   表示させても撮影時に写り込むとかはないので、ちょっと斜めになっているかも?と思ったら使ってみましょう。 実際使ってみるとわかりますが、本当に水平に保つためには三脚を使うか結構集中することになります。 その上で構図も考えて、となると撮影できる写真枚数も限られてくるので慣れるまでは次で紹介する日の丸構図で水平線を意識するのがおすすめです。   代表的な構図 構図の種類は本当に数が多すぎるため、全部を把握して使い分けるのではなく最初は代表的な構図だけを覚えましょう。 いきなり難しい構図に挑戦して、なかなか決まらずシャッターを押せないとなっては意味がありません。   日の丸構図 一番多くて使いやすい構図であり、1枚目の写真と同じ構図です。 写真のように被写体を中央に置いた構図で、迷ったら日の丸構図にするのがオススメです。 使いやすさと見やすさを兼ね揃えています。   二分割構図 これも日の丸構図に続いて使いやすい構図です。   縦にせよ横にせよ、画面を二分割して考える構図です。 左右対称の被写体を綺麗に真ん中に置くことができれば、とても良い写真になります。 写真は風景ですが、結構綺麗に青空が広がっていたので採用しました。青空と森林で分割するイメージです。   左右非対称の場合だと少しやりにくい点はありますが、これも無意識にやっている人も多いかと思います。 被写体を中央に配置しつつ左右対称になるようにする、というのはとりえあず、で思いつくものです。 なので特別意識することもなく、撮影に慣れてくれば自然と使える構図でもあります。   三分割構図 これも比較的使いやすい構図で、日の丸や二分割以外にちょっと違う構図をしたい、となったら最初にやってみましょう。 日の丸、二分割の応用みたいなものです。 考え方としては、画面を縦横3分割にして9個のブロックを作ります。 このブロックの点や線に合わせて被写体を置いて撮影することで、いい感じに左側や右側に被写体を配置した写真が撮れます。 更にこの構図はカメラによってはグリッド表示で出せるので、撮影時に合わせやすかったりします。 頭の中でイメージするのではなく、グリッドを表示して実際に目で見て撮影できるので失敗しにくいです。 撮ってみないとわからない、ではなく撮る前から左か右か、とかを決められるのと撮り方次第で色々な見せ方も出来る構図です。   ただいきなり始めるのではなく、最初は日の丸構図と二分割構図を覚えてからのほうがいいでしょう。 とりあえず、ではなく何故今回はこの構図がいいのか、この位置なのか、も考えて撮るようにすることも大事です。   サンドイッチ構図 これは何かの間に被写体を入れて撮影する構図で、町中とか森にある木とかを使っているのが多いです。   例えばビルとビルの間に人を入れて広く撮影したり、木と木の間に人を入れてみたりするパターンが多いです。 商品撮影よりも人物撮影でよく見ますし、写真の場合ですと手前側ですが真ん中にいる鳩がサンドイッチされています。 商品撮影でサンドイッチ構図をすると、物によってはものすごい圧迫感とか商品より両端が目立つ可能性もあります。   距離があれば遠近感や立体感を出す事もできます。 横並びにしてしまうと、ただ一緒に並んで写っているだけの写真になってしまうので少し難しい構図でもあります。 特に被写体が棒立ちで両隣が木だと木3本みたいな感じになってしまい木に擬態している人に見えてしまいます。 なにもない空間では使えないので使える場所とかシチュエーションも限定的ですが、うまく使えば良い写真になります。   シメントリー構図 これは被写体の左右または上下を対称とするバランスの良い構図で二分割構図にかなり近いです。   イメージとしては鏡に映したかのような綺麗な左右対称・上下対称になるような写真です。 全体的にバランスがとても良く安定感があり、特に意識せずこんな感じで撮影している人も多いと思います。 全体を見てバランスの良さ重視で撮影すると自然と撮影できる構図でもあります。   コツとしては全体的に左右対称・上下対称になることを意識して真正面から撮影することです。 対称にするためには正面から撮影する必要があり、位置がずれると対称ではなくなってしまいます。 綺麗に中心を捉えて正面から堂々と撮影することが大事です。   撮影できる場所と環境が限られてきますが、水面に反射させて撮影するのもシンメトリーです。     放射線構図 遠近感を思いっきり出す構図で奥行きを感じさせることが出来ます。 実際にはそこまで奥行きがなくても、この構図を利用することで奥行きがかなりあるように見せることも出来ます。 そうはいってもある程度の奥行きは必要になるので、壁から離れた距離でないと使えない構図でもあります。 すぐ後ろに壁があると遠近感がなくなり、狭さを感じさせる写真になってしまいます。   この鳩が並んでいる写真ですと、実際の奥行きは先程のサンドイッチ構図で使っていた写真で確認出来ます。 この写真だけを見るともっと奥があるように見えますが、鳩からしたら奥行きがあるかもしれませんが人にとっては大した奥行きがない場所です。   これら以外にも構図はたくさんありますが一気に覚えても扱いきれません。まずは自分の得意な構図を見つけましょう。     構図を意識しすぎない 初心者だけではなくプロでも結構やってしまう人が多いのが、構図を意識しすぎてシャッターを押せない問題です。 構図を意識することは大切ですが、何よりもシャッターを押さないと写真は残りません。 撮った写真がいいかどうかはとりあえずシャッターを押して写真として残さないことには確認が出来ません。   1枚の写真にものすごい時間をかけてなかなかシャッターを押せない人をよく見かけますが、被写体の人がずっとその姿勢を保っている事を忘れないようにしましょう。 その1枚のために延々ときつい体勢を維持し続けるので、時間的にも体力的にも一気に持っていかれます。 構図を意識しすぎてシャッターを押せない、ということがないようある程度見えてきたら1回シャッターを押す、位の気持ちで撮りましょう。 構図がちょっと決まっていなくても写真が無いよりは全然良いです。   迷ったときにはこの構図にする、と決めておくと迷っている時間を多少減らすことも出来ます。 撮影には時間が限られているので、構図に迷ってシャッターを押せずに時間だけが過ぎていってしまった、いうことがないようにしましょう。     構図はあくまで参考として考える こういう構図があります、という話をするとこれに従って収めなければならない、と思ってしまう人も結構います。 写真の世界は正解がない世界友いわれているように、必ずどれかの構図に当てはめないといけないということはありません。 むしろ構図もある程度代表的ないくつかのパターンに当てはめているだけで、実際にはそれは違う構図なのでは?と思える写真はたくさんあります。   既に決まっているパターンに当てはめるのではなく、どのパターンにも当てはまらない写真でも何ら問題はありません。 ただ最初のうちは何かしらの基準や参考になるものがないと始めにくいので、最初は練習ということで構図を決めて撮影練習をするのが良いです。 慣れてくるとここから撮ったほうがいいんじゃないか?とかこの角度はどうか?とか構図を意識せずに良い写真が撮れるようになります。 この角度はとても良いと思うけど構図から外れてしまう、と考えてしまい良い写真が撮れる可能性を逃してしまうのは非常にもったいないです。   構図はあくまで参考、良いと思ったら構図うんぬん考えずにとりあえずシャッターを押すことも大事です。 直感に従って撮影すると結構いい写真が撮れることも多いです。想像以上に良い写真になることもあります。   構図に迷ったらこれ、というのを決めてシャッターを押して写真を残す、これを癖付けましょう。

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第2章

2-3.シャッタースピードとは?【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】【練習課題付】

カメラの基本設定の1つである、シャッタースピードについてです。 写真を撮るために最低限必要とされている設定は3つあるのは2-1でご紹介したとおりです。   今回はその1つであるシャッタースピードについて学びます。 最後に練習問題を用意していますので、実際に撮影してみましょう。   撮影したファイルを送信いただければ講師によるフィードバックも受けられます。 詳細は最後にまとめて記載していますのでそちらをご覧ください。     シャッタースピードとは? 2-1で軽く紹介しましたが、シャッタースピードは動きのある被写体の動きを止める事ができる設定です。 走っている人、自転車、スポーツ等の動きのある撮影ではシャッタースピードが重要です。 この設定を理解できていないと、被写体がぶれた何が写っているのかよくわからない写真ができあがります。   シャッタースピードはSSと表記されることもあり、○秒分の1(1/8000秒)で表されます。 1/1なら1秒ですし、1/2なら0.5秒です。 シャッターを押してから実際に写真として出てくるまでの時間です。   1/1000であれば0.001秒とシャッタースピードが早いです。 カメラによりますが、"3といった表示になっている時はシャッタースピードは遅いです。 上記の場合だと3秒なので、シャッターを押してから3秒後に撮影されることになります。   シャッタースピードの早い遅いはプロでもたまにどっちだったかを忘れることが多いほど、勘違いしやすい設定です。   現在のシャッタースピードが1/100だとします。 シャッタースピードを早くする、と言われたら1/200や1/400のように/の後ろの数字を大きくします。 シャッタースピードを遅くする、と言われたら1/50や1/10のように/の後ろの数字を小さくします。   こうやって文章で見ると当たり前に見えるかもしれませんが、実際に撮影の現場に入ったり人に説明するとなると話は別です。 F値もそうですが、言い間違えも多いところですので注意しましょう。   そしてF値同様、明るさにも影響します。 シャッタースピードが遅ければ明るくなり、早ければ暗くなります。   例:シャッタースピード 1/1000の写真(手持ち・三脚未使用)   1/1000で手持ちで動かない被写体であればぶれることはないです。走ってる新幹線の写真を撮るのに最低限必要と言われる早さです。 人物撮影であればぶれる心配はありません。 明るさはこの写真を基準とします。シャッタースピードを遅くしていくとよりぶれやすく明るくなります。   例2:シャッタースピード 1/10の写真(手持ち・三脚未使用) ※他の設定が同じままだと真っ白になったので多少調整しています。   人によってはギリギリ耐えられるかもしれないくらいのシャッタースピードです。手ブレ補正あり+練習すればぶれないようにも出来ます。 今回はなるべく動かないようにしていましたが、ちょっとぶれています。この程度のぶれならもう1回頑張れば抑えられると思います。   例3:シャッタースピード 1秒の写真(手持ち・三脚未使用)   1秒間完全に停止しなければならないとぶれる、という状況ですので手持ち撮影で頑張れば何とかなりますがかなりの体力を消耗します。 カメラを固定しない限りはぶれます。手ブレ補正がかなり強化されてきていますが、それでもまだまだ厳しいです。 ぶれている写真が欲しい、という依頼ならいいかもしれませんがこの写真を採用できるか、と言われたら普通は無理でしょう。   今回の被写体は動くことがないので、ぶれる原因としては撮影する側であるカメラを持っている人が動いているのが原因です。 シャッタースピードを遅くすればするほどもっとぶれていき、明るくなります。     シャッタースピードの目安 これらの数字はあくまで目安であり、実際の速さに合わせて微調整する必要があります。   走ってる新幹線を止めて撮影するためには、1/1000~1/8000が必要と言われています。 走っている人なら1/160程度で良いと言われています。 走るのが早い人の撮影であればもう少しシャッタースピードを早くするのがいいでしょう。   普通に歩いている人を撮影するのであれば、1/100は欲しいところです。 その人の速さ次第ですが、1/80あたりでブレることが多いです。   手ブレ補正のあるカメラでも、1/4あたりから少しずつブレてきます。 手ブレをさせないことだけに集中すれば1/4でもブレずに撮影できますが、かなりの集中力を使います。 それ以上遅くすると手ブレ補正ありでも辛くなります。   動かないものを撮る時はシャッタースピードは気にする必要はありません。 特に屋内かつ商品撮影とかをする場合はシャッタースピードは明るさ用の設定になります。 三脚を使えば手ブレを気にすることすら無いので更に良いです。   逆に遅くする場合ですが、遅くするパターンとしては明るさが欲しい場合とちょっと変わった撮影をしたい時に使います。 マジックアワーと呼ばれる、日の出の時間にシャッタースピードを数分に設定して撮影する方法です。 それ以外にもありますが、シャッタースピードを数秒~数分にするのは特殊な撮影のみです。     手ブレ補正があれば有利 手ブレ補正は全てのカメラに搭載されているわけではなく、それなりの価格帯のカメラのみにあります。 レンズ側にも搭載されている場合があります。 この手ブレ補正があると、多少シャッタースピードを遅くてもぶれない写真を撮ることが出来ます。   撮影環境が暗すぎて明るさを必要とする場合で、シャッタースピードで調整するしかない場合にとても有利です。 それ以外にも撮影現場があまりにも狭くて機材を使えない場合にも使えます。 明るさが足りない+狭くて機材も置けない撮影現場はよくあります。常に手持ちの機材全てを活用できるとは限りません。   たまにある、ではなく基本的に明るさが足りないものだと思っておいたほうがいいです。 明るさは自分で作り出すもの、と考えて準備することが大事です。   F値、シャッタースピード、ISO感度、それぞれの設定全てに明るさが影響しています。 更に被写体が動くのか動かないのか、どういった撮影をしたいのかを考えて設定値を決める必要があります。 遅くせざるを得ない場面でなくても、手ブレ補正は有利なのであって損はないです。     夜景撮影では三脚必須 夜景撮影をする時、シャッタースピードはかなり遅く設定します。 F値は絞ることになるのでそれだけで暗くなりますし、それ以前に肉眼で見ても既に真っ暗な状態です。 その状態で撮影をするとなると、明るさの確保が必須です。   明るさが足りなければ真っ暗な写真になりますし、機材でどうにか出来る話でもありません。 中には手持ちで撮影したい、という人もいるかもしれませんが手ブレ補正があっても夜景撮影はかなり厳しいです。 夜景撮影の場合、1/4とかではなく秒単位のシャッタースピードが必要です。   1/4より遅いシャッタースピードで手持ちで手ブレさせない、というのは結構難しいです。 呼吸する程度の動きでさえブレるので、息を止めてかつ完全に動かない状態になる必要があります。 息を止めるだけなら簡単ですが、全く動いてはならないというのは非常に難しいので三脚を使うのが一番楽で確実です。   また、三脚によってはシャッターを押すだけでも動いてしまいぶれてしまうので、遠隔操作したりレリーズと呼ばれる遠隔でシャッターを切れる機材を導入等が必要です。 いくつか三脚も試しましたが、安いものだとシャッターを押した瞬間にブレました。どれだけ頑張ってもシャッターを押すパワーに耐えられていませんでした。 夜景撮影を中心にしたい場合は、三脚はお金をかけてしっかりしたものを選ぶことが大事です。     練習課題 今回はシャッタースピードに特化した説明をしました。 通常は3つの基本設定すべてを組み合わせて撮影するのですが、まずは1つ1つ覚えることが大事です。   今回学んだことを実際に理解できているのか、確認用として以下の課題をご用意しました。 課題の取り組み、提出は任意ですが提出することで講師からのフィードバックを受けられます。     課題1.シャッタースピードを5秒で撮影してみよう(三脚なし、手持ち) 手持ちで5秒で撮影して、真っ白にならないようF値も調整してみましょう。 手持ちなのでブレブレの写真になりますが、今回は練習ですので気にせず撮影しましょう。   課題2.シャッタースピードを調整して、ギリギリブレない写真を撮影しよう(手持ち) 今度は手持ちでブレていない写真を撮影してみましょう。 シャッタースピードに正解はないので、自分にとってのベストな設定を探してみましょう。 手ブレ補正の有無は問いませんが、補正があるカメラ又はレンズであれば補正ありと補正なし、両方試してみましょう。   課題3.歩きながら写真を撮ってもぶれないようにしよう(手持ち) シャッタースピードを適切に設定することができれば、歩きながら撮影してもぶれない写真を撮影できます。 動いているのは常に被写体とは限りません。自分自身が動いて撮影しないといけないことだってあります。 被写体が動きの読めない野生動物だと想定して、歩きながらでもぶれない写真を撮れるように練習してみましょう。   課題の提出について 課題の提出方法はメッセージ機能を使って担当フォトグラファーにファイルを添付して送信して下さい。 ファイル名とファイル形式はそれぞれ以下に変更して下さい。ファイル名が異なりますとどの講座のものか確認出来ず再提出となる場合がございます。 課題1のファイル名:2-3-1 課題2のファイル名:2-3-2 課題3のファイル名:2-3-3 ファイル形式:jpg

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ライティング

【ストロボテクニック】ストロボ1灯でシルエットを作る方法【超簡単】

ストロボ1灯だけで簡単にシルエット撮影ができる方法をご紹介します。 ソフトボックスも不要なので、ストロボを買ったばかりの人でもすぐに取り組めます。難しいと思っている人も結構いますが、1灯だけなのでものすごく簡単です。     シルエット撮影の基本 シルエット撮影はこんな写真を意味しています。   人物は暗く顔とか服装は全く見えないシルエット上になっていますが、これはこれでかっこいい1枚でもあります。 登場シーンとかでよく使われるのを見るかと思います。演出の仕方によっては面白い撮影もできますが普通に1枚撮るだけなら非常に簡単に撮影できます。 まず必要な物を用意します。   1.カメラ 2.ストロボ1灯 3.コマンダー   この3つを用意します。 コマンダーがないとシルエット撮影はできないので必ず用意しましょう。シンクロケーブルを使う方法もありますが、安全面を考えるとコマンダーが良いです。 ストロボは1灯あればいいですが、複数あるとより派手なシルエット撮影ができるので複数使うのもありです。     シルエット撮影方法 早速ですが本題です。本当に簡単なので解説もかなり短めになります。 まずストロボ1灯を被写体の後ろに配置します。上から見た図はこんな感じになります。   この状態でストロボを光らせるだけで、被写体をシルエットにすることが出来ます。   考え方としては光があるところは明るくなる=光がないところは暗くなる、というだけです。 今回は被写体に対する光はないので、被写体は暗くなります。被写体の後ろは光があるので明るくなります。 実際、明るくなっているのはストロボの光が向いている壁だけです。     ストロボの隠し方 シルエット撮影は非常に簡単ですが、ちょっとだけコツがあります。 それはストロボの隠し方です。 せっかく綺麗にシルエットが出来ているのにストロボが写り込んでしまっては意味がありません。   ストロボはあるんですが、写り込まなければいいんです。見えないところにあればいいんです。 カメラから見て見えなければいいので、ストロボ1灯だけなら被写体の人に隠してもらいます。   最も簡単なストロボの隠し方 これはしっかりとコミュニケーションを取らないと出来ない方法ですが、ストロボを足元に置く場合は足で隠します。   もし足を少しでも広げてしまうとこのようにストロボが見えてしまい、結構目立ちます。   なので両足を離さずひっつけてもらうことで、足の部分に隠せる空間を作り出せます。 ちょっと固い印象を与えるポーズにはなりますが、一番簡単にストロボを隠せる方法です。しかも中央に置けるので光もかなり安定させやすいです。 先程の写真で足を閉じるだけなので、被写体の人への指示も非常に簡単です。   それか座ってもらうというのもあります。座ってもらえば胴体で隠せるのでストロボが大きくても簡単に隠せます。 それにポージングについても色々な表現ができるので、堅苦しい感じを避けたい場合には有効です。   座って貰う場合は横向きで足を伸ばすような姿勢でもいいので、ポージングの幅がかなり広がります。   カメラに見えない角度に配置する もう1つはカメラに見えない角度に配置する方法です。なにかで隠す、ではなく普段の撮影と同じ感じの配置にします。   画面外にストロボを置く、通常の撮影と同じ配置です。光の方向からストロボの位置が特定できるように、ちょっと違和感のある光になります。 上から見たらこのようになっています。   この場合ですと被写体の人のポージングがどんな状態であってもストロボが入り込むことがありません。 画面外にあるのでストロボを隠すための配置やポーズを考える必要がなく、自由度が高くなりますがストロボ1灯だと違和感のある光になってしまいます。 ただし普通のポージングでは違和感を感じさせますが、そういう演出なんだと思わせるポージングや光の使い方をすれば解決できます。   カラーフィルターを使ってみたり、ポージングを考えることでよりかっこいい写真になります。 カラーフィルターを使っても被写体がシルエットになることは変わりないので、うまく活用して違和感のないようにしていきましょう。     白黒にするだけではシルエットにならない 今回ストロボを使ってシルエットを作り出していますが、普通に撮影して白黒にするだけではシルエットになりません。 ストロボ1灯を普通に被写体の人に向けて撮影し、白黒にするとこうなります。   写真自体は白黒ですが、被写体自体はシルエットになっていません。服装もしっかりとわかります。これだとただのモノクロ写真です。 背景が白のシルエット撮影では白と黒しかないので白黒にすればいいんじゃないか?と思う人もいますが現実はそう甘くはありません。 ただ単に白黒にするのではなく、光と影の関係をしっかりと把握しないとシルエット撮影はできません。   簡単そうに見えて何も考えずに撮影すると、シルエット撮影はできないのです。 ただ光の影の関係さえわかっていれば全く難しいことはなく簡単にかっこいい写真が撮れます。ストロボも1灯でいいのですぐに始められます。 更に三脚もライトスタンドも必要ありません。始めたばかりでまだ機材も揃っていない人でも出来る技です。   カメラとレンズとストロボがあれば出来るのでお勧めの撮影方法です。 被写体の人にストロボを向けているわけではないので、ストロボのパワー調整の練習にもなります。 人以外でも物撮りでも応用できるので、人物撮影の前に練習したい人は身近なものを使ってまずは練習してみましょう。

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第3章

3-9.ストロボに色を付ける【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

ストロボのアクセサリーの1つとしてカラーフィルターがあります。ストロボが発光した時に色を付けます。 光に色を付けるイメージです。これにより赤色だったり青色だったり、普通ではでない色を出せます。     ストロボへの取り付け方 カラーフィルターのストロボへの取り付け方はいくつかありますが、代表的な物はマジックテープで固定するかゴムバンドで固定します。   写真のものはマジックテープで引っ付けるタイプです。ゴムバンドで固定する場合も同じ構造です。 ストロボの光る部分にカラーフィルターと言われる色付きセロハンを付けて光に色を付けています。 簡単に脱着出来るので色あり・色なしの切り替えがすぐ出来ますしストロボ本体に影響はありません。   もう少し硬度なものになるとマグネット式でくっつけるタイプもあります。Profoto A1等の高額なストロボはこのタイプが使われています。 安価なストロボでも別パーツで販売されている事もありますが、パーツが増えて持ち運びが大変なので標準でない場合はマジックテープかゴムバンドがお勧めです。 カラーフィルター自体も安価で1000円程度で購入出来ます。色もたくさん付いてくるセット品です。     カラーフィルターを使う時の注意点 光量(パワー)の再調整 カラーフィルターを使う時の注意点として一番最初にお伝えしておきたいのが光量(パワー)が落ちることです。 ストロボから直接色を出しているのではなく1枚被せて色を出しているので、その分どうしても通過する光のパワーが落ちてしまいます。 ライトの上に色々とものを被せると光量が落ちるのと同じように、カラーフィルターも被せる物ですので仕方ありません。 そのため、カラーフィルターを使う時は通常時よりもパワーを上げていく必要があります。   暗い場所での撮影時にはフルパワーでも弱い事もあるので、ストロボと被写体の距離を近くしたりもっとパワーのあるストロボを使う必要があります。   ホワイトバランスとの色味調整 ホワイトバランスとの色味調整も非常に大事です。ストロボに色が付くとホワイトバランスにも影響が出てきます。 例えばホワイトバランスで赤っぽくしているところに赤色を混ぜるとものすごく赤色になります。赤+赤なので真っ赤になります。 それが狙いであれば問題ありませんが、意図しない色の強みが出ることもあるので調整しましょう。   特にホワイトバランスは忘れられがちで、カラーフィルターを使っている時はストロボだけで頑張って調整しようとすることが多いです。 ストロボで調整するのは良いのですが、ホワイトバランスが関係している以上は限界があります。ホワイトバランスを忘れないようにしましょう。   自然光や周りの光の色との色混じり ストロボのカラーフィルター以外にも色がついている光はたくさんあります。自然光だって常に同じ色とは限りません。 場所だったり時間帯によってはオレンジ色に見えたり青色に見えたり赤っぽく見えたりします。夜なら光すらないかもしれません。 自然光に関してはストロボではまず勝てないので、自然光の光と色が優先されます。うまく調和出来るように調整する必要があります。   自然光以外にもLEDとかの光もあります。屋外ですと自販機とか電灯とか玄関前の光があります。 写さないようにしても光は漏れてくる事があるので完全にシャットアウトすることは困難です。 屋外の場合は光が混じってくる前提で考えておくといいでしょう。   被写体との色の関係 被写体との色の関係も注意しましょう。例えば被写体が赤い服を着ている時に赤のカラーフィルターを使ってもあまり意味はありません。   完全に服の色がわからなくなっていますが、実際はこのような服装と色になっています。   同じ色が被ってしまうと白ではない白飛びみたいな感じになってしまい、これが少しだけなら気にならないのですが服だとかなり目立ちます。 あえてそういうのを狙っていく人もいますがかなり特殊なケースです。基本的には被らないよう気をつけましょう。 デザインがある場合だとそのデザインが完全に消えてしまうこともあります。せっかくのデザインが消えるのはもったいないです。   アクセサリーも同様で色が同じだと同化して見えないことがありますので、事前の確認が大事です。 どうしてもそのアクセサリーを入れたい場合は向きを変えたりポージングを変えて、位置を調整しましょう。     ソフトボックスとも併用可能(注意点あり) ソフトボックスを入れることで光が拡散されて柔らかくなるので、全体に色のついた光を出すことが出来ます。 直接光を当てるよりも全体にマイルドさが出てくるので、色を付けつつ優しさも感じられる光になります。   カラーフィルターはソフトボックスと併用することも出来ます。ただしソフトボックスによっては取り付けが出来なくなったり難しくなることもあります。 単純に大きさの問題でカラーフィルターを付けたマジックテープやゴムバンドが引っかかって取り付けができなくなります。 使っているソフトボックスにもよるのと、取り付ける順番を変えてみたら取り付け出来ることもあります。 カラーフィルターが先か後か、使っているソフトボックスに合わせて使い分けましょう。   そしてソフトボックス+カラーフィルターの組み合わせはものすごく光量が落ちます。 ソフトボックスなしの場合はこの明るさです。   ソフトボックスを入れるとここまで明るさが変わります。   カラーフィルターだけでも光量が落ち、ソフトボックスだけでも光量が落ちます。光量が落ちる要素が2段階になるので更に落ちていきます。 なのでこの2つを組み合わせる時はそれなりにパワーのあるストロボ(GodoxならAD200とか)を使うことをオススメします。 TT600はそれなりにパワーがありますが、この2つを組み合わせるとさすがに力不足を感じます。   対処法としてはカメラ側でそこそこ明るめの設定にすることです。 シャッタースピードはストロボに殆ど影響してこないのでF値かISO感度で明るさを調整していきます。それと同時に色味もまた変わってくるので調整します。 カラーフィルターを使った撮影はひたすら調整と確認の繰り返しです。     カラーフィルターの管理方法(参考) 管理しないとどうなるか? カラーフィルターの管理方法の参考例です。カラーフィルターは複数のストロボに使う場合、ストロボの数だけ用意しなければなりません。 基本的には同じメーカーの同じものを使います。しかも撮影中は結構忙しいのでカラーフィルターをしまう時に混ざることがあります。 ストロボAに使っていたカラーフィルターを、ストロボBに使っていたカラーフィルターと一緒に入れてしまう状態です。 これの問題点は探している色のフィルターが行方不明になりやすいです。   前回はストロボ2灯だったのでカラーフィルターも2つ分持っていったとしましょう。 次の撮影はストロボ2灯だけどカラーフィルターは1つ分でいい場合、ストロボAに使ったカラーフィルターを持っていくとします。 ストロボAで使っていたのが赤だとして、その赤色は現在ストロボBに使っていたカラーフィルターにあります。 現地について気付いたときには遅いです。赤が必要なのに赤いカラーフィルターがない(自宅に置いてるもう1つの方にある)ことになります。   毎回全セット持っていくのなら探せばあるでしょうが、探すのに時間もかかって非効率です。 元にあった場所に戻さない癖はカラーフィルター以外でも多々あります。ケースと中身が違う、よくあるパターンです。   対処法(例) 鳴白代表が実際にカラーフィルターをよく紛失(どこかに混じってる)してしまうので、導入した管理方法です。 使っているのはマジックテープ式です。ゴムバンドでも同じ方法で管理できるかと思います。   まず小さい袋を用意します。マジックテープ式のを入れるものとカラーフィルターセットを入れるための2種類用意します。 それぞれにグループを割り当てます。できればストロボとセットにしておくと良いです。 ストロボAに使うカラーフィルターはグループA、と自分でグループを決めてシールに書いて貼り付けます。   カラーフィルターを入れるための小さい袋を、カラーフィルターを付けるマジックテープを入れるための袋(大きめ)に入れます。 こうすればカラーフィルターを簡単にグループ分け出来ます。   あとは撮影に持っていく時に同じグループのものを使用する、と決めて運用します。グループを意識するので混ざる事がなくなります。 元にあった場所に戻せばいいだけですが、グループ分けすると自然と取り組みやすくなります。 フィルターが行方不明になるかもしれない方の参考になればと思います。ご自身が管理しやすい方法で管理するようにしましょう。   まとめ まとめです。 ・カラーフィルターはストロボの前に付けるもの ・カラーフィルターを付けると光量が落ちる ・色味に注意しないと混ざったりして予期せぬ色が出る ・ソフトボックスを使うと更に光量が落ちる   カラーフィルターを使うときはストロボのパワーを上げざるを得ない事が多いです。そうなってくると必然的にストロボの電池切れが早くなります。 ストロボの予備電池も忘れないようにしましょう。

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第2章

2-2.F値(絞り)とは?【練習課題付】【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

カメラの基本的な設定の1つである、F値(絞り)についてです。 写真を撮るために最低限必要とされている設定は3つあるのは2-1でご紹介したとおりです。   今回はその1つであるF値について学びます。 最後に練習問題を用意していますので、実際に撮影してみましょう。   撮影したファイルを送信いただければ講師によるフィードバックも受けられます。 詳細は最後にまとめて記載していますのでそちらをご覧ください。     F値(絞り)とは? まずF値(絞り)はカメラ側ではなくレンズ側の話になります。 F1.2やF2.0やF5.6のようにアルファベットのFと数字(少数第1位まで)で表されます。   F値は写真の明るさとピントが合っていない前後のぼけ具合に影響します。 よくある背景がぼけていて被写体や物は綺麗に写っている写真、あの写真を撮るためにはとても重要です。 このような写真です。   このF値が小さければ小さいほど、明るくてピントが合っていない部分がよくぼけます。 この写真ですと木にピントを合わせてあるので、後ろの風景がぼけています。 F1.2で撮影したものですので、かなりボケています。F1.2以下のレンズも存在していますが通常の撮影では使われることがなく、種類自体もかなり少ないです。   逆にF値を高くすれば写真が暗くなってしまうので、明るさを確保する必要があります。 暗い場所での撮影の場合は、できるだけF値を低くしたりライト等を用意して対応します。   実際にF値が低い写真と高い写真を見比べてみましょう。わかりやすく人物撮影で想定してみます。 カメラを固定して、F値だけを変えてみます。 F8にすると多少暗くなりますがそれ以外の設定値はあえて変えておりません。   F21.2の場合   F2の場合   比較してみましょう。スライダーを動かすと違いが見れます。 左がF1.2、右がF2の写真です。   明るさは全く違いますし、F2にすると後ろのソファーのデザインもはっきりと見えてきます。 この時の被写体と壁の距離は4.37mでした。壁から結構距離があります。   今回は1人ですが、これがもし複数人いる場合ですと後ろのソファーに座っている人がぼけてしまいます。   今回の場合ですとF2にして明るさを調整すればいいのですが、毎回明るさをちゃんと確保できるとは限りません。 F1.2等のF値の低い状態で2人いてどちらもはっきり写したい、という場合は横に並んでもらいます。   被写体が複数の場合は可能な限り横並びになってもらうと、人物ははっきりさせつつ綺麗に背景をぼかして撮影できます。 人数が多くなっても同じです。3~4人なら何とか収まる事が多いですが5人以上になってくるとF値を変えて2列になってもらう等が必要になってくる事が多いです。     より背景をぼけさせるためには 背景が綺麗にぼけるためには更に条件があります。 それは背景に何もない空間があることです。 公園とかで広々した場所とか、学校の長い廊下みたいなところがベストです。   広告とかでよくある綺麗に背景がぼけている写真を見てみると、背景がだいたいすごい広い空間なことが多いです。 例えば被写体の真後ろに壁があると、壁が全くぼけずに一緒に写ります。 壁からある程度離れたとしてもぼけにくく、壁だと認識できるくらいにはっきりします。   これはピントが合っている部分の前後にどれだけ広い空間があるか、がポイントだからです。 なので公園とかで周りになにもない広い場所でF値低めの開放で撮影すると、ものすごく綺麗に周りがぼけます。   それ以外にも第1章で学んだフルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズの違いによってもボケ具合は変わってきます。 センサーサイズが大きければ大きいほどよくぼけるので、フルサイズが一番ぼける機種と言えます。     望遠レンズを使うのも有効 その他にも望遠レンズを使うと圧縮効果が生まれて背景がよりぼけるようになります。 望遠レンズの場合はF値が多少高くても圧縮効果のおかげでぼけやすくなっています。逆に広角レンズですと相当F値が低くないとぼけてくれません。 それを踏まえて一番ベストなのはF値の低い50mm~85mm程度のレンズです。   標準~望遠寄りでありながらもF値の低いレンズもあり、距離的にも近すぎず遠すぎず使いやすいです。 望遠レンズですと150mmとか300mmとかになってくるので、人物撮影ですと結構な距離から撮影することになり場所を探すのが大変です。 広い場所なら使えますが、使いやすさも考えると背景をぼかしたいからという理由で望遠レンズを選ぶと結構苦労します。   F値がかなり低くて望遠レンズを選択すれば、最大限背景をぼかすことが出来ることになります。その反面、少しでもピントがずれれば人物もぼけるので注意が必要です。     F値を低くして撮影する時の注意点 これまでF値を低くして開放で撮影すると、背景がよくぼけるという話をしましたが注意点があります。 F値が低いというのは撮影した写真が明るくなることを意味します。 明るくなる、ということは白飛びや真っ白な写真になることもありえます。   昔のフィルム時代と違って今は写真を撮ったらすぐに確認できるのですぐに気付きます。 特に昼間とかで晴天時に撮影するとほぼ真っ白な写真とかになることもあります。 F値以外にも撮影時の設定はありますが、それでも限界があります。   とにかく開放で撮りたい、という気持ちはわかりますが場合によっては絞ったほうがいいこともあります。 真っ白な写真よりもちょっとぼけ具合は落ちるけども見れる写真の方が良いです。   また、被写体が複数の場合で2列3列と並んでいる場合は開放で撮ると後ろの被写体がぼけます。 ピントが合っている場所と横並びは大丈夫ですが、列になっているとピントが外れている部分がぼけます。 これが人の顔だとその人の顔が微妙にぼけてしまうのです。   特に集合写真とかを撮る場合はF値に注意しましょう。 多少暗くなってしまいますが、F値以外の設定とか機材を使って明るさをカバーすれば綺麗に撮影できます。 ただし背景のぼけ具合は諦めるしかありません。     F値を高くして撮影する場合の注意点 今度は逆にF値を高く、絞って撮影する場合の注意点です。 F値を高く絞っていくと段々と暗くなっていくので、写真が真っ暗になっていきます。 明るさの調整をしっかりしておかないと真っ暗な写真ができあがります。   そして一般的にF値の低いレンズほど高額になりやすく、F値の高いレンズほど安価です。 安いレンズを買うとF値が高いものが多くなるので、暗めの写真になりやすいのも注意が必要です。 大体は商品タイトルや説明欄にF値が記載されているので、購入前に必ず確認しましょう。   F値を高くして撮影するのは集合写真や風景写真に多いです。 集合写真は先程も触れましたが後ろの人の顔をぼけさせないためです。 列が増えれば増えるほどどんどん後ろの人の顔はぼけていくので、そうならないようにF値を高くします。   風景写真は風景全体を綺麗に写すことが多いので、どこかをぼけさせるのではなく全体をくっきりさせるのがポイントです。 ピントをすごい手前に合わせる、とかをしなければ多少は開放で撮っても綺麗に全体が見えます。   F値がどこまで高く出来るかはレンズによりますが、一般的にはF16~F22あたりまで上げることが出来れば問題ありません。 それ以上高く出来るとしても、殆どが明るさ調整用になります。 F値をぼけるかどうかだけではなく、明るさ調整を中心に考えて設定することも多々あります。 ただF22を使うことがあるか、と言われたらほぼ使わないので既に明るさ調整用になっています。     まとめ F値とはどういったものか、最後に簡単にまとめました。 ・F値は明るさとピントが合っていない所のぼけ具合に関わる ・F値が低いと開放、高いと絞ると呼ぶ ・F値についてはカメラ本体は関係ない。レンズで決まる   F値は撮影する上での必須項目の1つです。 趣味で撮影する場合でもプロとして活躍していく場合でも関係なく関わってきます。   最近はスマートフォンですらF値の設定画存在しているほど、身近な設定になってきています。 手元のスマートフォンでも設定があるかもしれないので、一度確認してみましょう。       練習課題 今回はF値に特化した説明をしました。 通常は3つの基本設定すべてを組み合わせて撮影するのですが、まずは1つ1つ覚えることが大事です。   今回学んだことを実際に理解できているのか、確認用として以下の課題をご用意しました。 課題の取り組み、提出は任意ですが提出することで講師からのフィードバックを受けられます。     課題1.背景をかなりぼかした写真を撮影してみよう 被写体ははっきりと写っていて、背景はぼけている写真を撮影してみましょう。   課題2.背景をぼかさない撮影をしてみよう 課題1とは逆に背景をぼかさないように撮影してみましょう。   課題3.被写体をぼかした写真を撮影してみよう 課題1または課題2と同じ配置で、被写体をぼかしてみましょう。後ろははっきりと見えるようにします。   課題の提出について 課題の提出方法はメッセージ機能を使って担当フォトグラファーにファイルを添付して送信して下さい。 ファイル名とファイル形式はそれぞれ以下に変更して下さい。ファイル名が異なりますとどの講座のものか確認出来ず再提出となる場合がございます。 課題1のファイル名:2-1-1 課題2のファイル名:2-1-2 課題3のファイル名:2-1-3 ファイル形式:jpg

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第3章

3-1.ストロボを使った撮影の基本【フォトグラファー養成講座受講者専用記事】

第三章からはストロボを使った撮影になります。 ストロボはカメラのシャッターを押した時に一瞬だけ光るもので、普通の定常光を使ったときとはまた違った写真が出来ます。 副業としてもカメラマンとして活動するのであれば、ストロボを扱えないと仕事にならないくらいです。     ストロボとは? ストロボの基本から確認していきましょう。 ストロボはシャッターを押した時だけ光る、一眼レフ・ミラーレス一眼の外部フラッシュです。   人気があるのはGodoxという中国メーカーのTT600という製品です。 価格が安い・丈夫・それなりに明るい・持ち運びにも苦労しない・単三電池で動く結構すごいストロボです。   コスプレ撮影をしているカメラマンなら大体がTT600を持っています。 相当特殊な環境で特殊な撮影をしない限りはTT600があれば仕事でも十分使えます。 ただし1灯だけだと撮影の幅が狭く、何かと明るさが足りないと感じる場面が多いので2灯あるのが望ましいです。   ストロボは一瞬だけ強い光を放つので、カメラの設定を間違えると白飛びではなく真っ白な写真を量産することにもなります。 特に明るい環境でストロボを使った撮影をする場合は注意が必要です。 明るいのにストロボを使うのか?と思われるかもしれませんが、後々その理由をご紹介します。     ストロボを使うときの注意点 カメラの設定 カメラの設定がかなり重要です。 ストロボの光は実際に使ってみるとわかりますが、結構強い明るさなのでカメラの設定は暗めで大丈夫です。 ISOは最低値、F値が高いレンズであってもストロボの光でカバーできます。   シャッタースピードはカメラやストロボ次第なところもありますが、大体が160~250あたりが最速値です。 ハイスピードシンクロというもっと早いシャッタースピードに対応しているものであれば、もっと早くても撮影できます。 TT600の場合はハイスピードシンクロ対応ですが、いきなり使うものではないので今はそういう機能があるんだ、程度で大丈夫です。   ちなみに今回のカメラの設定は以下になります。 ISO:100(最低値) F値:8 SS:1/200   ちょっとF値が高いですが、ストロボのパワーを知っていただくためにちょっと暗めにしてみました。   ストロボの設定 今回はTT600を使って実際にストロボ側の設定を行います。 電源を入れるとこういった画面が出てきます。   機種が違えば画面構成も違ってきますので、今回は共通している部分だけご紹介します。 まずはストロボのパワー、明るさです。 1/32となっているのが明るさの強さです。 1/32が一番弱い光で1/1がフル発光、ものすごい強い光が出ますが電池の消費も激しいです。 またフル発光の場合は次に光るまでのタイムラグ(チャージ)が長いので、使う時は要注意です。   次に確認したいのがZoomの項目である20mmの部分です。 これは照射角を意味しており、照らす範囲を変えることが出来ます。 TT600の場合は20mm~200mmまで設定可能で、20mmであれば広い範囲を照らすことが出来ます。 逆に200mmにすると狭くなります。   今回はフル発光するほどではないので、1/32のパワーでZoomは20mmに設定しています。 明るさが足りないと思ったらストロボのパワーを上げるか、F値を下げましょう。 今回はこれで撮影します。   被写体とストロボの距離 最後に大事なのがストロボと被写体の距離です。 どんな光でもそうですが、被写体と近いか遠いかで明るさは変わってきます。 同じパワーだとしても近ければ明るいですし、遠ければ暗いです。   今回は被写体との距離は35cmです。 それぞれの位置関係は以下の図のようになっています。黄色い線がストロボの光のイメージです。   近すぎず遠すぎない距離から始めて、微調整します。 今回はいつもの撮影環境なので、この距離で進めます。     撮影した写真 実際に撮影した写真がこちらです。 カメラはLumix G9、レンズはLeica 45mm F2.8です。   これがストロボ1灯で撮った写真です。 先程の図のようにストロボが左側に1灯しかないので、右側に影が出来るようになります。 続けてストロボ2灯、右側にも入れてみます。     斜め前から2灯使った写真がこちらです。 左右の影が消えていい感じになりました。 実際に人物撮影をする時はその人に合わせて調整しましょう。   今回はストロボでこういう撮影が出来ます、程度の紹介ですが次回以降、ストロボの撮影に関するより詳しい解説です。 斜め前に置いてる理由も合わせて解説しますので、とりあえず今はストロボでこんな写真撮れるんだ、程度に思っていただければと思います。

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