カメラ関連

3-2.ストロボを使うときのカメラの設定と考え方

ストロボを使う場合、自然光が入ってこない屋内で使うことが多いです。

基本的に屋内と屋外は設定が全く違いますが、ストロボを使うようになると更に設定が変わります。

ストロボを使うときの基本知識でもありますので、しっかりと覚えましょう。

 

 

ストロボを使うときのカメラの設定の考え方

ストロボを使うときのカメラの設定は、ストロボが光らなければ真っ暗になるよう設定します。

基本的に光は全部ストロボで補う、という考えで余計な光が入ってこないようにします。

なのでストロボが光らない=真っ暗で何も見えない又はほぼ何も見えないくらいの暗さになります。

最初は不安に感じるかもしれませんが、真っ暗で大丈夫です。

 

カメラの基本知識については第一章で学んだ通りです。

暗くするためにはF値は高く、シャッタースピードは早く、ISOは低くする、これが基本です。

かといってF値最大値、とかにするとストロボフル発光でも厳しい事があるので、調整しましょう。

 

シャッタースピードについてはカメラによりますが、大体がストロボを使う場合は1/250あたりが最大になることが多いです。

ハイスピードシンクロ対応となっていれば、より早いシャッタースピードも設定可能になります。

安すぎるストロボだとない可能性もありますが、大体のストロボはハイスピードシンクロ対応です。

 

ただ通常使用の場合は1/250もあれば十分なので、毎回ハイスピードシンクロをする必要はありません。

どうしても必要な時だけ使う感じです。

 

F値は絞れば暗くなっていきますが、同時にボケなくなってしまうのでその点も注意が必要です。

ある程度ぼかしつつ、というのであればストロボのパワーを落とすか部屋自体をもっと暗くする事が必要です。

 

 

ストロボが当たらない場所=暗いままになる

カメラの設定の次に大事なのは、ストロボが当たる場所と当たらない場所の違いです。

ストロボが光れば、フラッシュを焚いてるのと同じなのでその部分については明るくなります。

逆を言えば、ストロボが当たってない場所があればそこは真っ暗なままになります。

 

この考え方が非常に重要で、ストロボ1灯で撮影した前回の撮影では右側部分が暗くなっていました。

ストロボ2灯使って右側部分も明るくなって、左側にも多少光が当たってたので全体がいい明るさになりました。

左側から当てた場合、当然ながら右側には光が当たらないので影となり暗くなります。

右側から当てた場合、左側が今度は暗くなります。

 

カメラの設定で完全に真っ暗な状態を作り出した場合、ストロボが当たっていない場所はそのままの明るさです。

つまり、真っ暗です。

その暗さを活かした撮影も出来ますが、それを活かすかどうかは撮影者次第です。

 

当たり前といえば当たり前のことですが、ストロボ撮影は苦手な人が多く意外と撮影中に忘れていたりします。

何故暗くなってしまうのか?一部だけ明るくなるのは何故なのか?冷静に考えればわかりますが、結構焦る人も多いです。

全体をバランスよく綺麗に明るくしたいならストロボを増やすのが一番手っ取り早いです。

 

 

シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響する

F値とISO感度は全体の明るさに影響しますが、シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響します。

ストロボの光が当たっていない部分は暗いままになりますが、シャッタースピードを変えれば明るくなります。

被写体の明るさはストロボで調整しますが、背景までストロボの光が届かない場合はストロボの影響を受けません。

そのストロボの光が届いていない背景の明るさは、シャッタースピードで調整します。

 

逆に屋内で壁際とかで撮影する場合、ストロボの光が壁まで届いている事がありますがこの場合はストロボに影響されます。

ポイントはストロボの光が届いていない部分です。

この部分がシャッタースピードを遅くすれば明るくなります。

 

実際に見てみましょう。

ストロボの光を左から当ててみました。右側はなしです。

 

シャッタースピードは1/200なのでストロボの光が届いていない右側は暗いです。

このシャッタースピードを1/10にしてみます。他の設定はそのままです。

ストロボの位置やパワーは同じですが、シャッタースピードを変えたことで明るさが変わりました。

ですが左側部分に関しては明るさは変わっていません。

もしシャッタースピードがストロボの光に影響するのであれば、もっと明るくなっているはずです。

左側は白飛び、右側はちょっと暗いかも、程度になるはずですが程よい感じになっています。

 

ストロボの光が届かない場合やストロボが足りない場合、シャッタースピードで調整して補う事も可能です。

ただしシャッタースピードを遅くすれば手ブレの問題が出てくるので、三脚の用意は必須です。

使うかどうかは別として、無かったら間違いなく困るからとりあえず持っていくのが基本です。

 

ストロボが苦手な人が難しいと思っているポイントの1つが、このシャッタースピードだったりします。

屋外での撮影でストロボを使う場合はかなり重要です。

ポートレート撮影の場合は背景も重要な要素になってくるので、これを理解できているかどうかでクオリティが一気に変わります。

 

 

まとめ

最後にまとめです。

・ストロボを使う時はカメラの設定は暗めにする

・ストロボの光が当たらない部分は暗くなる

・シャッタースピードはストロボの光が当たっていない部分に影響する

・撮影範囲全体にストロボの光が行き届いている場合、シャッタースピードはあまり関係ない

 

シャッタースピード関連の部分は非常にややこしいので、最初のうちは撮影範囲全体にストロボの光が入るようにするのがオススメです。

まずはストロボでの撮影に慣れて、そこからシャッタースピードを理解する、この順番で進めると覚えやすいです。

 

次回はストロボに使うアクセサリーについてご紹介します。

何故これを使うのか?使った場合と使っていない場合の違いについて、学んでいきましょう。