ストロボのアクセサリーの1つとしてカラーフィルターがあります。ストロボが発光した時に色を付けます。
光に色を付けるイメージです。これにより赤色だったり青色だったり、普通ではでない色を出せます。
目次
ストロボへの取り付け方
カラーフィルターのストロボへの取り付け方はいくつかありますが、代表的な物はマジックテープで固定するかゴムバンドで固定します。
写真のものはマジックテープで引っ付けるタイプです。ゴムバンドで固定する場合も同じ構造です。
ストロボの光る部分にカラーフィルターと言われる色付きセロハンを付けて光に色を付けています。
簡単に脱着出来るので色あり・色なしの切り替えがすぐ出来ますしストロボ本体に影響はありません。
もう少し硬度なものになるとマグネット式でくっつけるタイプもあります。Profoto A1等の高額なストロボはこのタイプが使われています。
安価なストロボでも別パーツで販売されている事もありますが、パーツが増えて持ち運びが大変なので標準でない場合はマジックテープかゴムバンドがお勧めです。
カラーフィルター自体も安価で1000円程度で購入出来ます。色もたくさん付いてくるセット品です。
カラーフィルターを使う時の注意点
光量(パワー)の再調整
カラーフィルターを使う時の注意点として一番最初にお伝えしておきたいのが光量(パワー)が落ちることです。
ストロボから直接色を出しているのではなく1枚被せて色を出しているので、その分どうしても通過する光のパワーが落ちてしまいます。
ライトの上に色々とものを被せると光量が落ちるのと同じように、カラーフィルターも被せる物ですので仕方ありません。
そのため、カラーフィルターを使う時は通常時よりもパワーを上げていく必要があります。
暗い場所での撮影時にはフルパワーでも弱い事もあるので、ストロボと被写体の距離を近くしたりもっとパワーのあるストロボを使う必要があります。
ホワイトバランスとの色味調整
ホワイトバランスとの色味調整も非常に大事です。ストロボに色が付くとホワイトバランスにも影響が出てきます。
例えばホワイトバランスで赤っぽくしているところに赤色を混ぜるとものすごく赤色になります。赤+赤なので真っ赤になります。
それが狙いであれば問題ありませんが、意図しない色の強みが出ることもあるので調整しましょう。
特にホワイトバランスは忘れられがちで、カラーフィルターを使っている時はストロボだけで頑張って調整しようとすることが多いです。
ストロボで調整するのは良いのですが、ホワイトバランスが関係している以上は限界があります。ホワイトバランスを忘れないようにしましょう。
自然光や周りの光の色との色混じり
ストロボのカラーフィルター以外にも色がついている光はたくさんあります。自然光だって常に同じ色とは限りません。
場所だったり時間帯によってはオレンジ色に見えたり青色に見えたり赤っぽく見えたりします。夜なら光すらないかもしれません。
自然光に関してはストロボではまず勝てないので、自然光の光と色が優先されます。うまく調和出来るように調整する必要があります。
自然光以外にもLEDとかの光もあります。屋外ですと自販機とか電灯とか玄関前の光があります。
写さないようにしても光は漏れてくる事があるので完全にシャットアウトすることは困難です。
屋外の場合は光が混じってくる前提で考えておくといいでしょう。
被写体との色の関係
被写体との色の関係も注意しましょう。例えば被写体が赤い服を着ている時に赤のカラーフィルターを使ってもあまり意味はありません。
完全に服の色がわからなくなっていますが、実際はこのような服装と色になっています。
同じ色が被ってしまうと白ではない白飛びみたいな感じになってしまい、これが少しだけなら気にならないのですが服だとかなり目立ちます。
あえてそういうのを狙っていく人もいますがかなり特殊なケースです。基本的には被らないよう気をつけましょう。
デザインがある場合だとそのデザインが完全に消えてしまうこともあります。せっかくのデザインが消えるのはもったいないです。
アクセサリーも同様で色が同じだと同化して見えないことがありますので、事前の確認が大事です。
どうしてもそのアクセサリーを入れたい場合は向きを変えたりポージングを変えて、位置を調整しましょう。
ソフトボックスとも併用可能(注意点あり)
ソフトボックスを入れることで光が拡散されて柔らかくなるので、全体に色のついた光を出すことが出来ます。
直接光を当てるよりも全体にマイルドさが出てくるので、色を付けつつ優しさも感じられる光になります。
カラーフィルターはソフトボックスと併用することも出来ます。ただしソフトボックスによっては取り付けが出来なくなったり難しくなることもあります。
単純に大きさの問題でカラーフィルターを付けたマジックテープやゴムバンドが引っかかって取り付けができなくなります。
使っているソフトボックスにもよるのと、取り付ける順番を変えてみたら取り付け出来ることもあります。
カラーフィルターが先か後か、使っているソフトボックスに合わせて使い分けましょう。
そしてソフトボックス+カラーフィルターの組み合わせはものすごく光量が落ちます。
ソフトボックスなしの場合はこの明るさです。
ソフトボックスを入れるとここまで明るさが変わります。
カラーフィルターだけでも光量が落ち、ソフトボックスだけでも光量が落ちます。光量が落ちる要素が2段階になるので更に落ちていきます。
なのでこの2つを組み合わせる時はそれなりにパワーのあるストロボ(GodoxならAD200とか)を使うことをオススメします。
TT600はそれなりにパワーがありますが、この2つを組み合わせるとさすがに力不足を感じます。
対処法としてはカメラ側でそこそこ明るめの設定にすることです。
シャッタースピードはストロボに殆ど影響してこないのでF値かISO感度で明るさを調整していきます。それと同時に色味もまた変わってくるので調整します。
カラーフィルターを使った撮影はひたすら調整と確認の繰り返しです。
カラーフィルターの管理方法(参考)
管理しないとどうなるか?
カラーフィルターの管理方法の参考例です。カラーフィルターは複数のストロボに使う場合、ストロボの数だけ用意しなければなりません。
基本的には同じメーカーの同じものを使います。しかも撮影中は結構忙しいのでカラーフィルターをしまう時に混ざることがあります。
ストロボAに使っていたカラーフィルターを、ストロボBに使っていたカラーフィルターと一緒に入れてしまう状態です。
これの問題点は探している色のフィルターが行方不明になりやすいです。
前回はストロボ2灯だったのでカラーフィルターも2つ分持っていったとしましょう。
次の撮影はストロボ2灯だけどカラーフィルターは1つ分でいい場合、ストロボAに使ったカラーフィルターを持っていくとします。
ストロボAで使っていたのが赤だとして、その赤色は現在ストロボBに使っていたカラーフィルターにあります。
現地について気付いたときには遅いです。赤が必要なのに赤いカラーフィルターがない(自宅に置いてるもう1つの方にある)ことになります。
毎回全セット持っていくのなら探せばあるでしょうが、探すのに時間もかかって非効率です。
元にあった場所に戻さない癖はカラーフィルター以外でも多々あります。ケースと中身が違う、よくあるパターンです。
対処法(例)
鳴白代表が実際にカラーフィルターをよく紛失(どこかに混じってる)してしまうので、導入した管理方法です。
使っているのはマジックテープ式です。ゴムバンドでも同じ方法で管理できるかと思います。
まず小さい袋を用意します。マジックテープ式のを入れるものとカラーフィルターセットを入れるための2種類用意します。
それぞれにグループを割り当てます。できればストロボとセットにしておくと良いです。
ストロボAに使うカラーフィルターはグループA、と自分でグループを決めてシールに書いて貼り付けます。
カラーフィルターを入れるための小さい袋を、カラーフィルターを付けるマジックテープを入れるための袋(大きめ)に入れます。
こうすればカラーフィルターを簡単にグループ分け出来ます。
あとは撮影に持っていく時に同じグループのものを使用する、と決めて運用します。グループを意識するので混ざる事がなくなります。
元にあった場所に戻せばいいだけですが、グループ分けすると自然と取り組みやすくなります。
フィルターが行方不明になるかもしれない方の参考になればと思います。ご自身が管理しやすい方法で管理するようにしましょう。
まとめ
まとめです。
・カラーフィルターはストロボの前に付けるもの
・カラーフィルターを付けると光量が落ちる
・色味に注意しないと混ざったりして予期せぬ色が出る
・ソフトボックスを使うと更に光量が落ちる
カラーフィルターを使うときはストロボのパワーを上げざるを得ない事が多いです。そうなってくると必然的にストロボの電池切れが早くなります。
ストロボの予備電池も忘れないようにしましょう。