今回は写真の構図について学びます。
構図は人によって好みも分かれますし、無意識でやっている人も多いです。
種類としてはかなりの数がありますが、今回は代表的な構図を学びます。
構図とは?
構図は一言で言えば写真の撮り方です。
メインとして写したい被写体を写真のどこに置くかを決めて撮影します。
写真を普段撮らない人でも人や動物を撮る時には真ん中にくるように撮影すると思いますが、それも構図の1つです。
真ん中に配置するのは一番よく使われる構図です。
一緒に映り込むものによっては、人物撮影の場合は人物を端にしたほうがいい場合もあります。
わざと端によってしまった、のではなくあえて端にするというのが構図の難しい所です。
今はこういった状況だから人物を端に置く、と自分の中で納得して撮るのであればいいですが、とりあえず、で端に寄せれば写真撮るのが下手な人と思われてしまいます。
それもあってか、大体は中央に置く(外れにくい)のが多いです。
構図の難しい所でもありますが、メインとなる被写体と一緒に映り込む物や背景の配置をしっかりと考える必要があります。
場所が同じであったとしても、構図次第で全く違う場所で撮影したように見せることも出来ます。
周りに写っているもの次第で雰囲気も一気に変わります。
構図を決める前の基本
構図はとても大事ではありますが、その前に注意するべき基本的なことを抑えておきましょう。
最初のうちは構図なんて考える余裕もないですが、構図を気にしていない場合でも気をつけたいのが水平線です。
横一直線の水平線、これが非常に大事です。
どの構図を使うか考える上でも水平線がめちゃくちゃになってしまった写真だと見るのがすごくしんどくなります。
特に初めて撮影するときはその写真を見ても特に何も感じないと思います。
ただ1~2ヶ月くらいして最初の頃の写真を見続けてるとしんどくなることがあります。
写真が意図せず斜めに傾いていて、船酔いみたいな感覚になることがあります。
狙って傾けて撮ったものであれば気にならない事もありますが、慣れていない時に撮影した傾いている写真だと話は別です。
特にRAW現像もしていないjpeg撮って出しの写真だとなおさらです。
これを回避するためには水平線を意識しましょう、が答えですが自分ではまっすぐのつもりでも撮影後に見たら斜めになっていた、というのはよくあります。
斜めになっていないつもりでも実際はちょっと傾いているものです。
最近のカメラには水平線を表示させる機能がついているので、表示させて活用しましょう。
表示させても撮影時に写り込むとかはないので、ちょっと斜めになっているかも?と思ったら使ってみましょう。
実際使ってみるとわかりますが、本当に水平に保つためには三脚を使うか結構集中することになります。
その上で構図も考えて、となると撮影できる写真枚数も限られてくるので慣れるまでは次で紹介する日の丸構図で水平線を意識するのがおすすめです。
代表的な構図
構図の種類は本当に数が多すぎるため、全部を把握して使い分けるのではなく最初は代表的な構図だけを覚えましょう。
いきなり難しい構図に挑戦して、なかなか決まらずシャッターを押せないとなっては意味がありません。
日の丸構図
一番多くて使いやすい構図であり、1枚目の写真と同じ構図です。
写真のように被写体を中央に置いた構図で、迷ったら日の丸構図にするのがオススメです。
使いやすさと見やすさを兼ね揃えています。
二分割構図
これも日の丸構図に続いて使いやすい構図です。
縦にせよ横にせよ、画面を二分割して考える構図です。
左右対称の被写体を綺麗に真ん中に置くことができれば、とても良い写真になります。
写真は風景ですが、結構綺麗に青空が広がっていたので採用しました。青空と森林で分割するイメージです。
左右非対称の場合だと少しやりにくい点はありますが、これも無意識にやっている人も多いかと思います。
被写体を中央に配置しつつ左右対称になるようにする、というのはとりえあず、で思いつくものです。
なので特別意識することもなく、撮影に慣れてくれば自然と使える構図でもあります。
三分割構図
これも比較的使いやすい構図で、日の丸や二分割以外にちょっと違う構図をしたい、となったら最初にやってみましょう。
日の丸、二分割の応用みたいなものです。
考え方としては、画面を縦横3分割にして9個のブロックを作ります。
このブロックの点や線に合わせて被写体を置いて撮影することで、いい感じに左側や右側に被写体を配置した写真が撮れます。
更にこの構図はカメラによってはグリッド表示で出せるので、撮影時に合わせやすかったりします。
頭の中でイメージするのではなく、グリッドを表示して実際に目で見て撮影できるので失敗しにくいです。
撮ってみないとわからない、ではなく撮る前から左か右か、とかを決められるのと撮り方次第で色々な見せ方も出来る構図です。
ただいきなり始めるのではなく、最初は日の丸構図と二分割構図を覚えてからのほうがいいでしょう。
とりあえず、ではなく何故今回はこの構図がいいのか、この位置なのか、も考えて撮るようにすることも大事です。
サンドイッチ構図
これは何かの間に被写体を入れて撮影する構図で、町中とか森にある木とかを使っているのが多いです。
例えばビルとビルの間に人を入れて広く撮影したり、木と木の間に人を入れてみたりするパターンが多いです。
商品撮影よりも人物撮影でよく見ますし、写真の場合ですと手前側ですが真ん中にいる鳩がサンドイッチされています。
商品撮影でサンドイッチ構図をすると、物によってはものすごい圧迫感とか商品より両端が目立つ可能性もあります。
距離があれば遠近感や立体感を出す事もできます。
横並びにしてしまうと、ただ一緒に並んで写っているだけの写真になってしまうので少し難しい構図でもあります。
特に被写体が棒立ちで両隣が木だと木3本みたいな感じになってしまい木に擬態している人に見えてしまいます。
なにもない空間では使えないので使える場所とかシチュエーションも限定的ですが、うまく使えば良い写真になります。
シメントリー構図
これは被写体の左右または上下を対称とするバランスの良い構図で二分割構図にかなり近いです。
イメージとしては鏡に映したかのような綺麗な左右対称・上下対称になるような写真です。
全体的にバランスがとても良く安定感があり、特に意識せずこんな感じで撮影している人も多いと思います。
全体を見てバランスの良さ重視で撮影すると自然と撮影できる構図でもあります。
コツとしては全体的に左右対称・上下対称になることを意識して真正面から撮影することです。
対称にするためには正面から撮影する必要があり、位置がずれると対称ではなくなってしまいます。
綺麗に中心を捉えて正面から堂々と撮影することが大事です。
撮影できる場所と環境が限られてきますが、水面に反射させて撮影するのもシンメトリーです。
放射線構図
遠近感を思いっきり出す構図で奥行きを感じさせることが出来ます。
実際にはそこまで奥行きがなくても、この構図を利用することで奥行きがかなりあるように見せることも出来ます。
そうはいってもある程度の奥行きは必要になるので、壁から離れた距離でないと使えない構図でもあります。
すぐ後ろに壁があると遠近感がなくなり、狭さを感じさせる写真になってしまいます。
この鳩が並んでいる写真ですと、実際の奥行きは先程のサンドイッチ構図で使っていた写真で確認出来ます。
この写真だけを見るともっと奥があるように見えますが、鳩からしたら奥行きがあるかもしれませんが人にとっては大した奥行きがない場所です。
これら以外にも構図はたくさんありますが一気に覚えても扱いきれません。まずは自分の得意な構図を見つけましょう。
構図を意識しすぎない
初心者だけではなくプロでも結構やってしまう人が多いのが、構図を意識しすぎてシャッターを押せない問題です。
構図を意識することは大切ですが、何よりもシャッターを押さないと写真は残りません。
撮った写真がいいかどうかはとりあえずシャッターを押して写真として残さないことには確認が出来ません。
1枚の写真にものすごい時間をかけてなかなかシャッターを押せない人をよく見かけますが、被写体の人がずっとその姿勢を保っている事を忘れないようにしましょう。
その1枚のために延々ときつい体勢を維持し続けるので、時間的にも体力的にも一気に持っていかれます。
構図を意識しすぎてシャッターを押せない、ということがないようある程度見えてきたら1回シャッターを押す、位の気持ちで撮りましょう。
構図がちょっと決まっていなくても写真が無いよりは全然良いです。
迷ったときにはこの構図にする、と決めておくと迷っている時間を多少減らすことも出来ます。
撮影には時間が限られているので、構図に迷ってシャッターを押せずに時間だけが過ぎていってしまった、いうことがないようにしましょう。
構図はあくまで参考として考える
こういう構図があります、という話をするとこれに従って収めなければならない、と思ってしまう人も結構います。
写真の世界は正解がない世界友いわれているように、必ずどれかの構図に当てはめないといけないということはありません。
むしろ構図もある程度代表的ないくつかのパターンに当てはめているだけで、実際にはそれは違う構図なのでは?と思える写真はたくさんあります。
既に決まっているパターンに当てはめるのではなく、どのパターンにも当てはまらない写真でも何ら問題はありません。
ただ最初のうちは何かしらの基準や参考になるものがないと始めにくいので、最初は練習ということで構図を決めて撮影練習をするのが良いです。
慣れてくるとここから撮ったほうがいいんじゃないか?とかこの角度はどうか?とか構図を意識せずに良い写真が撮れるようになります。
この角度はとても良いと思うけど構図から外れてしまう、と考えてしまい良い写真が撮れる可能性を逃してしまうのは非常にもったいないです。
構図はあくまで参考、良いと思ったら構図うんぬん考えずにとりあえずシャッターを押すことも大事です。
直感に従って撮影すると結構いい写真が撮れることも多いです。想像以上に良い写真になることもあります。
構図に迷ったらこれ、というのを決めてシャッターを押して写真を残す、これを癖付けましょう。